「何気なくAIで画像を作ったら、既存作品にそっくりだった」――そんなケースが、利用者の意図しない著作権侵害につながるおそれがあるとして、CODAが生成AI事業者に対策を求めました。
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は5月27日、生成AIサービスによる著作権侵害の現状と権利保護に関する声明を発表しました。CODAは、日本コンテンツの海外展開促進や海賊版対策を目的として、2002年に経済産業省と文化庁の呼びかけで設立された団体です。
CODAが問題視しているのは、生成AIが日本の著名な著作物そのもの、またはそれに酷似した画像や映像を出力するケースです。特定の作品名を入力していなくても、既存作品に似たものが生成される場合があり、利用者が気付かないうちに権利侵害に関わってしまう可能性があるとしています。
生成AIは、文章や画像、映像などを手軽に作れる便利な技術です。一方で、学習元となった著作物の表現がそのまま、または酷似した形で出力される場合、クリエイターや権利者の利益を損なうおそれがあります。
またCODAは、AIの「学習」についても問題を指摘しています。
日本の著作権法では、AIの学習など、作品を「読む・見る・聞く」といった楽しみ方を目的としない利用については、「非享受目的の利用」として認められる場合があります。
しかしCODAは、学習した作品がそのまま、またはそっくりな画像や映像として出力されているのであれば、単なる分析や研究の範囲を超えていると指摘。結果として、元の作品を見たり楽しんだりすることに近い使われ方になっており、著作権侵害にあたる可能性があるとしています。
さらにCODAは、米国著作権法の「フェアユース(公正利用)」にも触れています。
フェアユースでは、元の作品とは違う新しい表現や目的で利用しているかどうかも判断材料になります。しかしCODAは、既存作品に酷似した画像や映像を出力する生成AIについて、新しい表現や目的を加えた利用とは「認めがたい」と指摘。
元の作品や関連商品の価値に影響を与えるおそれがあるとして、フェアユースにもあたらないとの考えを示しました。
こうした状況を受け、CODAは生成AI事業者に対し、既存著作物に酷似する生成物が出力されていないか継続的に調査することや、問題が確認された場合はCODA会員社のコンテンツを無許諾で学習対象にしないこと、権利者からの相談や要請に誠実に対応することを求めています。
またCODAは、著作権者から指摘を受けた後に対応すればよいというものではなく、許諾を得ていない著作物については、出力段階でフィルターを設けるなど、問題を未然に防ぐ仕組みが必要だと指摘しています。
そのうえで、「既存の著作物に酷似した画像/映像が、権利者の許諾なく学習・生成・出力されている現状は、著作権侵害に該当します」と改めて表明しました。
<参考・引用>
CODA「生成AIサービスによる著作権侵害の現状と権利保護に関する声明」
CODA公式X(@CODA_2002)
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