和風メタルバンド…いや、戦国バトルメタルバンドAllegiance Reign!外見以上にガチな人たちだった!!

和風メタルバンド…いや、戦国バトルメタルバンドAllegiance Reign!外見以上にガチな人たちだった!!

 X Japanのドキュメンタリー映画『We are X』のBlu-Ray&DVDが昨年発売されたが、ドキュメンタリー映画としてはかなりの売れ行きだという。

 その要因として、X Japanというあまりにもビッグすぎるバンドを扱っているということもあるが、そもそものドキュメンタリー内容が素晴らしく、熱心なファンの心に刺さったということもあるだろう。

 リーダーであるYoshikiは、昨年末の紅白歌合戦で衝撃的なドラマー復帰姿を名曲「紅」で披露した後、ひとりでお正月番組にもいくつか出演していた。

 YoshikiないしX Japanといえば、言わずと知れたヴィジュアル系ロックバンドの元祖だ。過激な化粧とパフォーマンスをスラッシュメタルやパワーメタルという音楽に融合させ、またクラシックを大胆に導入した壮大さで日本のロックバンドの頂点に君臨した。その後、音楽性は異なれど、外見的にはX Japanの影響を色濃く受けついたバンドが次々に生まれ、それがヴィジュアル系となって、今日に至るわけだ。

 さて、そんなヴィジュアル系とは異なるが、日本のインディーズメタル界に非常に外見に特徴のあるメタルバンドが誕生した。その名も「Allegiance Reign」だ。なんと彼らは本物の甲冑を着てライブに臨む。日本ではまださほど多くないバトルメタルバンドとして活動しているのだ。

 彼らのライブは初めて観たのが昨年である。実は、昨年の2月にファーストライブ(初陣)を飾ったばかりの新人バンドだ。しかし、その外見と世界観、純和風の装いなのに楽曲はコッテコテのスピードメタル/パワーメタルでしかも英詞というギャップで、メタルファンの心を一気にとらえた。当然のことながら演奏力も非常に高い。新人バンドながら、2018年度のWacken Open Airへの出演権をかけた、メタルバトルジャパンの決勝にまで残ったことから、その実力がうかがいしれるだろう。

 メンバーは佐々緋鞘(ヴォーカル)、リーダーで創始者の矢城山武義(ギター)、葉瀬川智也(ベース)、阿弥歌澄(キーボード)という構成だ(※公式サイトにはドラマーの幻水も掲載されているが、サポートドラマーである)。

 メタル大好きおたぽる編集部では、さっそく彼らに密偵を送り、リーダーの矢城山殿を中心にインタビューを敢行した。

――その甲冑は本物なんですよね。

矢城山武義(以下、矢):もちろんじゃ。

――世界観を壊すようなことを訊いてしまうのですが、お値段は高かったですか。

佐々緋鞘(以下、佐):全員の甲冑を合わせれば、馬(※車のこと)が余裕で買えるな。

――馬ですか(笑) ライブではその甲冑をどうやって運んで会場に持ち込んでいるのですか。個々で運ぶには重すぎますよね。

佐:私の馬で全て運んでいるよ。

――よく甲冑を着て演奏できますね……。(持たせてもらう)うわっ、めちゃくちゃ重いじゃないですか。20kgくらいありそうですね。さて、甲冑の話はこのくらいとして、まずバンドのコンセプトがどうして純和風のバトルメタルになったのか、教えてください。

矢:まずきちんとバトルメタルをコンセプトにうたっているバンドが国内には少なかったというのがある。しかし、バトルメタルバンドを始めるにしても、世界に通用するオリジナリティとは一体何かと考え、南蛮の真似事をするばかりでは決して唯一無二のメタルバンドを創り上げることが出来ないとも感じておった。

 その“オリジナリティ”という部分を追い求める上で、南蛮人が西洋甲冑を着ているから、そっくりそのまま真似をしても意味はないだろうと。なぜなら、ジャンルの歴史そのものを理解した上で音楽を創らないと、自らが発信していく音楽に重みが増さないのではないかと感じたのじゃ。

 だからこそ、日ノ本の人間が表現できるバトルメタルとは一体何なのか? つまりは戦国ではないか? という結論に至ったわけじゃ。これこそ世界に発信していける歴史や文化を含んだ日ノ本独自のメタルコンセプトではないか、と。

――実際、周囲の反響はどうでしょうか。

矢:甲冑に関してもそうじゃが、CDジャケットやデザインに関しても言えることで、あくまで我々はメタルバンドであるから、メタルの枠を越えない衣装を作る必要があった。だからこそ戦国ドラマによくあるような赤や緑とカラフルな紐を活用した甲冑ではなく、黒々としたメタル式の甲冑の制作を依頼しておるのじゃが、それがしを表現するという意味でも大いに役に立ってくれている。周囲の反応は……思った以上に目立っておるようじゃ。

――自分を表現するために甲冑を着るという考えはすごいですね。

佐:要は、己を表現しようとした結果、武士になったということだな。

――己を表現しようとした結果が武士とは男らしいです(笑) 矢城山殿がメンバーをそろえたわけですよね。他のメンバーの皆さんは最初にこのバンドコンセプトを聞いたとき、どう感じたのですか。

葉瀬川(以下、葉):儂はこの話を聞いた瞬間に、コンセプトも音楽的にも「これだ!」と感じました。甲冑もすぐに買いそろえたんです。

――聞いた瞬間にですか!? それはそれですごいですね。佐々殿はいかがですか。

佐:私は正直、「こいつ何言ってんだ?」という気持ちであった(笑) 確か最初に矢城山殿と会ったのは、埼玉のドトールだったかな。

――武士がドトールですか。想像つきませんね。

佐:そのドトールで矢城山殿が紙にコンセプトを書いて説明してくれたのを覚えている。甲冑を着て、バトルメタルで……と。そのときの私は、すぐにその紙をそっと閉じたけどな。

 というのも、最初こやつら本気じゃないだろうと思っていたのだ。普通に考えたら、本物の甲冑を着てやるなんてことは想像しないではないか。とりあえずスタジオに入って、一緒に音を出して……と普通のメタルバンドを想像していたのだが、ある日「甲冑買いました」と突然連絡がきたのだよ。私以外の三人がすで購入済みというのだから、これは本気なのだ、と思い直して私も侍になる決意ができたわけだ。

阿弥歌澄(以下、阿):わらわも最初にバンドのコンセプトを聞いたとき、直感的にこれだと感じたのじゃ。だから佐々殿が加入するときに、他の三人で先に買っておいて包囲網を作っておいた(笑)

 でもこの甲冑のおかげで音楽以外のものも、観ている人に提供できるのじゃ。総合エンターテイメントといったら大げさかもしれぬが、世界観が作りやすくなり、ライブひとつひとつに物語を持たせることができるのじゃ。

――なるほど。確かにその衣装でステージに出てこられたら、一気にその世界に引き込まれますし、物語という意味では、毎回ライブ前にバンドのTwitterに、ライブを戦に見立てた解説動画をアップしていますよね。ただ、音楽的には和の要素というものがほとんどないように思えるのですが、これはギャップとしてあえてそうしているのですか。

矢:我々は和を表現するためにバトルメタルを用いているのでなく、バトルメタルを表現するために和でなく戦国を用いておる。じゃからギャップをあえて設けたわけでなく、西洋甲冑であれ戦国甲冑であれ、バトルメタルにちがいないという思いがあるわけじゃ。

 もちろん、コンセプトに限らずサウンドについても日ノ本のテイストを入れようという試みは常日頃からしておった。しかしシンフォニックで重厚なサウンドが好きなそれがしは、ただただ和音階を活用する手法は取らなかった。

 なぜならばニロ抜き、ヨナ抜き音階となれば5つの音で表現をする必要があり、音数を要求されるメタルサウンドでの活用になかなか向かないという点があげられる。また、単に尺八や琴、三味線を用いるだけでは巷で和楽器を活用しているバンドと何ら変わらないバンドになってしまう。

 じゃからメタルの枠を越えない範囲で新たな試みをしていきたいという思いから、あえて「シンフォニックでいかに戦国を表現するか」という手法を用いておる。ゆえに装飾音符を多様したり、和音階は控えてモードを活用したり、メロディラインにおいて独特な音選びが出来ているのではないか、と感じておる。

 ただ今後ニロ抜き、ヨナ抜き音階を活用する手法を用いることは……ゼロではないであろう。

――それぞれの影響を受けたバンドやアーティストは誰になるのですか。

矢:ラプソディーとかチュリサスじゃな。Allegiance Reignのコンセプト自体はチュリサスの影響が大きいのじゃ。

葉:儂もラプソディーとかが代表されるような、イタリアンメタルが好きですね。その他、ピンクフロイドとかのプログレッシブロックなんかも好きです。

佐:私はB'z。もともと歌を始めるきっかけになったのは、彼らの影響が大きい。もちろんハロウィンとかソナタ・アークティカとかの正統派なメタルも好きだが。

阿:わらわもハロウィンに代表されるような、メロディックなパワーメタル全般が好きじゃ。

――そこはみなさんやはり思い切り西洋のバンドがお好きなのですね。そういえば初陣から1年にしてメタルバトルジャパンのファイナリストに選ばれましたね。おめでとうございます。感想とか意気込みを聞かせてくれませんか。

矢:それがし個人としては幼き頃、独国にて音楽を学ぼうと日本放送協会の語学番組教材を購入し、独学でドイツ語を学ぼうとした経緯がある。何故ならハロウィン、ガンマ・レイ、ブラインド・ガーディアン、エドガイなど現在のメロスピ、メロパワの原点とも言えるバンドが数多く存在し、そんな場で音楽を学べればどんなに自らの腕を磨くことができるかと思ったからじゃ。

 日ノ本の今回の大会で優勝し、世界最高峰のメタルフェスWacken Open Airに行き、メタルの頂点とは一体どんな舞台であるのか、直接体感する事で世界との差を知り、我が陣へ還元し、更に腕に磨きをかけて参りたい。そしていずれは自らの力で大きなメタルフェスへ呼ばれる存在へ成長していきたいと考えておる。

 日ノ本のバトルメタル、日ノ本の文化、武士の魂を世界に知らしめる為、ドイツWacken行きを望む所存。どうかつわものがたの助太刀をよろしくお願い申し上げまする!

――それでは最後に今後の目標を代表して教えてください。

矢:南蛮に向けて日ノ本にこそバトルメタルバンドがいるという事を発信していきたい、だからこそ歌詞やバンド名も英語を活用しておる。南蛮の言葉を活用するのはある意味、南蛮発祥のメタルに対する敬意、そして忠誠=Allegianceを示しておるわけじゃ!

 これから日ノ本の人々だけでなく、世界中のメタルファンへ届く海外スタンダードなバンドを目指して参るが、日ノ本オリジナルのメタルを認めて貰って初めて天下統一となるであろう!
(文/構成=Leoneko)

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