ウラン、プルトニウム、セシウム……震災後、連日のようにニュースで流れてくるため、残念なことに身近な名称となってしまいました。
ところで、これらの元素名の由来や語源にはどういう意味があるのでしょう。主要な元素について簡単に調べてみることにしました。
■ウラン【uran】
アクチノイドに属する天然放射性元素。1781年にウィリアム・ハーシェルにより発見された天王星(Uranus)が語源となっています。名称のUranusは、ギリシア神話における天の神ウーラノスのラテン語形。
■プルトニウム【plutonium】
アクチノイドに属する超ウラン元素。プルトニウムの語源のプルート(Pluto)は、ローマ神話の「冥界の王 」を意味します。
ウラン、ネプツニウムがそれぞれ太陽系の惑星の天王星、海王星にちなんで命名されていたため、当時海王星の次の惑 星と考えられていた冥王星から命名されたそうです。最初の2文字のPLは、冥王星を発見した天文学者パーシヴァル・ローウェルのイニシャルでもあります。
■セシウム【caesium】
本体は、黄色がかった銀色のアルカリ金属ですが、1860年ドイツの化学者が発見したときに、スペクトルが青色をしていたことから「caesius(青色)」より命名。
ちなみにお馴染み「アトム」(原子)は、ギリシャ語で「もう分けられない」という意味。また、元素ではありませんが、原発でたまに耳にする「プルサーマル」は、プルトニウムで燃料を作り、従来の熱中性子炉で燃料の一部として使うことです。
「冥界の王」を意味するプルトニウムは、生命へ与える多大な影響を考えると、意味合い的にもふさわしい命名といえますね。
(文=ricaco)