戦争を知らない世代でも、体験者の話を聞き、語り継ぐことで平和を考え行動を起こすことができる。戦後80年、語り部の減少が顕著になる中、何度でも繰り返し原爆の恐ろしさを語っていくことには大きな意味がある。
受賞歴を持つBBCジャーナリスト、ジョーダン・ダンバーが、「歴史の繰り返しを止めることはできるのかーその問いを投げかける」ことをテーマに、取材とナレーションを務め、被爆者たちの証言、そして戦後80年を経てもなお問われる「核兵器の本質とリーダーの責任」について深く掘り下げるドキュメンタリーだ。
番組では、“運命の日”を生き延びたケイコさん(当時8歳)、ケンジさん(当時6歳)、ミキオさん(当時13歳)の証言を紹介。また、爆心地から離れていたにもかかわらず、放射線の影響を受けたサトシさん(当時1歳半)、そして3年後に広島で生まれたキョウコさんは、いま初めて“広島原爆”が自身に残した心の傷を家族に語る。
今も続く核の脅威。国際的な緊張の高まりの中で、「核兵器の破壊力がどれほどのものか、いま世界の指導者たちは本当に理解しているのか」という問いは重い。