古川雄大主演の舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』、まもなく開幕へ
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舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』が2022年2月7日(月)から東京芸術劇場 プレイハウスほかで上演される。

本作は、17世紀にフランスに実在した、詩人にして剣豪のシラノが主人公。大きな鼻のコンプレックスに悩みながらも、一人の女性を慕い続けたシラノの愛の物語だ。エドモン・ロスタン作の戯曲は1897年に初演されて以来、世界各地で上演が繰り返されてきたが、2019年秋~20年までロンドンで上演された、マーティン・クリンプ脚色、ジェイミー・ロイド演出の公演は前代未聞の『シラノ・ド・ベルジュラック』と絶賛され、ローレンス・オリヴィエ賞でリバイバル賞を受賞。このマーティン・クリンプ脚色版の傑作が、谷賢一の翻訳・演出のもと、日本初演されるというわけだ。

開幕まで2週間を切った1月某日、都内で行われている稽古場を取材した。

この日の稽古は、ラップでセリフを言うシーンや殺陣のシーンの確認から始まった。ロンドン版をご覧になっていない方などは「ラップでセリフ!?」と驚くかもしれないが、本作で詠まれる詩の韻やリズムを最大限に楽しみ、味わうための一つの表現方法として採用している。どうしたら観客が聞きやすいか、俳優の言葉として馴染みやすいか。言葉のニュアンスを細かく丁寧に修正・変更していたのが印象的だった。ラップ監修の益田トッシュのアドバイスもありつつ、やはり谷が翻訳と演出を兼ねているからこそできるのだと思う。

その後の通し稽古で、1幕だけ見学させてもらった。仮組みされた階段舞台の上には基本的にモノがない。シンプルに俳優の存在が大きく感じられ、観客に想像の余地がある。本作の特徴でもあるが、シラノの大きな鼻を付け鼻にするわけでもなく、17世紀当時の扮装をするわけでもない。17世紀の物語ながら、ジェンダーやポリティカルコレクトネスに触れ、現代を生きる我々にも響くような要素が散りばめられていて興味深かった。