◆「弟がアルビノなんだよ」学校で誇らしげに語るきょうだいたち
――りっくんが誕生し、アルビノであると知った際、ご家族はどのように感じたのでしょうか?
「りっくんが生まれた瞬間、真っ白な髪やまつ毛や眉毛を見て、ただただ驚きました。その時はまだ『アルビノ』の知識もなく、病気なのか、健康に問題があるのか、と不安ばかりが募っていました。診断を受けてからも『将来は見えるようになるのか?』『歩けるのか?』『外に出ても大丈夫なのか?』と毎日が心配でいっぱいでした」
――不安とはどのように向き合っていたのですか?
「紫外線が怖くて、ずっとカーテンを閉め切って家の中にこもっていた時期もありました。でも、少しずつ正しい情報を知っていく中で、そして何より、りっくんが笑って元気に育っていく姿を見て、『この子はこのままで大丈夫なんだ』と自然に思えるようになりました」
――りっくんは8人きょうだいの6番目として生まれました。ほかのきょうだいには、りっくんについてどのように説明したのでしょうか?
「特別に説明するというより、『りっくんは白い髪で生まれてきたんだよ』と自然に伝えました。『なんで白いの?』と聞かれることはありましたが、それ以上に『かわいい!』『白くて天使みたい』といった言葉のほうが多く、上の子たちも特に構えることなく、いつも通りに接してくれていました」
――きょうだいの関係性は?
「きょうだい間では、りっくんの見た目の違いを特別としてではなく、そのままのりっくんとして受け止めてくれていたように感じます。上の子が学校で『弟がアルビノなんだよ』と誇らしげに話してくれた時は、思わず涙が出るほどうれしかったです。子どもたちのまっすぐな優しさに、私たち大人が学ばされることも多いです」
◆「白い髪が大好き」アルビノであることが、自分のそのものとして根付いている
――りっくん本人には、アルビノであることを何歳の時に伝えたのですか?
「はっきりと『アルビノ』という言葉を伝えたのは幼稚園の頃です。お友達との違いに気づき、『なんでりっくんは白いと?』と聞いてきました。その時に、『りっくんは生まれた時から白いんよ。
――りっくん自身はどのような反応をしていますか?
「いまではりっくん自身が、『自分の色が好き』『白い髪が大好き』とよく話してくれます。りっくんにとってそれが特別ではなく、自分そのものとして根付いているんだなと感じます」
◆弱視による見えづらさや紫外線対策も…学校生活での対応は?
――SNSでは、プリントに目を近づけて必死に勉強をしている姿が、注目を集めました。Instagramでは「弱視の見えづらさは本人にしか分からない」「りっくん自身も正常な見え方を知らないから言語化ができない」と弱視について投稿していましたが、小学校ではどのように過ごしているのでしょうか?
「弱視(眼鏡をかけても視力が十分でない場合)のため、座席はなるべく前方にしていただいています。プリントなどは拡大印刷をお願いし、タブレットの活用なども進めていただいています。ただ、本人が『これが見えづらい』と明確に伝えるのが難しいこともあるため、先生方と連携しながら日々少しずつ調整している状況です」
――眩しさへの対策は?
「眩しさについては、遮光眼鏡を使用しています。教室の照明や外からの光が強いときは、カーテンを先生がそっと閉めてくださっているようです。そうしたお気遣いにも感謝しています。また、視力補助具として、単眼鏡の練習も少しずつ進めているところです。学校側がとても丁寧に対応してくださっており、おかげさまで安心して通学できています」
――連日猛暑日が続く中、紫外線対策など、夏はどのように過ごしていますか?
「日焼け止めをこまめに塗り直したり、帽子を被ったりと、日常的に対策を行っています。長時間の屋外活動がある日は、本人にも長袖の着用を促し、学校側にもあらかじめその旨を伝えて対応をお願いしています。