【アニメレビュー】「これは私んだ」――とにかく小林さんが格好いい! 男らしい!!『小林さんちのメイドラドン』最終話

【アニメレビュー】「これは私んだ」――とにかく小林さんが格好いい! 男らしい!!『小林さんちのメイドラドン』最終話

 人間とドラゴンの異種間コミュニケーションを、可愛くほっこり描いてきた『小林さんちのメイドラゴン』(作:クール教信者、双葉社/ABC朝日放送ほか)もいよいよ最終回。原作コミックを読んでいるファンの多くが察していたように、単行本2巻ラストのエピソードをもとにした物語が展開したが、原作からかなりボリュームアップ。いい具合の改変に、アニメから入ったファンも原作ファンからも、「感動した!」という声が挙がっている第13話「終焉帝、来る!(気がつけば最終回です)」を紹介したい。

 穏やかな休日を過ごしていた小林さん一家。カンナちゃんは才川と遊ぶ約束があると出かけ、残った小林さんとトールはまったりとした時間を送っていた。ところが夕飯の買い物に出かけた際、トールはふと己に問いかけるのだ――「いつまで、こんなことをしているつもりなの?」「もし――小林さんが死んでしまったら……?」と。

 強大な力を持つドラゴンたち。ハッキリとは描かれていないが寿命も人間よりもはるかに長いようだ(原作コミックでは「ドラゴンはこの星が終わるまで生きていられるのに」とある)。思い悩むトール、そこへ新たなドラゴン=トールの父・終焉帝が登場。

 コタツに入ってすっかりリラックスしている小林さん、そんな彼女のためにコーヒーを入れるトール、才川と一緒に公園で過ごすカンナちゃんの様子など、序盤の日常をこれでもかと丁寧に描いた序盤から、トールの独白から始まる展開の落差が凄まじく効く。

 ここまで々伏線を貼ってきた“トールの居場所、家族観”という『小林さんちのメイドラゴン』のメインテーマに加え、古くから妖怪やファンタジー世界を取り扱ってきた作品でよく取りざたされてきた“種族間の寿命の違い”というテーマをブッ込んできた。

 多少氷解してきたように見えるが、基本的には小林さん以外の人間をさほど重要視しないトール。人間界における居場所=小林さんちなのだ。小林さん(カンナちゃん含めて)との深い信頼関係を築いたからこそ、そしてその小林さんはほぼ必ずトールよりも先に死んでしまうからこそ、トールの苦悩は深い。そんなトールを飲み込み、姿を消す終焉帝。

 トールが姿を消し、戻ってこないことをカンナちゃんから告げられた小林さん。珍しく動揺する姿を見せるも、ただの人間である彼女にはどうすることもできない。カンナちゃんとの2人での生活を淡々と過ごしていく――このトールが姿を消した後の一連のシーンは、表面には出さないものの小林さんが焦りや不安を覚えていることが表現されていて、原作にはないエピソードだが非常に良くできていていた。上手な“一人暮らしあるある”になっていたのも、地味にポイントが高いが。

 ところが、トールはある日ひょっこり小林さんちに戻ってくる。だが、そこへ終焉帝も現れ、トールを元の世界へ連れ戻そうと押し問答に――「トールは帰りたくないってさ」「私のメイドを持っていくな。これは私んだ」と言い切る小林さんが格好いい! 決して開き直ったわけではなく、終焉帝の圧力にビビりながらも、最終話にして初めて声を荒げて終焉帝に対峙する姿が人間らしくて、2人の絆の深さを感じられて、実にいい。なんて男前なのだろう。

 その後、ドラゴンの姿に戻ったトールと終焉帝による、迫力バトルが繰り広げられるのだが、小林さんはその修羅場にも颯爽と登場(ドラゴンの姿になったカンナちゃんにまたがって)。ここでも小林さんは名言を残す。「違いを知ることで(中略)信頼も絆もできる。そんなことはとっくにできてる!」「娘を信じてみせろよ!」――小林さんにとってトールが信頼できる存在であることは当たり前。その上で、父親に向かって(自分のように)トールを信用できないのか、と啖呵を切ったわけだ。トールじゃなくても惚れちゃいますよ。

 トールがいい子であることをあっさりと認めるあたり、親バカだったっぽい終焉帝。やれやれ的な風情で姿を消し、一件落着。最終話らしく通常のEDではなく、各ドラゴンたちの日常を切り取った特殊EDとなったのだが、ここでまたもや素敵アニメオリジナル展開発動! なんと小林さんがトールとカンナちゃんを連れて、実家へ帰省するという。

“家族”もやっぱり『小林さんちのメイドラゴン』で常にど真ん中に据えられていたテーマ。それを最終回の最後の最後に、より深いところで見せるストーリー展開に、原作コミックが愛されているなぁと思った次第。年頃の娘が、いきなり金髪のメイドと小学生(に見える)女の子を連れてきたときの小林さんち(実家)の反応も気になるところだが、ともかく素敵なエンディングであった。ありがとう、京都アニメーション。
(文・馬場ゆうすけ)

あわせて読みたい

気になるキーワード

おたぽるの記事をもっと見る 2017年4月6日のマンガ・アニメ記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

次に読みたい関連記事「ご注文はうさぎですか?」のニュース

次に読みたい関連記事「ご注文はうさぎですか?」のニュースをもっと見る

次に読みたい関連記事「月刊少女野崎くん」のニュース

次に読みたい関連記事「月刊少女野崎くん」のニュースをもっと見る

次に読みたい関連記事「のんのんびより」のニュース

次に読みたい関連記事「のんのんびより」のニュースをもっと見る

トピックス

> 今日の主要ニュース > 国内の主要ニュース > 海外の主要ニュース > 芸能の主要ニュース > スポーツの主要ニュース > トレンドの主要ニュース > おもしろの主要ニュース > コラムの主要ニュース > インタビューの主要ニュース

マンガ・アニメニュースアクセスランキング

マンガ・アニメランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

トレンドの人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

注目の最新アニメ情報、マンガ情報、人気声優情報などアニメファン必見のニュースをお届け中。