アイドルグループ・乃木坂46久保史緒里(24)が、17日深夜放送のニッポン放送『乃木坂46のオールナイトニッポン』(毎週水曜 深1:00)に出演。16日に、グループ公式サイトで卒業発表を行って以来、初の放送となったが、卒業について、20分あまりの時間を使って、大切なリスナーに届けていった。


■オールナイトニッポンで卒業発表しなかった理由 メンバーへの報告も直前に

 番組が始まって45分頃が経過してから「この番組的な言い方をすると、今週はリスナーの皆さんにご報告があります。ご報告があります。私、久保は、きのう乃木坂46の公式ホームページ内のブログの方で、乃木坂46からの卒業を発表させていただきました。そうなんです。実は、乃木坂46を卒業します。そうなんですね。自分も正直、この番組を始めた時、パーソナリティーやらせてもらうと決まった時に、自分の卒業発表はオールナイトニッポンでするんだろうなってなんとなく思っていたんですね」と率直な思いを吐露。

 続けて「ここで自分の声で卒業しますっていうことを報告するんだろうなと思っていたんですけど、その前日にブログでさせていただいたので、いろんな理由があるんですけど、その中のひとつに、オールナイトニッポンを毎週聞いてくださってる方にとっては、この時間帯に『今、作業しています』という方とか、逆に『今、仕事が終わって帰っています』とか、オールナイトニッポンの時間を日常にしてくださってた方がたくさんいらっしゃることを、皆さんのメールのおかげで、リスナーさんのおかげで気づかせてもらっていたので、その皆さんの日常を自分の時間にするっていうのが、自分のことを話すっていうのが、すごく抵抗があった。パーソナリティーだから、自分の話をするものではあるんだけど、自分の人生のことを報告するってなった時に、いや、そうじゃなくて、いつも通りをお届けしたいと思ってたので、ちょけたまま50分ぐらいやっちゃったんですけど」と打ち明けた。

 その上で「そういう思いから、きのうブログで先に発表させてもらったんですけど、実はメンバーに話したのもつい最近で。神宮の公演が終わって、そこから1週間、みんな夏休みだったんですね。その後ですね、仕事始めの日にミーグリがあったんですけど、そのミーグリ終わりで、卒業しますっていうことをメンバーに報告しまして。
けっこう異例なんですけど、みんなに言った次の日に、ブログで皆さんに発表になるっていう形だったんです。それも自分の中で結構いろんな考えがあって。実はこの真夏の全国ツアーが始まったのが7月の頭なんですけど、それよりも前に(卒業は)決まってたんです」と話していった。

 その真意として「この真夏の全国ツアーは、今回は全員がヒロインというものだったし、みんなが楽しんで、みんながとにかく楽しいっていう時間にしてほしかったから、ツアーが終わるまでは言いたくないですっていう話をさせてもらっていて。そうなると、言わなきゃいけないリミットっていうのはどんどん迫ってきてる中で、このタイミングになっちゃったっていうので(メンバーの)みんなには謝ったんですけど、発表の前日にみんなにお伝えさせてもらってっていう流れがありました」と伝えた。

■「オールナイトニッポンがあったから卒業が延びました」 ラジオがつないだ”縁”も

 卒業を決意したタイミングについて「自分の口からちゃんと話したいなと思っていたので(ブログでは)ちょっとボヤかしてた部分を、ラジオで補わせていただくと、実は2023年の全国ツアーをやっていた時に、3期生が一番上の期になって初めてのツアーで、ものすごく不安があったんです。ただそのツアーがすごく楽しくて、そのツアー中に私、乃木坂好きすぎて、自分の意思で卒業しますって言えないかもみたいな、卒業の決意ができないかもって思ったんですよ。それですごく怖くなったんですね。不安になった。私、いつまでやれるんだろうなっていうよりかは、いつまでもやっちゃいそうだなっていう。いいことだとは思うんだけどね。だけど、いつかはやっぱ自分で決めなきゃいけない。
人生のことだから」との葛藤があったと回顧。

 続けて「みんなのことが好きすぎる、できないって思っていたのに、2023年の神宮最終日、終わった瞬間に私は卒業を決めました。何がきっかけだって言われたらわかんないんだけど、なんかその瞬間に今だなって思ったんですよ。2023年だから2年前かな。その時に、実はもう思っていて。だからといって今すぐにやめたい、卒業したいっていうことではなかったんです。私は、2022年2月からこのオールナイトニッポンのパーソナリティーを任せていただいてるんだけど、その2023年ってことは、まだ1年ちょっとしかやっていないんですよ。正直、私の中でこのオールナイトニッポンがでかすぎて、オールナイトニッポンがあったから卒業が延びました」と打ち明けた。

 『ANN』愛をにじませ「最後まで卒業に踏み切れなかった理由、2年かかったっていうのにもいろんな理由があるけど、その中の大きなひとつに『乃木坂46のオールナイトニッポン』が楽しすぎた。私はこの場所が好きすぎちゃった。オールナイトニッポンはね、楽しかったんですよね。正直、グループ活動していたら本当にしんどいこととかあったんですよ。
もう納得できないみたいな、ほんとにしんどいこととかあって、納得できないとか、もう自分の中で消化できないこととかあったんだけど、それが水曜日に起こったりとかすると、私はけっこう自分の中で、なんできょうなんだよって思っていたの。なんで、きょうこんな苦しい悔しい思いしなきゃいけないんだって思う日も正直あったんです。ただ、すごい不思議でね、この場所に来ると、絶対にさ、毎週2時間、ここでさ、いつも通りのラジオお届けするっていう時間がある。その時間があるとね、不思議とね、元気になる。嫌だったこととか、本当に苦しい、悔しいことを忘れられた場所が、ここの『乃木坂46のオールナイトニッポン』だったんです」とかみしめるように語った。

 ラジオがあったことで生まれた縁もあった。「このオールナイトニッポンがあったから、私はいろんなことが叶いました。この場所で、映画に初めて出演するっていうのも報告させてもらったし、写真集が決まりましたっていうのも、この場所で報告したし。青春文化祭もだし。いろんなご縁も生まれましたね。ナイナイさんとまさか、毎年呼んでいただけるようなご縁ができるとは思っていなかったですし。長屋晴子姉さんとは未だにお家に行かせていただく間柄で、本当の友達になれた。
あとはサンドさん。5年間活動しても会えなかったサンドさんに、このラジオを始めたことがきっかけでお会いできたりだとか。あとは、文化祭に来てくださったwacciの皆さん、長いことファンやってたけど会えなかったwacciさんにようやくお会いできて、一緒に歌えたり。MONKEY MAJIKさんとも一緒に歌ったり、ラジオにゲストに来ていただいたりだとか、ほんとにほんとに、いろんな夢を叶えていただいたなっていうふうに思います」。

■パーソナリティー向いてないと思っていた過去 『ANN』ラスト放送日も発表「偶然がうれしかった」

 本音ものぞかせ「だから、なんか正直、いろんな声があって、パーソナリティー始めたばっかりの時は向いてないって思っちゃいました。正直、私は打たれ弱いし、アイドルとしてね、すごく打たれ弱かったし、初期から応援してくださってる方は(知っていると思うけど)超泣き虫だし、このラジオをやるまではずっと優等生だと思われていたから、部屋が汚いなんて誰も知らないし、ベッドでご飯を食べるなんてもちろん誰も知らないし、そんな人間だったんですけど、そんな私をね、強くしていただいたし、そんな私を面白がってくれる人がいたし、なんかそれってすごいこの場所だったからだな」としみじみ。

 そして「本当に感謝してもしきれない。私が乃木坂46の人生を歩むのと同じ、同じように、この『乃木坂46のオールナイトニッポン』という存在が、私にとって気づいたらものすごく、ものすごく大きなものになっていましたね。正直。実はオールナイトニッポンを始めた時、まだ私は卒業決めてなかったけど、卒業後のこととかって。実はね、私ね(芸能界を)引退しようとしていたんです。この世界をやめて、地元に帰ろうと思っていたんですよ。
もっと正直なことを言うと、楽天の広報をやりたかったんですよ。それぐらい本当に乃木坂46に全部を費やして、私は元の生活に戻ろうっていう風に、つい2年前までは思ってました」と衝撃の告白も。

 その上で「自分が卒業後もまだまだ自分にやれることがあるんじゃないかなとか、まだもうちょっとこっちで頑張りたいなと思えたのは、このオールナイトニッポンを通して架空の朝ドラをやった時は、もう朝ドラに出られないって思ったけど、朝ドラに本当に出られたりとか。あとは大河ドラマに出られて、本当にお世話になった有村架純さんがゲストで来てくださったり、そういう本当にご縁っていうのを、このラジオのおかげでつないでいただいたので、そのご縁をそんな簡単に手放しちゃいけないな。ヨーロッパ企画さんも、もうすごくお世話になったじゃない、文化祭。そのご縁を簡単に手放してはいけないんじゃないかなって思ったので、もう少し東京で頑張ろうかなっていう決意が生まれました」と言葉に力を込めた。

 そして「卒業に際して、ありがたいことに卒業コンサートっていうのを開催していただけることになったんですけど、日程が11月26日水曜日、27日木曜日の2日間、会場が横浜アリーナです。『乃木坂46のオールナイトニッポン』のパーソナリティーについては、1日目の卒業コンサート終わりの11月26日水曜日の放送が最後になります。これ、運命的なことで、水曜日、木曜日が卒業ライブになったのは、実は偶然というか、相談を受けたんですよ。実はこの日取りになったんだけど、ラジオどう?って言われて。私はすごくその偶然がうれしかったです。ちゃんと2日間続けて乃木坂46と乃木坂46のオールナイトニッポンとちゃんとお別れができるってすごくうれしいことなので、私が担当する残り2ヶ月ちょっとになると思いますが、最後までお付き合いいただけたらうれしいなと思います」と呼びかけた。


 久保は、2001年7月14日生まれ、宮城県出身。乃木坂46のメンバーとして活動するほか、俳優として、22年公開の映画『左様なら今晩は』で映画初出演にして初主演を務める。以降、NHK大河ドラマ『どうする家康』(23年)、映画『リバー、流れないでよ』(23年)、映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(23年)、配信ドラマ『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』(23年)、舞台『天號星』(23年)などに出演。23年7月、写真集『乃木坂46 久保史緒里1st写真集 交差点』を発売した。

 9月16日、公式サイトで「久保史緒里ですが、先ほど本人のブログにて発表させていただいた通り、乃木坂46から卒業することになりました」と報告。「2025年11月26日(水)、27日(木)に、横浜アリーナにて開催する卒業コンサートをもって卒業いたします」と伝え、「今後とも、久保史緒里、乃木坂46の応援のほどよろしくお願いいたします」と結んだ。

 番組の模様は、放送後1週間以内は「radiko」で聞くことができる。
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