架空請求詐欺やフィッシング詐欺、還付金詐欺など、あの手この手でしのび寄る詐欺の手口。投資に絡んだ詐欺の被害も後を絶たないのが現状です。

実際に投資をしている人や興味を持っている人たちは、そうした詐欺被害にどのように対処しているのでしょうか。業界最多の講座数を誇る日本最大規模の金融オンラインスクール「グローバルファイナンシャルスクール」(以下:GFS)は、全国の10代~70代の投資を学ぶ男女1177名を対象に、「SNS型投資詐欺に関するアンケート」を実施。なりすまし広告を見かけた経験や、実際に被害に遭った経験などについて質問していました。

7割近くの人がSNSの上で「なりすまし広告」を見かけたことがある

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SNSで「なりすまし広告」を見たことがあるという人は全体の7割近くにのぼることがわかりました(GFS調べ)

著名人の名を無断で使用する偽アカウントが悪質な誘導や宣伝を行う、著名人の画像を勝手に利用したフェイク広告「なりすまし広告」。

同調査では最初に、「FacebookやInstagramなどのSNSで著名人のなりすまし広告を見かけたことはありますか?」と質問しています。すると、67.6%が「ある」、32.4%が「ない」と回答しており、7割近くの人が「なりすまし広告」を見かけていることがわかりました。

この結果から、SNSの世界には多くの「なりすまし広告」が紛れ込んでいるという現状が見て取れます。

SNS「なりすまし広告」9割の人が投資詐欺に遭ったときの対処方法を知らない【GFS調べ】
なりすまし広告をクリックしたことはあるか?

「なりすまし広告」を見かけた人の中で実際にクリックしたという人は34.0%、半数以上の人は見かけても反応していないことがわかりました(GFS調べ)

次に、「なりすまし広告」を見た経験がある人を対象に、「信じてクリックしたことはありますか?」と尋ねると、「ある」と回答した人は34.0%で、66.0%の人は「ない」と回答。半数以上の人はクリックすらしていないということがわかりました。

多くの人が「なりすまし広告」を見かけている割に、実際クリックしたという人が少なかったのは、盛んに詐欺被害への注意が呼びかけられている中で、危機感を持つ人が増えているからかもしれません。

SNS上の広告を詐欺かどうか見分けられる自信がない人は約4割

SNS「なりすまし広告」9割の人が投資詐欺に遭ったときの対処方法を知らない【GFS調べ】
なりすまし広告を見分けられる自信はある?1

「SNSに表示される広告を、詐欺かどうか見分けられる自信はありますか?」との質問に、「自信がある」と回答した人はわずか15.5%でした(GFS調べ)

続いて、「SNSに表示される広告を、詐欺かどうか見分けられる自信はありますか?」と質問。「自信がある」と回答したのは15.5%にとどまり、39.7%が「自信がない」、44.9%が「どちらともいえない」と回答しています。

回答者は“投資を学んでいる人たち”であるにも関わらず、自信がある人が2割に届かないという結果に。裏を返せば、それだけ危機感を持ち慎重になっていると考えることもできるのではないでしょうか。

SNS「なりすまし広告」9割の人が投資詐欺に遭ったときの対処方法を知らない【GFS調べ】
なりすまし広告を見分けられる自信はある?2

投資経験年数別に結果を見ていくと、「(広告を詐欺かどうか見分ける)自信がある」と回答した人の半数以上は、投資経験が2年以上あることがわかりました(GFS調べ)

この結果を投資経験年数別に見てみると、「自信がある」という回答者の中で、投資経験が2年以上ある人たちが半数以上にのぼりました。投資経験年数が多いほど、詐欺を見分ける力も身に着いていくということなのかもしれませんね。

3割以上の人が「自分や家族、友人が詐欺被害に遭った」と回答

SNS「なりすまし広告」9割の人が投資詐欺に遭ったときの対処方法を知らない【GFS調べ】
身近な人が投資詐欺被害にあったことはあるか?

「自分も身近な人(家族や友人)も経験したことがない」という回答が54.5%で最も多いという結果でしたが、自分や家族、友人が詐欺被害に遭ったという人も35%と少なくないことがわかりました(GFS調べ)

では、実際に詐欺被害にあったという人もいるのでしょうか。「あなたやあなたの身近な人(家族や友人)が、LINEで見知らぬ人物から投資に関する連絡を受けた、LINEグループに勝手に招待された、という被害にあった経験はありますか?」と尋ねたところ、最も多かった回答は「自分も身近な人(家族や友人)も経験したことがない」の54.5%で、半数以上の人は、自分も周囲の人も詐欺に遭った経験がないことがわかりました。

一方で、20.6%が「自分が経験したことがある」、7.8%が「自分は経験したことがないが、身近な人(家族や友人)が経験したことがある」、6.6%が「自分も、身近な人(家族や友人)も経験したことがある」と回答しており、合わせると全体の35%が“自分や家族、友人が詐欺被害に遭っている”という結果になりました。

また同調査によると、回答者本人がLINEで何らかの投資詐欺被害に遭ったケースも320件にのぼり、詐欺被害が身近で発生していることを実感できます。具体的には、「他のSNSに表示された広告をクリックした後にLINEへ誘導された」「証券会社の偽広告をクリックした後にLINEへ誘導された」「突然 身に覚えのないLINEの投資グループに追加された」といった内容があがってきており、中には数百万円以上の被害額が出たケースもあったようです。

9割以上の人が詐欺被害への対処法を知らないと回答している

SNS「なりすまし広告」9割の人が投資詐欺に遭ったときの対処方法を知らない【GFS調べ】
投資詐欺にあったときの対処方法は知ってる?

「もし投資詐欺に遭ってしまったら、対処する方法を知っていますか?」という質問には、9割以上の人が「知らない」と回答しています(GFS調べ)

最後に、「もし投資詐欺に遭ってしまったら、対処する方法を知っていますか?」と尋ねると、「知っている」という回答は8.3%、「知らない」という回答が91.7%という結果になりました。投資について学んでいる人たちであっても、詐欺の被害に遭ってしまった場合、どのように対処すれば良いのかわからないというのが現状のようです。

被害の状況によって、相談するべき窓口は異なってくるものですが、迷ったら「金融庁の金融サービス利用者相談室」に相談してみましょう。また、泣き寝入りせずにすむように少しでも事実経過がわかるような状況証拠を確保しておくことも大切です。

しかし、まずは詐欺被害に遭わないために、日頃から注意しておくことが重要です。今回のアンケートの回答者からは、「怪しい広告や誘導リンクはクリックしない」「儲け話は安易に信用しない」「家族に相談し、自分ひとりで抱え込まない」「詐欺を見抜けるように、投資の知識を身につける」といった対策があげられています。

お金にまつわる話には、どこに危険が潜んでいるかわかりません。常に冷静に対応できるよう、情報の取り扱いには気をつけていきたいですね。

出典元:【ゼロから始める投資アカデミー

※サムネイル画像(Image:PKrot_Studio / Shutterstock.com)

By OTONA LIFE
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