発行3カ月で、同人誌はどれだけ手にとってもらえたか? 初心者が同人活動をはじめてみると…【実売数編】

発行3カ月で、同人誌はどれだけ手にとってもらえたか? 初心者が同人活動をはじめてみると…【実売数編】

 2015年夏、私は同人イベントデビューを果たした。同人誌を刷って頒布してきたのだ(http://otapol.jp/2015/08/post-3234.html)。そして3カ月後となる秋。2度目の同人イベントに参加してきた。刷った50部の同人誌は2度のイベント(と通販)で何人の方の手に取っていただけたのか? 同人活動をするものにとって、気になるけれど知り合いには相当聞きにくいデリケートなテーマ、「頒布部数」についても報告していきたい。

■見落とされがちな「持ち運びのしやすさ」がサークル活動の快適さを左右する

 2回目となるイベントで、肝心の新刊は用意できなかった。3カ月おきに新刊を普通に出しているサークルのすごさを思い知る。Twitterで毎日のように萌え語りをして、公式の動きもぬかりなくチェックし、しかもたまにある私的な書き込みを見ると出張、残業、休日出勤など仕事をバリバリしていそうな人が、普通に新刊を出すそのバイタリティ。かの人たちの一日は105時間くらいあるのだろうか。しかもこういう人たちは例外的なスーパーマンでなく、普通にいるのが恐ろしくも頼もしい。イベントはこの普通というにはあまりに強火の情熱でできている。

 しかし、新刊がなくとも私には既刊(初回に刷った同人誌)がある。50部刷った既刊は初回のイベントで5冊を頒布した。「刷るのは50部でなく30部でよかったね」というのが正直な実感だが、既刊さえあれば頒布できるものはある。在庫があってよかった、と思う朝はやってくるのだ。

 私は自家通販(同人誌を自宅で、自力で通販すること)をしていないため、在庫は自分の分を除いてすべて同人誌の通販会社に送っていた。(http://otapol.jp/2015/08/post-3400.html)。これをイベントにあわせて送り返してもらう必要がある。私の利用した販社では返送先を「同人イベント会場」もしくは「自宅」から選べる。イベント会場で当日受け取った方が楽だが、イベント会場への送付はイベント2週前までに申込が必要と記載があった。ちょうどその時期が連休で、うっかり気づいたのはイベント13日前。あわてて販社ホームページを見ると、もうその日を選択できない状態になってしまっている。

 既刊はたんまり余っているのに、イベントで頒布できるものがないかもしれない。ドキドキしながらその場で「販社→自宅」に本の一部を返送してもらうよう申込をした。これもいつまでに届く、と販社側で確約はしていないものだったので、下手をするとイベント後に届くかもしれない。

 私の本が欲しい人がいたら販社のホームページから、イベントの頒布価格より割高ではあるが買うこと自体はできる。しかし、もしイベントに来て、もしあのサークルの本を買おう、と足を運んでくださる方がいたらどうする。わざわざスペースまで来てくれたのに「参加できませんでした。ごめんね」のビラ一枚では申し訳なさすぎる。ダメならダメで連絡は早めにすべきだろう。5日待って届かないなら、pixivで告知しようと思っていたら、3日後、あっさり本は届いて事なきを得た。

 たまたまうまくいったからよかったものの、繁忙期なら間に合わなかったのかもしれない。今回、2週間前までに申込しなくては、と分かっていた時点で手帳にグリグリ書きこんでおくべきだった。既刊の発送以外にも印刷期日や、イベントの申込期日など、オフでの同人活動は24時間お好きなときに、なオンラインと違い期日だらけだ。初回イベント参加時は早め早めできっちり動けていたのに、2回目にして早くも元の性格の適当さが遺憾なく発揮されてしまっている。

 たくさん頒布できるようなサークルでないからこそ、印刷所の早割(早期入稿をすると印刷料金が割安になるサービスは多くの印刷会社が導入している)を利用したり、きちんと間に合わせて不要な心配や手間やトラブルを避けるなど、よりリーズナブルに、快適に、手間なく利用するためのツボをしっかり守ることが同人活動継続のモチベーションにつながるので、気をつけなくてはいけない。

 イベント会場での受け取りなら、発生しなかった自宅から会場への運搬が必要になったのだが、自分のせいなので仕方ない。しかしここで、送り返された本を見て気づいた。軽いのだ。私の本はA5(A4の半分サイズ。同人小説でよく使われる版型)で、1冊が30ページに満たない。大学ノートよりも薄く、見た目は表紙のちょっぴり厚い小冊子といった趣だ。今後のイベント参加も考え15冊送り返してもらったが、これがまったくもって軽い。ほかのサークル活動に必要な文具や布などを入れても、キャリーバックを使わずとも大きめの旅行かばんで行ける、くらいのコンパクトさだ。

 本が薄くなるか厚くなるかは作風にもよるが、薄くなる、という人は初期参入が楽とも言える。重いものの持ち運びはそれだけで疲れるし、宅配業者を利用すれば地味に財布を削られていく。「薄い本を30部」ならば印刷料金だけでなく、持ち運びにおいても大怪我はしないのだ。

 初回参加時に「おつりの小銭」や「スペースの机に敷く布」などのサークル活動に必要な文具や道具は一通り揃えていたため、同人誌の返送以外に手間どったことはほぼなかった。何事もそうだが、初回を抜けたらあとはスムーズなのだ。

■pixivにあげた作品サンプルにつくブックマーク数は案外アテにならない?

 イベント当日、前回同様直前に会場入りし、ささっと準備をして開会になった。前回のイベント参加時、最大の課題であった「一人サークル参加ってすごい暇」問題も解消すべく、仕事関連の資料もぬかりなく持参している。

 ぼっち同人ゆえに、会場を行き交う人たちを本当は眺めていたいのだが、サークル側には椅子があり、そこから見上げて眺めていると、なんだか「買われるのを待つ女」的風情になってしまうのだ。事実同人誌を頒布したいのだから「買われるのを待つ女」は間違いではないのだが。また、サークル側がニコニコ見上げているのも店員のマークのきつい服屋状態とも言え、買う側からしても近寄りづらいだろう。ほかのサークルを見ても待機時はスマホをいじったり、当日購入した戦利品の同人誌を読むなど、うつむきがちでいる人が多い。

 ぴたりとも動かないまま開始から20分。参加することに意義があるんだ、とこらえていたところに「こちら一冊お願いします」と天使の声。今日、私に参加した意義を与えてくれてありがとうございます……。1冊頒布できると気持ちが楽になるのは前回とまったく同じだ。

 2回目となる今回の参加では、結果、4冊を頒布することができた。前回が5冊だったのでほぼ変わりない頒布ペースになる。書いた当人としては書きたて、できたてがテンションマックスだが、当たり前だがこれは買う側にはなんら関係のない話だ。私の書いているのは二次創作(原作のパロディ)になる。原作にハマるタイミングなど人それぞれで、それはその作品の一般的なブームの時期とはかぶっていないケースだって少なくはない。

 前回、すべての頒布は午前中に終わったが、今回も12時半までで頒布が終わった。12時をすぎると明らかに人の流れが減っていた。買う側は並ぶ上に、東京ビックサイトは入り口から東6ホールの端まで約650メートルある(距離サイトで測定)。さらに東館の端から西館の端まで行くと全距離は約1.5キロになる。会場前に参加した人は列を作ることになるが、列は会場の外、かなり遠回りしたところに作られがちだ。東京ビッグサイトに買い専で来た人の多くは、この日1日で少なくとも2キロは歩くはずだ。そして買いに来た人が座れるスペースはほぼない。何より、戦利品を獲得したらさっさと家に帰ってゆっくり堪能したい、というのはとてもよくわかる。

 同人誌発行から3カ月。初回のイベントで5冊、2回目のイベント4冊、ほか同人誌通販で5冊、と現状で14冊を頒布したことになる。参考までに私のサークルとしての仕様をあげておきたい。

・書いているのは二次創作の小説
・pixivにアカウントあり。TwitterのアカウントはあれどROM専で交流なし
・同人誌を出したジャンルのpixivのブックマーク数は2ケタ前半程度
・参加するのは東京の大型イベント

 このあたりの変化次第で部数の変動はかなりあるだろう。ちなみに頒布している同人誌はpixivでサンプルを告知しているが、そのサンプルについたブックマーク数よりは頒布できているので、サンプルにつくブックマーク数はあまり当てにならないのかもしれない。

 既刊だけで大丈夫か、と不安はあったものの参加してよかった。「暇問題」も資料を用意したため劇的に改善するなど、前回からの進歩もあっていいイベントだった。帰り道で幕の内弁当とビールを買って自宅で一人アフターだ。買っていただいた方々のことや、戦利品を前に至福のひとときを堪能する。「サークル活動を長く楽しむ」ために、手軽で快適な環境を作るための試行錯誤をしつつ、今後もマイペースに活動していきたい。
(文/石徹白未亜[http://itoshiromia.com/])

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