最愛の姉のお別れの会の日を迎えた。忍は「情けない話なんですけれども、今の方が泣いてしまうんです。なので、こうしてお集まりいただいて、なんとも言えない気持ちです。これが夢だったらよかったのにな、と心から思います」と心境を明かした。関係者だけの一部でも約800人が集まり、一般向けの2部が始まる前には会場には長蛇の列ができ、中山さんとの別れを惜しんだ。「姉本人が1番驚いていると思います。まさか、こういう形でお別れをすることになるとは姉本人も思っていなかったと思います。今年の3月1日で55歳になりまして、デビュー40周年の記念の年だった。コンサートツアーをやらせていただく予定でした。ファンの方に直接『40年、応援してきてくださって、ありがとうございます』と言いたかったと思うんです。こういう形で集まっていただくことは決して望んでいなかったと思うんですけど、姉を偲んで来てくださることはとても喜んでくれると思います」と涙ながらに語った。
今も涙があふれる理由を問われると「『あれ?なんでいないの?』とか『なんで、もう会えないんだろう?』と。
今、思い浮かぶ姉の姿も明かす。「本当に不思議なんですけど、今の私の心の中にいる姉は、幼いころの姉の姿。一緒に遊園地に遊びにつれていってもらったころのように、よく日に焼けて、写真を撮ってもらう時に、ちょっとおすまししちゃうような小さいころの姉の姿が目に浮かびます」とする。「ずっと姉を頼りにしていた。
中山さんは愛する妹の相談や愚痴を聞く度に「忍は大丈夫だよ」と返してくれたそう。忍は「真剣に相談しているのに簡単に『大丈夫だよ』と言うから、1回腹が立って『なんでよ!』って言ったんです。『大丈夫。忍はかわいいから』って言うんです。親バカならぬ、姉バカもここまで極まったか、とその時は恥ずかしくて聞こえないふりをしたんです。これから何があっても、お姉ちゃんは『忍は大丈夫だから頑張れ』って言ってくれていると思う。その言葉を大事に、これからも仕事を頑張りたいと思う。私が仕事を頑張ることで、皆さんが姉を思い出していただけるきっかけになるように頑張りたいと思う」と誓った。
大好きな姉の遺影を見た忍は「子どものころはテレビのチャンネル権争いをしたり、けんかばっかりしていました。お互い、仕事をするようになりまして、素直にお姉ちゃんってすごいんだな、と。妹が言うのはなんですけど、トップアイドルってこういうことなんだなって。
そして、最後に忍は「1つだけファンの方にお願いしたいことがあって」と切り出す。「ある女性から伺った話です。私がすごく悲しんでいる姿を心配してくれて。『亡くなられた方は穏やかで温かなところにいる。きっと美穂さんも穏やかな気持ちで、そこにいますから心配しなくていいですよ』と。皆さんが姉のことを思い出してくださる度に姉の側にお花が咲くそうなんです。なので、姉の歌や映画、ドラマがたくさん残されています。
中山さんは1970年3月1日生まれ、東京都出身。85年にシングル「C」で歌手デビュー。同年のドラマ『毎度おさわがせします』で注目を集めた。「世界中の誰よりきっと」(中山美穂&WANDS)や、「ただ泣きたくなるの」などもヒット。映画では『Love Letter』でブルーリボン賞主演女優賞、『東京日和』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞。
プライベートでは2002年に辻仁成と結婚、04年1月に長男を出産。14年に離婚した。妹は俳優の中山忍。大阪でクリスマスコンサートを予定していた12月6日、中山さんの訃報が伝えられた。
祭壇には、2023年のコンサート用に撮影された遺影が。その前には、中山さんの年齢に合わせ、赤いダリアが55本飾られた。祭壇はアーチ状になっており、ステージがイメージされたという。バラやあじさい、ラナンキュラスなど季節の花が約5000本の花で彩られた。
また、お別れ会の会場には、衣装が13着。『紅白歌合戦』に初出場した時、『ザ・ベストテン』、『日本レコード大賞』に出演した時などのお気に入りの衣装や、当日に中止になった『クリスマスコンサート』で着る予定だった衣装も飾られた。そのほか、愛用していたギターやレコードのジャケット、懐かしの写真なども並べられた。
■主な参列者(順不同)
永瀬正敏
藤原紀香
片岡愛之助
じゃい(インスタントジョンソン)
谷原章介
藤あや子
紫吹淳
吉田栄作
豊川悦司
竹中直人
別所哲也
島崎遥香
北川悦吏子
井川遥
西島秀俊
上地雄輔
石田ゆり子
YOU
岡田浩暉
森口博子
香取慎吾
ミッツ・マングローブ
松平健
鶴田真由
中村繁之