iPhone 15シリーズの発売から間もなく1年になりますが、実際どうだったのでしょうか? Proモデルのようにカメラ性能が高いほうがいいのか、バッテリーは13と比べて持つようになっていたのかなど、実際にiPhone 15シリーズ全機種を1年間使用した筆者が解説しますので、購入を検討している人はぜひ参考にしてください。
iPhone 15シリーズはいったいどんなものだったのか?
iPhone 15シリーズはPhone 15/15 Plus/15 Pro/15 Pro Maxの4機種です。価格はいちばん下のストレージ容量でiPhone 15が12万4,800円、15 Plusが13万9,800円、15 Proが15万9,800円、15 Pro Maxが18万9,800円となっています。つまり、iPhone 15とiPhone 15 Pro Maxとの価格差は最大6万5,000円もあるんですね。
ただし、15 Pro Maxのみストレージが256GBで、ほかのモデルは128GBとなっていますので、15 Pro Maxの値段は確かに高いんですが、ストレージ容量が2倍あるということは頭に入れておいてください。
実は、iPhone 15の標準モデルとProモデルの違いは、その辺の値段差に出てくるのです。
iPhone 15とiPhone 15 Pro Maxの価格差は最大6万5,000円ほどありますが、15 Pro Maxのほうはストレージ容量が2倍となる256GBある点は注意してください(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
次に、デザインやサイズ感、重量についてですが、すべてのモデルの画面上に「ダイナミック アイランド」が搭載されています。これはサブディスプレイとして使えますが、たとえば、タイマーをかけるとここに表示されっぱなしになるのです。
また、ここを長押しすると簡易的な操作が可能になります。再生中の音楽やUberの進捗状況、天気予報なども常に表示できるのが便利ですね。
iPhone 15シリーズには「ダイナミック アイランド」が搭載されています。これはサブディスプレイとしても使えます(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
ほかにも、以前のiPhoneではバッテリー残量が20%や10%以下になると、ゲーム中や動画再生中であっても止まって、画面の真ん中に警告が表示されました。しかし、ダイナミック アイランドがあると警告もここに表示されるので、ゲームや動画再生の邪魔になりません。もしかすると、これがいちばん共感してもらえる利点かもしれませんね。
iPhone 15シリーズなら、バッテリー残量が20%や10%以下になったときの警告もダイナミック アイランドに示されるので、ゲームや動画再生の邪魔になりません(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
また、カラーについては標準モデルの色が薄い薄いと言われてきましたが、今見ると意外とおしゃれな感じもします。とくに、Proモデルのナチュラルチタニウムは私のお気に入りカラーですが、実際、ボディにチタニウムを採用したおかげで重量がめちゃくちゃ軽くなっているんです。
iPhone 14のProモデルからはいずれも20g近く軽くなっているので、14 Pro Maxを手に持った後に15 Pro Maxを持つと、感動するくらい軽く感じますよ。iPhone 15の標準モデルと15 PlusについてもiPhone 13や14よりも2gほど軽くなっています。とくに標準モデルは性能が良くなっているのに重量が軽くなっているのがいいですね。
iPhone 14 Proシリーズとチタニウムボディの15 Proシリーズでは19gも軽量化されており、実際に持つと、数値以上にかなり軽く感じると思います(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
iPhone 15の標準モデルと15 PlusについてもiPhone 13や14より2gほど軽くなっています。iPhone 15では性能がアップしているのに軽量化されているのが、本当に素晴らしいですね(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
アクションボタンはどうだった?!
iPhone 15にしかない機能として、Proモデルのみに搭載されている「アクションボタン」があります。従来のiPhoneは上下に切り替える「マナースイッチ」ボタンがあり、消音モードに切り替えることができましたが、iPhone 15のProモデルではプッシュボタンに変わりました。
このアクションボタンを長押しすると、消音モードと通常モードの切り替えができますが、ほかにもいろいろな機能を利用することができるんです。
従来のiPhoneは上下に切り替える「マナースイッチ」があり、簡単に消音モードに切り替えることができました(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
iPhone 15のProモデルではこのボタンが変更されており、消音以外の機能も自分で割り当てられるようになっています(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
このボタンでは、集中モードに切り替えたり、カメラを起動、フラッシュライトを点灯するといったことができますし、自分で機能を割り当てることも可能となっています。ただし、私の印象ではアクションボタンはあってもなくてもさほど変わりません。実際にアクションボタンを自分でカスタマイズしている人は少ないでしょう。
たとえば、私はアクションボタンを長押しすると、メニューが出てくるように設定しています。こういったカスタマイズする面白さがアクションボタンにはありますが、そこまで利便性が向上するわけではありません。
iPhone 15のProモデルにはアクションボタンがあり、消音モード以外にもさまざまな機能を割り当てることが可能となっています(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
私はアクションボタンを長押しすると、メニューが出てくるように設定しています。このようにカスタマイズする面白さはありますが、実際、そこまで利便性が上がるわけではありません(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
USB-Cコネクタは便利になったの?!
iPhone 15シリーズで大きな変更となったのが充電端子の「USB-C(USB Type-C)」です。
実際、このUSB-Cの採用によって周辺機器が便利に使えるようになりました。たとえば、ダイソーで買ってきたSDカードリーダーとSDカードをUSB-Cに挿して使えるのです。たった数百円のSDカードに、写真や動画をバックアップすることもできてしまいますし、ほかにも、USB-Cならケーブル1本挿すだけで大型モニターにiPhoneの画面を表示することも可能になっています。
そういった意味では、本当にiPhone 15が汎用規格のUSB-Cを採用したことで、かなり使いやすくなったと言えるでしょう。
iPhone 15シリーズでは、従来のLightning端子から「USB-C」に変更されたのが話題となりました(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
USB-Cの採用によって、iPhoneでもダイソーで買ってきたSDカードリーダーとSDカードなどをUSB-Cに挿して使えるようになりました(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
また、データの転送速度については標準モデルとPlusは、Lightningケーブルと同じでUSB 2.0規格の480Mbpsとなっていますが、ProモデルはどちらもUSB 3(USB 3.1 Gen2相当)対応なので最大10Gbpsと高速です。
というのも、やはりProモデルだと大量に写真や動画を撮ったりするので、それをパソコンで編集したりバックアップするとき、転送速度が速いとかなり楽になります。標準モデルとProモデルでは、USB-Cでのデータ転送速度差が理論値で約20倍もありますので、標準モデルだと20分かかる作業も、Proモデルならたった1分で終わることになるんですね。
データの転送速度については標準モデルとPlusはUSB 2.0規格の480Mbpsですが、ProモデルはどちらもUSB 3(USB 3.1 Gen2相当)対応なので最大10Gbpsと約20倍高速です(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
なお、iPhoneの端子がUSB-Cだと、iPadと充電ケーブルが流用できるのも本当に助かります。iPhoneを持っている人はiPadも持っていることが多いと思うので、旅行や出張時に持ち物が減りますし、モバイルバッテリーも両方で共有できるのが嬉しいところです。
カメラやディスプレイはどうだった?!
iPhone 15シリーズのカメラについては、すべてのモデルで48メガピクセル(4,800万画素)となっており、どのモデルでもキレイな写真が撮れます。実際に標準モデルで撮っても15 Proで撮っても、どちらの写真も本当にキレイですよ。
確かにProモデルのほうが、よく見てみれば空の色とかもキレイに表現されていますが、それはSNSでアップロードしたら判別できないレベルです。あとで、写真を編集しないのであれば、どのモデルでも本当にキレイに写真が撮れますので、画質についてはほぼ気にならないでしょう。
iPhone 15シリーズのカメラは全モデルで48メガピクセル(4,800万画素)となっており、どのモデルで写真を撮ってもキレイさは変わりません(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
それでは、標準モデルとProモデルで何が違うのかと言うとカメラの数になります。標準モデルは2カメラですがProモデルは3カメラなんですね。このカメラの違いは望遠にあります。15 Proモデルの2台には望遠機能があり、15 Proは光学3倍ズーム、15 Pro Maxは光学5倍ズームまで対応するのです。
実際に使ってみてすごく便利だと思うのはやはり5倍ズームです。たとえば、旅行に出かけたときにどうしても近づけない場所がありますが、15 Proは3倍までしか寄れないのに、15 Pro Maxなら5倍までアップにできるのです。この差はかなり大きいと思いますよ。
ほかにも、Proモデルだけにマクロ撮影モードがあります。これは、名前の通り物に近づいてもピントが合う機能。とくに植物に近づいてアップ撮ってもまったくブレずにキレイな写真が撮れます。こだわって写真も撮りたいということなら、やはりProモデルのほうが断然いいと思いますね。
標準モデルとPlusは2カメラですが、Proモデルは3カメラとなっており、望遠ズームやマクロ撮影モードへの対応などが異なります(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
15 Proと15 Pro Maxはどちらも光学ズームに対応しますが、15 Proが3倍ズームなのに対し、15 Pro Maxは5倍ズームとなります。実際に使ってみるとこの差はけっこう大きいと思いますよ(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
それから、ディスプレイについては全モデルが有機ELディスプレイなので、静止画表示のキレイさはどのモデルもほぼ同じです。もちろん、Proモデルはリフレッシュレートが120Hzに対応しますので、ゲームなど動きのあるものはかなり滑らかに見えるのですが、写真を見るぶんにはほとんど差がありません。
ディスプレイについては全モデルが有機ELディスプレイなので、とてもキレイです。Proモデルはリフレッシュレートが120Hz対応なので、ゲームなど動きのあるものは滑らかですが、静止画のキレイさは変わりません (画像は筆者YouTubeチャンネルより)
バッテリーは実際どうなの?!
バッテリーについては、iPhone 15シリーズはいずれも良く持ちます。たとえば、ビデオ再生時間は標準モデルで20時間、15 Plusは26時間、15 Proは23時間、15 Pro Maxでは29時間となっています。
iPhone 15シリーズのビデオ再生時間は、標準モデルで20時間、15 Plusは26時間、15 Proは23時間、15 Pro Maxでは29時間となっています(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
もちろん、バッテリーの持ちが気になる人は大型モデルのほうがいいしょう。とくに標準モデルと15 PlusはiPhone 13に比べてもバッテリーがかなり長く持つようになっています。
ただし、この4機種のなかでもっともバッテリーの持ちが悪いのはiPhone 15 Proなんですね。実際、バッテリー搭載容量も少なくて、私がテストした結果でもバッテリーの持ちはいちばんよくありませんでした。というわけで、15 Proは標準モデルよりもバッテリーの持ちがよくないので、バッテリーが気になる人は気をつけましょう。
こちらはバッテリー容量の違いです。もっとも容量が大きいのは15 Pro Maxですが、実は15 Proがもっともバッテリー容量が少ないのです(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
処理速度は気になる?!
iPhone 15の処理速度に関しては、標準モデルでもProモデルでも遅さが気になったことありませんでした。いずれのモデルも本当に速いと思います。
ただし、Proモデルでしか動かない高度な3Dゲームもあります。たとえば『BIOHAZARD 7』とか『DEATH STRANDING』とか、このような重いゲームをするときにはやはりProモデルが有利になります。
まず、標準モデルの処理チップは「A16」なんですが、Proモデルのほうは最新の「A17 Pro」を搭載しています。また、標準モデルのメモリは6GBですが、Proモデルのほうは8GBとメモリが2GBほど多いので、重いゲームでもProモデルなら快適にプレイできますよ。
標準モデルの処理チップは「A16」ですが、Proモデルのほうは最新の「A17 Pro」を搭載しています(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
標準モデルのメモリは6GBなのに対し、Proモデルのほうは8GBとメモリが2GBほど多いので、最新ゲームもバッチリ楽しめます(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
iPhone 15、結局どれが良い?
ここまで、私が実際に1年間使ってきた感じとかバッテリーの持ち、カメラの性能、ゲームはどうだったか、といったところを解説してきました。
そのうえで、「iPhone 15シリーズでどれがいちばん良いのか?」となると、普段使いならズバリ「iPhone 15」標準モデルになります。価格も安い標準モデルですが、画面もキレイですしダイナミック アイランドも搭載されていて、写真もキレイに撮れて充電端子はUSB-Cを採用していますし、もう本当に文句がありません。
iPhone 15はここ数年では本当に高い完成度のモデルとなっていると思いますので、これをオススメされて困る人はほとんどいないでしょう。
もし、それ以外を選ぶとなると、たとえばバッテリーが気になるという人は15 Plusを選べばいいですし、カメラにこだわりがあるならProモデルがいいでしょう。さらに、Proモデルでも、よりバッテリーが欲しい人は15 Pro Max。あとはゲームですね。最新の重いゲームを快適に楽しむならProモデルにするしかありません。
標準モデルは万人にオススメ、15 Plusはバッテリーの持ち重視の人向け、15 Proはカメラにこだわりたい人向け、そして15 Pro Maxは最高性能で楽しみたい人向けということになります(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
なお、Proモデルが搭載している「A17 Pro」チップは、今後サービス が始まる「Apple Intelligence」にも対応しています。もちろん、これから販売される新型iPhoneは対応していくと思うんですが、現状では15 Proと15 Pro Maxの2台しか対応しませんので、そういった意味では今買ってもまったく問題ない機種ですし、実はコスパも高いと言えます。
今後サービスが始まる予定の「Apple Intelligence」が気になる人は、Proモデルがオススメ。「A17 Pro」チップならApple Intelligenceにも対応できますよ(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
まとめ
いかがでしょうか? 最後に私個人のオススメ機種を発表しましょう。それはiPhone 15 Pro Maxです。実は、iPhone 14シリーズでは14 Proを使っていましたが、それは14 Proと14 Pro Maxにカメラの性能差がなかったため。また、14 Pro Maxはかなり重くて14 Proのほうが軽かったのが大きな要因です。
実際、15 Pro Maxはチタニウム素材で軽いですし、カメラも5倍ズーム搭載されています。しかも、14 Proはバッテリーの持ちが悪く、15 Proもバッテリーの持ちが良くないということで、最終的にiPhone 15 Pro Maxをチョイスしました。もちろん、『BIOHAZARD 7』とか『DEATH STRANDING』といった最新の重いゲームも15 Pro Maxなら、ストレスなく楽しめますよ!
私のオススメはiPhone 15 Pro Maxです。価格は高いのですが、それに見合った性能で最新ゲームも楽しめますし、カメラは5倍ズームで、バッテリーの持ちもいいのがオススメポイントになります(画像は筆者YouTubeチャンネルより)
【投稿動画】iPhone15シリーズを1年使ってわかったことを実機で全モデル紹介!
こちらのチャンネルでも解説しています。