映画監督・山田洋次の最新作『TOKYOタクシー』(11月21日公開)をめぐり、スタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーとの特別対談が実現した。対談の模様は、TOKYO FMの人気番組『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』で11月16日、23日、12月7日の3週にわたり放送される。


 山田監督にとって91本目の監督作となる『TOKYOタクシー』には、名優・倍賞千恵子をはじめ、『武士の一分』以来19年ぶりに山田組に参加した木村拓哉、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、イ・ジュニョン、笹野高史らが出演。タクシー運転手・宇佐美浩二(木村)と、東京での最後の一日を過ごすことになる85歳のマダム高野すみれ(倍賞)が、思い出の地を巡る“たった1日の旅”を通して人生を見つめ直す物語だ。

 今回の特別対談は、倍賞と木村が声優として初共演したスタジオジブリ『ハウルの動く城』(2004年)を手がけた鈴木プロデューサーが、『TOKYOタクシー』をいち早く鑑賞したことをきっかけに実現したもの。かねてより親交の深い山田監督と鈴木プロデューサー。番組では、日本映画界の巨匠2人が『ハウルの動く城』のアフレコ当時の話から、『TOKYOタクシー』にまつわる裏話まで語りつくす。

 「『これだけの力強い映画を作れるんだ』と感動した」と鈴木プロデューサーが絶賛。さらに「面白かったのは、木村さんの芝居がいつもと逆だった」と語ると、山田監督は「今回は“受け”の芝居。倍賞さんが攻める。木村くんも、この映画をやる時から『これは倍賞さんの映画です』って言っていました」と語り、二人の関係性が物語に深みを与えていると話題に。

 そんな木村に『君たちはどう生きるのか』でもタッグを組んだ鈴木プロデューサーは、「アフレコの時は台本を持ってきてもいいわけですよ。ところが(せりふを)全部入れてくるんですよね。全部覚えたやつをしゃべっていました」と、暴露。
さらに木村が山田監督と初タッグを組んだ映画『武士の一分』についても驚きのエピソードが明かされる。

 また鈴木プロデューサーもファンだという「男はつらいよ」シリーズをはじめ、70作にわたりタッグを組む倍賞について山田監督が「あの人は本当に天才的な女優さんだと思っています」と語る場面も。

 映画界とアニメ界を代表する巨匠2人が、倍賞・木村の魅力やそれぞれの創作の舞台裏を語り尽くす必聴の内容となっている。
編集部おすすめ