『日之丸街宣女子』をめぐる大論争は集英社にまで飛び火! 渦中のマンガ家・高遠るい/富田安紀子 両者の主張を聞いた

『日之丸街宣女子』をめぐる大論争は集英社にまで飛び火! 渦中のマンガ家・高遠るい/富田安紀子 両者の主張を聞いた

 先日発売されたマンガ『日之丸街宣女子』(青林堂)をめぐって、新たな"表現の自由"論争が始まっている。作者・富田安紀子氏の「グランドジャンプ」(集英社)での仕事に対して、ネットでは「ヘイト作家を使うな」という声が殺到しているのだ。これは"レイシスト"とのレッテルを貼った新たな表現規制なのか? この動きに正当性はあるのか? 富田安紀子氏、そして、自身のブログで批判を展開したマンガ家・高遠るい氏、双方の思いを尋ねた。

 まず、今回の論争について、順を追って見ていこう。最近は「愛国本」とも「ヘイト本」とも呼ばれる書籍の版元として知られる青林堂。今月15日に同社から発売されたマンガ単行本が、さまざまな角度から注目を集めた。富田安紀子氏が手がける『日之丸街宣女子』(作:岡田壱花 画:富田安紀子)が、それだ。

 話題を聞いて読んでみようとAmazonをチェックすると、入荷予定は5月26日(5月20日時点)。都内の書店を訪ねても、在庫のあるところは少ない。ある書店では「版元にも在庫がないみたいで、慌てて重版しているそうです」という声も。17日に、ようやく手に入れた神保町の老舗マンガ専門店・高岡書店でも「在庫はレジの前に置いているぶんだけです」と言われた。

 青林堂が発行する論壇誌「ジャパニズム」に連載されたこの作品は、幼なじみの忘れ物を届けたのをきっかけに「李明博の竹島上陸と天皇陛下への侮辱発言を絶対に許さないデモ」に参加した少女・奏がNHKへの電凸や、しばき隊とおぼしき組織との抗争を経て「普通の日本人」として戦いに参加していくというストーリーだ。

 この本の発売が大きく騒がれ始めたのは、参議院議員の有田芳生氏のTwitterでの発言がきっかけだ。発売日を前に早売りしていた書店で同書を入手した有田氏は、こんなふうに紹介した。

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悪質な差別煽動コミックーー岡田壱花・作、富田安紀子・画の『日之丸街宣女子』(青林堂)は、表紙帯から「不逞鮮人」というヘイトスピーチのかたまり。神保町「高岡書店」によると「そんなに売れていません」。野間易通さんなどへの誹謗中傷が満載。
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【有田芳生氏のTwitter(https://twitter.com/aritayoshifu/status/598481172952272897)より引用】

 かねてより「反ヘイト」を主張する有田氏にとっては"怒りのツイート"だったようだが、その効果は絶大だった。ツイートを見て多くの人が興味を持ったのか、Amazonのランキングが急上昇。発売当日に重版、そして3刷へと至った。カスタマーレビューには「この本の出会いは民主党議員・有田芳生のツイッター」「尊敬する有田ヨシフ先生のおかげでこの本を知りました」と、皮肉的な感謝の言葉があふれている。そんな中、「反ヘイト」を掲げる人々の怒りの矛先は、作者である富田氏に向かっている。

 富田氏は、富田安紀子と富田安紀良の2つのペンネームを持ち、主に青年誌で作品を発表してきたマンガ家だ。「ビジネスジャンプ」に連載していた『ほっといてよ!ママ』(共に集英社)は、2000年に『ママまっしぐら!』としてTBS系列でドラマ化もされている。批判者から、彼女は「在日特権を許さない市民の会(以下、在特会)の活動家」で、『日之丸街宣女子』は、彼女自身の思想を反映したものと目されている。とはいえ、朝日新聞出版で「新マンガ日本史」を執筆するなど、大方のマンガ家と同じく個人の思想と仕事は別のようだ。

 ところが、批判者たちは富田氏がさまざまな媒体で執筆していることそのものを問題視している。そのやり玉に挙げられたのが、集英社が発行する「グランドジャンプ」の5月7日発売号だ。ここで富田氏は読切作品『国際霊柩送還 エンジェルフライト』の原作を担当している。これを受けて、集英社に対して「実質的に在特会のお抱え漫画家である富田安紀良をあえて起用」「ヘイトデモ常連のヘイト漫画家を原作起用するんだ。編集者に社会通念や倫理、常識がないのか」「ヘイト作家と手を切る凜とした対応を求めたい」とした批判がTwitterなどで次々と表明されているのである。

 この一連の批判が大きく広がるきっかけとなったのが、マンガ家・高遠るい氏のツイートだ。高遠氏は、東京大学卒業の"インテリマンガ家"で、現在は「漫画ゴラクスペシャル」で、グラビアアイドルがAV出演をかけた100人組手を戦うことから始まるお色気作『はぐれアイドル地獄変』(共に日本文芸社)を連載中だ。

 高遠氏は前出の批判ツイートをリツイートした上で「漫画家だからこそRTしておく。マジかよグランドジャンプ。心底見損なったぜ集英社」と発言。さらに、ブログで自身の考える問題点を次のように記している。

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彼女の主張内容は基本「ネットde真実」の典型であり、量産型ネトウヨのテンプレみたいな人ではあるのだが、漫画家というスキルを使って商業ベースでヘイトスピーチを展開している点で悪質性は高い、と私は考える
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【高遠るい氏のブログ「高遠るいの日記」(http://d.hatena.ne.jp/ruitakato/20150513)より引用】

 さらに、集英社という一大出版社の雑誌に掲載されていることが問題だという記述も。

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富田氏が常習的なヘイトスピーカーであることは議論を待たない。ハッキリ言おう。こういう筋の人間でも大手出版社のまともな本で仕事ができる、という前例をひとつ作ってしまったことが、今回の問題点である。国家公安委員長が増木重夫と付き合いがあるだけで国際的には問題視されるのの、ミニチュア版である。

「ダメだよ、グランドジャンプ&集英社。おたくみたいなある程度模範的に振舞うべき立派な会社が、マイノリティーへの人権侵害に加担し続けている犯罪的な輩に仕事をやっちゃ、示しがつかないでしょ」
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【高遠るい氏のブログ「高遠るいの日記」(http://d.hatena.ne.jp/ruitakato/20150513)より引用】

 しかし"常習的なヘイトスピーカー"の作品を掲載すべきでないという主張は、新たな批判を呼び起こしている。「女性器にナイフ突っ込む漫画描いてた人だよね」「そんな高遠るい先生の書いてるのが空手で負けたら男に廻されるアイドル漫画『はぐれアイドル地獄篇』だから発言自体がブラックユーモアとしか思えない」など、高遠氏の表現に対する批判もみられるが、最も多くを占めているのは「高遠るいに賛同してるヤツは単なる表現規制賛美者だよな。二度と表現規制反対とか言わないでいただきたい」というツイートに示される主張。つまり、富田氏の"思想"を理由に、作品を描かせないような圧力をかけることの正当性だ。

 批判を激化させている「グランドジャンプ」掲載作品『国際霊柩送還 エンジェルフライト』は、『日之丸街宣女子』とはまったく毛色の違う娯楽作品である。それゆえ「高遠氏に富田安紀子氏の仕事を奪う権利はない」「作品自体の内容とは全く無関係に『自分と思想や立ち位置が違う』というだけの理由で作品発表・出版の機会を奪えというのは、それがかりそめにも漫画家という職業人がやって良いことなのでしょうか」といった"表現規制に反対する"立場からの新たな怒りが生まれているのである。

 どんなに人間性がクズであろうとも、作品が読者の支持を得るのであれば、なんら問題はないはずと、筆者は考えている。高遠氏の論法でいけば、『金田一少年の事件簿』(講談社)の作画・さとうふみや氏は「日本は核武装を」と主張する幸福実現党を擁する宗教法人・幸福の科学の信者だからアウト。はたまた、小説家の故・井上ひさし氏は家庭ではDV野郎だったのでダメ......といったような主張が正当化されてしまうのではないか。Twitterでも指摘されていたが、高遠氏の『はぐれアイドル地獄変』も「女性に対するヘイトスピーチ」となってしまいかねない。なぜ、高遠氏は今回の発言をするに至ったのか。

 取材を申し込んだところ「たいして専門的なお話はできないと思いますが」とは言いながらも承諾の返事。どんな人物がやってくるだろうと思いつつ、待ち合わせ場所の都内某駅に向かうと、待っていたのはタンクトップ姿の精悍な青年であった。「東大卒」のイメージに反して、インテリよりもワイルドに近い印象の青年は、約3時間にわたって語り続けた。

「この問題は"表現の自由"ではなく、カルトによる洗脳の問題に近いでしょう。今どき、ネットに流布されているネトウヨ言説を信じちゃっている人というのは、思想信条というよりも詐欺に引っ掛かっている被害者だと思うんですよ。

 それが、"表現規制の問題"になっていた。『思想信条で作家をパージするべきではない』という意見を寄せてくれる人が何人かいました。でも、大企業がヤクザと付き合わないのと同じ次元の問題です。彼女が現役の在特会の活動家で、活動のコアにいる人物だということは疑う余地がありません。

 あれだけ差別扇動を継続的に行って刑事犯を出しているような団体と関わりの深い人間を、出版界におけるリーディングカンパニー【編註: 一定の業界で主導的・模範的地位にある企業】が使うのはうかつだよね、という話だったんですよ。

 竹書房や宝島社で描いている分には、俺は言いませんよ。でも『ジャンプ』の会社でしょ。だから集英社が『脇が甘いな』という失望が、最初のツイートなんです。ネットでは『大激怒』と書かれていますが、軽口を叩いたら、すごい弾圧を加えたみたいに思われているんです」

 高遠氏は、『日之丸街宣女子』に描かれているのは"思想"でもなんでもなく、"ちょっとヤバい人"の発言のようなもの。さらに、マンガ家や編集者で、集英社が"ヤバい人"の作品を掲載するミスを犯してしまったと思わない人はいないとも言う。

「安田浩一さんの本にも書かれていましたが、あれだけ出自のしっかりしたジャーナリストが取材にきているのに『お前は在日だろう。朝鮮総連の手先だろう』と詰め寄ってくる人がいるわけです。あれは脱洗脳の治療を受けるべきオウム真理教の信者に近いと思います。 

 富田さんの悩ましいところは、被害者と加害者のバランスで考えた時に加害者の度合いが強いことでしょう。マンガ家としてはキャリアもありますし、山野車輪【編註:『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)などで知られるマンガ家】と違って、まともなマンガを描けることが問題なんですよ。もちろん、富田さんが『騙されていた』と気づいて戻ってきたら、業界は歓迎してもいいと思いますけどね」

 今回の高遠氏の発言で気になったのは、彼の"覚悟"である。高遠氏は集英社で声優を題材にしたマンガ『ボイス坂』を執筆。自ら同作のライトノベル版も手がけた。一方の富田氏も集英社におけるキャリアが長い、実力のあるマンガ家である。そんな関係性の中で、「(富田氏の)他社の仕事が問題である」と噛みついたら、集英社から高遠氏のほうが「めんどくさい人」と思われて切り捨てられることへの恐れはなかったのか?

「それは、ちょっとあるんですよ。俺は仕事としては、集英社とはつかず離れずの関係です。何回かは描いてますけど、今はちょっとやっていません。でも(Twitterの発言は)、正直『集英社、ちょっとやっちまったなあ』程度の軽い気持ちでしたし......何もないと思いますよ。富田さんの担当編集が、彼女の活動を知った上で使ったのかどうか知らないけれど『これはアブない人だった』と思う案件なんですよ。集英社にとっても凡ミス。俺も、謝罪しろとも思っていないわけですから」

 淡々と過激な言葉を並べた高遠氏だが、あくまで"表現の自由"とは別のベクトルの問題なので『日之丸街宣女子』を読んでいないと話した。

 さて、ネットでは、高遠氏の作品『はぐれアイドル地獄変』も、"女性に対するヘイトスピーチ"という批判を受けてしまうのではないか? という批判も見られる。

「それをいうなら、『18禁マークがなくてエロのあるマンガを、全部なくしてくださいね』と言いたいです。そこまでいくと、もうイチャモンの域でしょう」

 あくまで「ネットでイタい人をヲチしている感覚」だという高遠氏は、富田氏の作品に対して、対抗言論として作品を描こうという意志もまったくないそう。

「マンガでそんなこと描いても面白くないですよ。マンガって誇張して描くものですから、味方を美しくして敵を醜くしちゃいます。それを言論戦でやるって、愚の骨頂じゃないですか。

 運動をやるつもりもありません。私は活動家ではなく一般人の立場から発言することに訴求力があると思うんです。だから言論や運動よりも、日本人の中にうっすらと差別意識があることを認めつつ『真っ黒なアイツらはカルト』ということを共通認識にしていくくらいでいいんじゃないですか。俺は言っちゃうけど、あとは皆さんご自由に、って感じです」

 3時間あまりの取材の中で、高遠氏の話は「ヘイト」と「反ヘイト」双方の参加者の服装の話にも及んだ。高遠氏は「ヘイト」側の参加者の服装を「根本敬に取り上げられそうな人々【筆者註:ダサイを超えてキモイこと、と解釈できる。わからない人は根本氏の『因果鉄道の旅』(幻冬舎)などを参照】」とした上で、それに対抗しようとした「反ヘイト」参加者の服装が"オラオラ系"になってしまったことに問題があると考えているようであった。そして、明日は富田氏に会うという筆者に「これを渡してください」と、自著『はぐれアイドル地獄変』の単行本を託したのであった。

 翌日。富田氏と待ち合わせたのは、首都圏の某都市にあるアンティークな雰囲気の喫茶店。約束の5分前にやってきたのは、スラッとした印象の礼儀正しい女性であった。「私はマンガ家なので、期待されていらっしゃるようなことが話せるでしょうか」という富田氏。けれども、筆者が質問をしていくと、高遠氏をはじめ「人となり」を理由に集英社は作品を掲載すべきでないと主張する人々に、冷静な言葉で反論を始めた。

「『お前会ったことないじゃん!』と言いたいです。私がどういう人間か、会ったこともないのに、勝手に決めつけてる高遠さんこそカルトですよ。安全なところにいて、叩いているだけじゃないですか。薄っぺらな価値観で私を全否定するのは、やめてほしいですね。

 もちろん、自分の中に『日之丸街宣女子』で示したような考えがあるのは事実ですけれども、学園モノも描けばファンタジーも描いてきました。今回『グランドジャンプ』で原作を担当した作品は、"国際霊柩送還士"がテーマですから外国人も出てきますが、そこに韓国人が出てきているわけでもなく、在日とのいざこざを描いているわけでもない。でも、"作品が悪いんじゃなくて、人が悪い"なんて言われたら、それはもう"思想警察"じゃないですか。

 もし作品の内容に文句があるなら、集英社ではなく青林堂に言うべきでしょう。でも、青林堂には、ひとつも文句は来ていないんですよ。びっくりしました。卑怯ですよ」

 富田氏の発言には困惑すら感じられた。無理もないだろう。これまでも『日之丸街宣女子』で描かれている思想とは真逆の出版社から仕事を受けることもあったからだ。先述した、朝日新聞出版の『新マンガ日本史』での徳川吉宗の伝記マンガが、それだ。このマンガ、当初は「東条英機を描いてほしい」という依頼があったそうだが、富田氏は担当編集者に「自分はこういう考えの持ち主ですけれども、頼んでいいと思います?」と正直に申告。「ダメですね」と返答され、もう朝日新聞出版から仕事は来ないかと思っていたら、「これなら大丈夫でしょう」と徳川吉宗の回の執筆を依頼されたのだとか。

 さて、富田氏は『日之丸街宣女子』について「私は嫌韓本を描いたつもりはまったくない」と言う。そして、本作に対する「悪質なプロパガンダ」という批判には、次のように答える。

「私は描きたいものを描きたいんであって、描きたくないことは描きたくないんですよ。もし、在特会から『プロパガンダのために、こう描いてくれ』と言われていたら描かないですよ。高遠さんもマンガ家だったら、マンガ家がどういう思いで描いているか、わかるじゃないですか。

 この作品はフィクションですが、嘘は描いていません。自分が体験したことを描いているだけです。誰か特定の個人や団体を傷つけようという意識で描いてもいません。実在の個人や団体をこきおろしたり、中傷することはやってはならないという常識はありますから。

 それに、これはドラマなんですから、敵と味方がいるわけです。主人公側がかっこよくなるのは当然です。アンチの人からTwitterで『このマンガを見る限り野間さんたちは魅力的だから右翼の人のためにはならないと思いますよ』といった意見が送られてきたんですが......私のキャラクターなわけだから、あなたのキャラはカッコイイと言われて、嫌なわけないじゃないですか。(私が)最も好きなのは、唇の厚いキャラクター【編註:作中に登場する「反ヘイト」に参加する在日四世の女性キャラ】です」

 批判者から上がった「在特会のお抱えマンガ家」「コアな活動家」という指摘にも、首を横に振る。

「私が最初にこうした問題に興味を持ったのは、北朝鮮による拉致問題だったんです。初めて参加したデモは『主権回復を目指す会』のデモで、その時は旗を持って歩いたのですが、今も参加スタイルはさほど変わっていません。賛同できる団体、賛同できるテーマにはカンパもしてきましたが、すべてに賛同しているわけではありません。

 在特会では桜井さん【編註:前会長の桜井誠氏】が会長だった頃は毎週のようにさまざまなテーマのデモがありましたけれど、『このテーマは賛同できない』と思うものもありましたよ。今回、作中に桜井さんをモデルにした人物を描くときには、連絡して許可を頂きましたけど......在特会の幹部の方とは、行動の現場でも会釈するかしないかくらいの関係です。ですから"在特会のお抱えマンガ家では、まったくないんですよ」

 高遠氏が『日之丸街宣女子』を読んでいないことを告げると、富田氏は嘆息するのだった。

「絶対に買っていないと思いました。でも、人を一人潰そうとするのならば、最低調べましょうよ」

 表紙に「vol.1」と記載されているように、『日之丸街宣女子』は一巻完結ではない。これからも、主人公・奏のさまざまな体験が描かれていく予定だという。

※※※※※※

 今回の騒動に接して考えたのは、個人の思想や言論を理由に民衆が虐殺を煽った事例は、すでに歴史上にあるということだ。顕著な例は、第二次大戦後のフランスだろう。連合軍によって"解放"されたパリで巻き起こったのは、対独協力者とされた知識人、ファシズム礼賛や反ユダヤ主義を記した作品を描いた作家たちに対する、権力者と民衆が一体となった迫害だ。シャルル・モーラスとリュシアン・ルバテは終身刑となり、ピエール・ドリュ=ラ=ロシェルは潜伏先で自殺した。母親を人質に取られたロベール・ブラジヤックは出頭して銃殺刑となった。ルイ=フェルディナン・セリーヌは亡命に成功して生きながらえたが、彼が反ユダヤ主義思想を綴った『虫けらどもをひねりつぶせ』は、いまだにフランスでは公刊されず、国書刊行会の日本語版全集でしか読むことのできないものになっている。

 あくまで遠い外国の過去の出来事であり、現代日本にそっくりそのまま当てはめることはできないだろう。

 なぜなら、戦後70年、状況はもっと深刻なのだ。無数の声なき声が、Twitterやブログなどで持論を展開している。でも、それは人と人との会話にはなっていない。高遠氏も富田氏も、Twitterでアットマークをつけて意見する人がいる程度で、メールを寄越す人など皆無だという。

 これは、すべて普通の人間がやっていることなのだ。そのことを見抜かなければ、人類に未来はない。
(取材・文/昼間 たかし)

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