20周年目前の『クーロンズ・ゲート』が初のコンサートイベントを開催! 作曲担当の蓜島邦明が語るライブの意気込み!!

20周年目前の『クーロンズ・ゲート』が初のコンサートイベントを開催! 作曲担当の蓜島邦明が語るライブの意気込み!!

 港・九龍城砦を舞台に風水、陰と陽をテーマとしたダークな物語と、独創的なクリーチャーやシステムがカルトな人気を読んでいた、PS用ソフト『クーロンズ・ゲート』(1997年)。2014年には3枚組からなる完全版サントラ「九龍風水傳原聲音樂專輯」(クラリスディスク)をリリース、15年には設定資料集「Kowloon’s Gate Archives」の発売と原画展の開催など、その魅力が再発見され再ブームを呼んでいる最中だが、16年5月22日には原作BGMを生演奏で再現するライブ「クーロンズ・ゲートコンサート2016 九龍夜奏会(読み:くーろん・やそうかい)」が開催されることが発表された。

『世にも奇妙な物語』『NIGHT HEAD』など数多くの作品でテーマ曲を担当し、『クーロンズ・ゲート』でもBGMを担当した作曲家・蓜島邦明氏によるライブとなる、この19年目にして初の音楽祭。蓜島氏に、「クーロンズ・ゲート」楽曲制作時のエピソードやライブで行われる様々な仕掛けなどを語っていただいた。

■アーティストたちがインスパイアし合いながらの製作に

──『クーロンズ・ゲート』がリリースされたのは、もう19年前となります。そもそもの話になりますが、この作品に楽曲を提供することになったきっかけは?

蓜島 邦明氏(以下、蓜島) 93年頃、1本の電話から始まりました。『クーロンズ・ゲート』プロデューサーの須藤さん、ダンジョンをデザインされた武富さんと今は無き牛込のフジテレビでお会いして、「クーロンズ・ゲートというゲームを作るんだけど」というお話をいただきました。 
 その時はまだ、タイトルとイメージしか決まっていない頃だったんですが、「とりあえずテーマ曲を作って欲しい」と。内容についてなにもわからない状態で依頼されたんです。それであの、おかしなイントロのOPテーマを作ってみたら、向こうも喜んじゃって「よし、この系統でやろう!」ということになりました。(ジャンルとしては)アジアン・ゴシックというのでしょうか。『クーロンズ・ゲート』は闇の中で物語が完結するような作品なんですが、どこかにポップさも欲しかった。それであえて生楽器の要因を多くしたり、作品にこちら(蓜島氏)側のニュアンスを加えたりという作業になっていきました。

──作品本編の製作と、同時進行のような形だったのですね。本編と楽曲が、お互い影響しあうような?

蓜島 そうそう、ひとつ曲を持って行くと、向こうも(影響されて)「わーっ」と(笑)。できてくるデザインもなかなか凄いものですから、こちらもそれにインスパイアされる。お互いにインスパイアされあっていた。刺激的でした。
 制作陣にアーティストが揃っていたんですよね。それが面白いものを生み出したのではないでしょうか。今触れても新しいんじゃないですか? 古くはないですよね。

──楽曲もそうですが、作品自体も世界観やクリーチャーの造形などを含めて斬新で、だからこそ今でも根強いファンが多い「古くない作品」足りえている気がします。

蓜島 色々な遊びの要素がいっぱいあるんですよ。その中で遊ばせてもらいましたし、あとは作るうえで制約がなにもなかった。みんな、どの辺を着地点にするかというのが共有されていたんだと思います。

■エンディング・テーマの持つ「ポップさ」の秘密

──使われている楽器も、どこかで聞いたことがあるんだけども、日本の楽器の音ではないなという印象が。

蓜島 風呂場で、たて笛を水の中で音を鳴らしてサンプリングしたり。水路ステージのBGMなどは、そういう録り方をしていました。あとはインドの楽器を使ったり。まぁその辺は聴く側の想像でいいんじゃないでしょうか(笑)。

──舞台が香港だからといって、中国の楽器だけではなく、アジアのテイストを持つ楽器を使われていたのですね。他には何か、珍しい楽器を使われたりは?

蓜島 テルミン、ですかね。『BLACK OUT』(1995年のドラマ)の劇伴を作った時に、落合(正幸)監督から「蓜島さん、テルミン買ってよ」と言われて、理由を聞いたら主演の椎名桔平さんにテルミン弾かせたいからって。それで探してみたら、大阪に1台だけあった。それを買って番組に貸しました。
 そう経緯で持っていたので、『クーロン』でもテルミンを使いました。本当はテルミンと大正琴で曲を作りたかったんですけど、それは時間がなくて断念しました。できれば面白かったんでしょうけどね。

──オープニング音楽のお話がありましたが、あのOPで全体のイメージを表していて、一方でエンディング・テーマは全体のトーンと比べたらややポップ寄りかな、と感じました。

蓜島 エンディングは、劇中で使った音楽を入れていこうという感じで作っていきました。ぴょんぴょん跳ねている感じがいいなと思ったんですね。よく聞くとピコピコ鳴っているんですけど、あれはKORG M1という楽器(シンセサイザー)で作った音だったような。

──かつてのゲームは、リリースから時間が経つと、中古屋を巡らないと再入手はできませんでしたし、ハードが変わったりもしました。最近また『クーロンズ・ゲート』が盛り上がりを見せているのは、ダウンロード販売などで再入手しやすくなったこともあると思います。

蓜島 面白いのは、『クーロンズ・ゲート』が出た時に生まれていなかったり、1歳とか2歳で当時聞いていなかったという子たちが盛り上がってくれている。サントラリリース時のイベントに来た子に「どこで聞いたの?」と聞いてみたら、お父さん、お母さんがやっていたというんですね。
 自分が知らない新しいものを物色したいというゲームマニアも生まれているようです。レトロフューチャーというか、昔のものを発掘して「これ面白い、新しいじゃん!」と。今こうして復活して楽しまれているというのが、楽しいですね。

■異例づくしの『クーロンズ・ゲート』ライブ、その内容は? 

──一昨年のサントラ、昨年の資料集に原画展と来て、今年はいよいよ初ライブが開催されます。

蓜島 今回は『クーロンズ・ゲート』の音楽を生で聞ける。バンドはカルテットと、テナーサックス、トランペット、トロンボーンの7人編成です。
 カルテットはダラス室内交響楽団のコンサートマスターである高木和弘さんなど、1人でも客が呼べるような凄いメンツに、ブラス系の音も加わってくる。そして僕が真ん中で電子機材を操る。ウチにあるフルセット持って行きますよ。
 それと、日本三大バレエと呼ばれているスターダンサーズ・バレエの芸術監督をやっている鈴木稔さんに振り付けをしていただき.ダンサーに踊っていただきます。他には、14年に出た『クーロンズ・ゲート オリジナルサウンドコレクション』でボーカルをやってくれた王天戈さんがアメリカから来てくれて、その曲を歌います。彼女は『クーロン』と同い年の子なんですよね。

──それも運命的なものを感じますね。

蓜島 あと、『クーロンズ・ゲート』をイメージした楽曲を、ライブ中に作ります。これも聞き所だと思います。来た人しか聞けない新曲を、その場で作っちゃう。もうトランス状態ですよ。
 あとは、構成が1部、2部に分かれているのですが、第1部は客入れの時からもう音楽が鳴っている。クラブ形式にしたいんですよ。始まるまでドツドツと鳴らしていて、空気を作って本番へ入っていく。

──ではお客さんは、なるべく開場と同時に入ったほうがいいですね。

蓜島 その方がいいよね~。途中から入ったら損だと思うよ? 映像も流すし。
 ほかに、2階にプレミアムシートというのを作ります。その席の方には、私の肩もみ券と手作りのお弁当を出します(※編集注、出ません)。

──実際には、どんな特典が?(笑)

蓜島 2階の会場を見渡せるエリアに囲みの席を用意して、オペラ観劇のような形で見てもらえるのと、あとはリハーサルから会場に入れます。ライブのリハって、何やってるか気になるじゃないですか(笑)。もうそこから見せちゃう。リハから本番へとつながっていく空気感って、ライブする側からすれば醍醐味だと思いますから、それを味わっていただこうかな、という。

──現場に行かないと聞けない、様々な仕掛けがある。

蓜島 会場も「東京キネマ倶楽部」というレトロな雰囲気を持つ会場なんですが、ゲーム中に出てくる天堂劇場(ティントンシアター)に集まって、みんなで『クーロン』の音を浴びるというイメージです。本当に『クーロン』のイメージとぴったりな会場なんですよ。
もちろん、純粋に音の聴き応えもありますから、もう音楽の祭典ですよ。色々と「音楽を楽しんで!」という内容になっています。

──今回のライブをきっかけに、新たに『クーロンズ・ゲート』の魅力を知る方もいるかと思います。未プレイの方に『クーロンズ・ゲート』の魅力を説明するとしたら?

蓜島 イマジネーションが広がる、でしょうか。ファンにアート系が多いそうなんですよ。デザインから入って、世界観や音楽に触れていったようなんですね。デザインや美術に興味がある方には、面白い作品だと思います。
 音も、メロディ感ではなく声だけとか、リズムで成り立っています。そういう面でも個性は強いと思いますし、感覚で捉えてもらうものでした。『クーロン』に触れることで、違う形で新しい物を創り出して欲しいですね。
なので、とくにクリエーターたちにライブへ来て欲しい。とにかく体験して欲しい。会場に来て雰囲気を、音楽の世界観を楽しんで欲しいですね。

<イベント概要>
■イベントタイトル:クーロンズ・ゲートコンサート2016 九龍夜奏会
日程:2016年5月22日(日)
公式サイトURL:http://claricedisc.com/kg_con
会場:東京キネマ倶楽部
〒110-0003
東京都台東区根岸1丁目1.14
http://www.kinema.jp/

開場 17:00/開演18:00

チケット料金:一般 5,500円(税別)※整理番号順に入場。
プレミアム・セット 30,000円(税別)(数量限定)
※プレミアム・セットは座席指定。一般はスタンディングになります。
※ドリンク代別。

・プレミアム・セット販売開始……2月26日22:00より
→クラリスショップにて数量限定販売
URL:http://claricedisc.shop-pro.jp/
・一般席プレオーダー開始予定日……3月12日
→イープラスにて販売
URL:http://eplus.jp/sys/main.jsp

<注意事項>
※3歳以上有料
※営利目的の転売禁止
※転売チケット入場不可
※オークションへの出品禁止

■蓜島邦明プロフィール
建築様式におけるオブジェ、様式美術に興味を持ち、デザイン彫刻を目指すも、そのマテリアル探求の過程で出会った「素材の出す音」に触発され、音を使った世界感で表現を確立したいと思い.作曲家となる。提供した楽曲数は数千曲にのぼり、そのジャンルはCM、テレビドラマ、ゲームソフト、アニメ作品、映画、美術館のテーマ曲やバレエ用楽曲と多岐にわたる。「恐怖感」「緊迫した状況」「微妙な心理状態」等を楽曲で的確に表現できる稀有な作家として日本の第一人者であり、独自のファン層から厚い支持を受けている。
近年、作曲活動の幅を一気に広げ、日本の著名な殆どの映画監督作品へ楽曲提供をするとともに、フジコ・ヘミング、デヴィッド・シルヴィアン等世界的なアーティストとのコラボレーションも果たした。また手掛ける作品もフランス、中国、台湾等海外まで拡大している。2007年には「蟲師」(大友克洋監督)サウンドトラックが第40回シッチェス・カタロニア国際映画祭において最優秀映画賞.受賞。
代表作は『世にも奇妙な物語』『ナイトヘッド』『クーロンズ・ゲート』『スプリガン』『MONSTER』『マスターキートン』『ウルトラマンマックス』『蟲師』『TAROの堵』など。

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