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舞台は1942年のニューヨーク。マンハッタンのダウンタウンの外れにある「Club Smile」は、70年続く小さなショーの店。急逝した父に代わって新オーナーになった娘のメアリー(平野綾)は、残ったメンバーとともにショーを完成させ、店の再開を目指している。そこへ、ヴィンセント一家のギャング・ジェイムズ(屋良朝幸)らが借金の取立てにやってくる。借金返済の条件としてヴィンセント家のボスが提示したのは、ジェイムズをショーの主役に据えて、彼の意見に従うこと。店を守るために、メアリーは止むを得ず条件を飲む。そして、ストリップダンサーのリンダ(妃海風)や、メアリーの亡き父が姿を変えて別人となったリチャード(中山秀征)、店を愛してやまない振付家のフランク(玉野和紀)も加わって、ショーのリハーサルが進んでいくが……という物語。
と、ここまで言えば「普通」のミュージカルなのだが、玉野はこのコロナ禍を逆手にとった設定を盛り込む。屋良が演じるジェイムズを「潔癖症で高所恐怖症で金属アレルギーのギャング」という設定にして、いわば「ソーシャルディスタンスミュージカル」に仕上げたのだ。激しいタップダンスとともに、玉野が作り上げた世界観を堪能しよう。