主人公・泉(飯沼愛)の冒険が止まらぬ中で、皮肉なことにその冒険の背中押しをしてくれたはずの正体不明の転校生・祖父江広樹の冒険は転覆に終わり、LINEアカウントまで削除してしまう『この初恋はフィクションです』(TBS系)第5週目。
三者面談で医学部進学辞退を申し出た後母親との和解も経た泉に早速新しい道が開けていく。急遽、演劇部に退部者が出てその代役を探していたようで泉の途中入部が決まる。中学時代に演劇部に所属していただけあって、すぐに部員にも打ち解けて泉が新しい居場所を獲得していく姿は眩しい。
そして、ノジこと野島(坂東龍汰)の高1からの片思いが遂に叶った。最初は「付き合って下さい」の「付き合う」の概念がわからず、ノジからの告白の回答を保留にしていた泉。「知り合いとか友達みたいにほとんど付き合うことのない人たちの中で、一人だけ付き合うってことは特別な人ってことだよね。私にとって付き合うってことは"特別な人"になるってことだと思う」と定義した彼女は、ノジの告白を受け入れる。これでまた彼女は"付き合う"という新たな道に踏み出した。
そもそも泉のプチ家出時に駆けつけたファミレスでもう一歩踏み出すのを躊躇ったばっかりに、祖父江はノジに泉とグッと近づくチャンスを許してしまった。そしてそんなことつゆ知らずの少々鈍感な泉とのLINEが苦しくなり、自分の気持ちに踏ん切りをつけるために、あるいは好意を寄せても無駄に終わるのならば連絡を途絶えさせようと思いアカウントを消したのかもしれない。泉が演劇部のことを話したら「演劇・・・」という返信を残し、そして好きなミュージカルのパンフレットの画像を送った途端にLINEアカウントが消えた。このミュージカルなり演劇が祖父江にとって何か特別な思い出を引き起こすものなのだろうか。