
【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。
今回ピックアップするのは吉高由里子、横浜流星主演映画『きみの瞳(め)が問いかけている』(2020年10月23日公開)です。目が不自由な女性と元キックボクサーが恋に落ちていく様を描いたド直球のラブストーリーで、ひさびさに良い恋愛映画を観た気がします。もう横浜流星がかっこよくて!
では物語から。
【物語】
ビルの管理人の部屋で、オジサンと一緒に連ドラを見ることを楽しみにしている明香里(吉高由里子)。目が不自由な彼女は画面に映る世界を話してもらっていました。
ある日、彼女は差し入れを持って管理人室に入り、いつもと同じようにオジサンに話しかけますが、そこにいたのは別人で、元キックボクサーの塁(横浜流星)。
前任者の代わりに働き始めたばかりでした。お互いに探り合いみたいな初対面でしたが、どこか気があい、交流が始まり、自然と恋愛へと進展していきます。しかし、二人はそれぞれ衝撃的な過去を抱えていたのです。
【吉高由里子と横浜流星のキャスティングがハマった!】
「ラブストーリーっていいなあ」と久々に思える映画でした。この映画の魅力は、吉高由里子と横浜流星のキャスティングにつきますね。
吉高さんの人懐っこくてちょっと風変わりな可愛さが、両親と自分の視力を交通事故で亡くした明香里という女性を悲劇のヒロインにしません。過去を乗り越えようとする前向きなヒロインとして存在しているのは吉高さんの魅力ゆえです。