俳優の堺雅人(52)が14日、都内で行われた映画『平場の月』の公開初日舞台あいさつに登壇した。
好きな登場人物を紹介することに。
大森南朋(53)演じる江口剛とともに、堺が挙げたのが「母のお葬式の時のお坊さん。レアキャラですけど」だった。その理由も堺ならではだった。「テストと本番でお経変えたんですよ!」と明かし、すぐに気が付きシーンが終わった後にお坊さんに「今のお経何でした?」と直撃したそう。堺は「読み終わった後お経を聞いてみると、まさに『平場の月』にぴったりのお経だったんですよ!理趣経という空海の教えのお経なんですけど。人間の愛が1番美しいよ、それを仏の妨げじゃなくて、むしろそれこそが悟りの道だよ、という。お経を何も言ってないのにアドリブで理趣経に変えたんですよ!」と力説した。
土井裕泰監督は全く知らなかったそうで「やけに堺さんと話し込んでいるなと思った」と明かす。堺は「お坊さんがアドリブをかましてくると思わなくてびっくりした!」としながらも、話掛けた際には「ニヤリとしてました」とお坊さんのリアクションを明かしていた。
そのほか、井川遥(49)、坂元愛登(16)、一色香澄(15)が参加した。
『半沢直樹』(13年、20年)、『真田丸』(16年)、『VIVANT』(23年)と、その年を代表する連続ドラマで主演を務めてきた堺だが、映画では『DESTINY 鎌倉ものがたり』(17年)以来8年ぶりの主演作となる。
本作は、2018年に刊行された朝倉かすみ氏による同名小説(光文社)の映画化。
男女の心の機微を繊細に描き、各紙書評にて絶賛され、第32回山本周五郎賞を受賞し、第161回直木賞にノミネートされた。35年ぶりに再会した中学時代の同級生同士。お互い独り身となり、さまざまな人生経験を積んだ2人が意気投合し、中学生以来、離れていた35年のときを埋め、心を通わせていくストーリーは「こんな“大人の恋愛小説”は読んだことがない!」と多くの話題を呼び、発売当初から映像化権のオファーが30社以上にのぼり、満を持して映画化される運びとなった。