
手塚治虫氏の絵柄で下ネタを連発する『神罰』(イースト・プレス)や、近年では松本零士氏の画風まで習得し『宇宙戦艦ヤマト2199』の同人誌を頒布するなど、神や訴訟をも恐れぬスタイルでマンガ界にその(悪?)名を轟かせるマンガ家・田中圭一氏。そんな田中氏の新連載『ペンと箸 ―漫画家の好物―』が、今年5月より「ぐるなび」にて開始された。
この連載では田中K一(マンガ内での田中圭一)がインタビュアーとなり、著名なマンガ家を父に持つ息子・娘をゲストに、縁のある料理と共に父との思い出を語ってもらうグルメレポートマンガ。
5月に公開された第1回では、マンガ界の巨匠・ちばてつや氏の息子である千葉修平氏が登場。千葉修平氏は、ちばてつや氏と共に文星芸術大学で教壇に立っているとのことで、ちば氏の生徒に対する甲斐甲斐しさや、ちば氏が電車で車内の人をスケッチする際のエピソードなどが、「お気に入り料理」と共に紹介され、ちば氏の人柄を改めて浮き彫りにしていた。
......って、あれ? マンガ内でも言われている通り、本連載は「田中圭一のマンガとは思えない」良い話が展開されている。えげつない下ネタも完全に影を潜めていて、なぜこのマンガを田中氏がやっているのか、疑問に思うほど。そこで、本連載が始まる経緯を田中氏本人に聞いてみた。
田中圭一(以下、田中) ぐるなびさんから「食べ物に関するマンガ連載を」という依頼があって、ボクにしかできないグルメマンガって。