~共著論文が薬理学の国際ジャーナル『Pharmacology』に採択~

「おしぼり」のレンタル・企画開発を手がけるFSX株式会社(所在地:東京都国立市泉1-12-3 代表取締役社長:藤波克之、以下FSX)は、共著論文『VBのin vitro 抗菌効果及びVB配合おしぼりの使用による手指衛生効果』が、スイスの薬理学誌『Pharmacology』に採択されましたのでお知らせいたします。これにより学術的な見地から、おしぼりの臨床試験における効能効果が日本で初めて認められました。


『VB(フ゛イヒ゛ー)』は、東京工業大学と慶應義塾大学発の合同ベンチャーとの共同研究によって、手指衛生の概念から生まれた、抗ウイルス・抗菌を安全に叶えるFSXの特許技術です。金属酸化物クラスター構造を持つポリ酸のなかでも、特に『VB』の主成分となるポリ酸の抗ウイルス効果は、以前より多くの有効性が実証されてきました。さらに抗菌効果を実証し、おしぼり衛生の実効性を臨床的に証明することは、文化的に幅広く使われている「おしぼり」を生業にし、手指衛生の重要性を提唱してきたFSXにとって重要な使命であると考え、2016年より本研究に取り組んでまいりました。

このたびの共同研究の成果では、従来の「試験管内」や「おしぼり上」だけではなく、「VBおしぼり(*)」で拭いた後の実際の手指から、効率よく菌が除去されていることが証明されました。「VBおしぼり」の安全性を確立し、手指衛生に寄与するおしぼりと実証されたことの意義は大きく、おしぼりが本来持つべき役割とそのために必要とされる技術が認められたことになります。FSXでは今後も、おしぼりの可能性を追求し、価値あるおしぼりを提供していけるよう、さらなる研究を進めてまいります。

(*)論文作成当時のVB。現在出荷のVBはさらに効果を増した新処方となっている(2019年3月発表)。

[画像1: https://prtimes.jp/i/26524/26/resize/d26524-26-663704-0.jpg ]

【ポイント】
・被験者120名の協力のもと、おしぼりの使用前後で240検体を用いて手指に付着する一般生菌に対する除菌効果を検証した。
・被験者の手指に存在する常在菌を、おしぼり使用の前後で菌数を測定した結果、30%エタノール含有の市販品おしぼりの一般細菌除去率が57%であるのに
対して、「VBおしぼり(*)」は99%以上と高い効率で除去することができた。

【論文情報】
掲載ジャーナル:Pharmacology 2019;104:98–112 (DOI:10.1159/000500897)
In Vitro Antimicrobial Effects of Virus Block, which Contains Multiple Polyoxometalate Compounds,
and Hygienic Effects of Virus Block-Supplemented Moist Hand Towels
(VBのin vitro 抗菌効果及びVB配合おしぼりの使用による手指衛生効果)
https://doi.org/10.1159/000500897

参考資料
<掲載論文内容> 掲載論文内容より、臨床試験部分の内容の一部を紹介しています

VB (Virus Block;数種PM化合物処方)のin vitro 抗菌効果及びVB配合おしぼりの使用による手指衛生効果
団 克昭1、 加藤 直裕2、 松岡 孝明3、 藤波 克之4
1: 生物活性研究機構 研究開発部門
2: 三菱鉛筆株式会社
3: 表参道ヘレネクリニック
4: FSX株式会社

要旨
 金属酸化物クラスターの抗ウイルス効果はすでに歴史的にも多くの有効性が実証されている。今回、抗菌抗ウイルス活性を有する金属酸化物(PM)の3種混合物及び抗生剤、抗菌剤を加えた5種配合体であるVBの各素材における抗菌効果を実証し、さらにこれら化合物をおしぼりに配合させた場合の実効性についても120名のボランティアの協力を得て実施した。
手指衛生の観点から日常生活の場で用いられるおしぼりの使用において、手指に付着する一般生菌に対する除菌効果をボランティア、120名からおしぼりの使用前後で240検体を用いて検証した。手指をぬぐったスワブに付着した生菌はPBSに懸濁させ、その一部を寒天培地へ塗布し、繁殖したコロニーをカウントする方法により実証した。ボランティアの手指に存在する常在菌を4種類のおしぼり使用の前後で菌数を測定した結果、VB及びPMは30%エタノール含有の市販品おしぼりにも増して効率良く除去することができたことから、実用面において有効な資材となることが示された。

おしぼり使用前後における手指に付着した菌数の検討
 120名のボランティアにおいて4群、各30名でそれぞれ4種のおしぼりを使用する前後で手から菌を採取したスワブ検体、240検体の菌数を算出した。
4種類のおしぼり、使用前後の各群におけるおしぼり使用前の菌数は120例の平均が949.5±8.5で4群共にほぼ同程度であった。通常の水で湿らせたおしぼりで手をふいた場合の菌数はおしぼりの使用前に比較して71%(1)に減少していた。
また市販されているEthanol系おしぼりでは43%(2)に減少していた。PM化合物を含んだ群では5.4%(3)、VBでは0.8%(4)にまで残余菌は減少していた。実際シャーレ内で繁殖した菌の様子を代表例のみ画像で示した。


考察
 今回ボランティア、120名の協力を得て実施した手指衛生効果の検証では、通常普及しているおしぼりの使用によって除去できる付着細菌は約72%であり、エタノール配合おしぼりにおいても43%の結果であった。一方、PM化合物、3種配合おしぼりでは5.4%、VBでは0.8%にまで除去されており、実用面においても充分な効果を発揮したものと考えている。これらはいわゆる常在菌での判定結果ではあるが、ここに様々な病原微生物が混在することはあり得ることで、それらを少しでも回避する方法としてVBおしぼり、PMおしぼりは有効であると結論づける。

将来的に、私達は、トリクロサンの使用を控えることを考えている。そこで今後のPM化合物に配合する選択肢としてポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)の使用について検討を始めている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/26524/26/resize/d26524-26-720384-1.jpg ]


<FSX株式会社について>( http://www.fsx.co.jp/
「おしぼりは物のサービスではなく心のサービス」を理念に、1967年に貸しおしぼり業の「藤波タオルサービス」として創業。以来、東京・国立市を本拠地として、おしぼりを軸とした事業活動は多岐に渡っています。おしぼりの素材や加工機開発に始まり、香り(アロマ)をつける特許技術、抗ウイルス・抗菌の衛生技術『VB(ブイビー)』、おしぼりを最適な温度で提供するおしぼり冷温庫『REION』の開発と、ソフトとハードの両面からおしぼりの価値を創造する開発を行う他、EC運営や同業者向けフランチャイズ事業等も手がけ、品質の高い製品・サービスの企画・製造・販売を行っています。
創業50年を機に、社名を「FSX株式会社」に一新し、次の50年に向けて、おしぼりの新たな可能性を引き出し、国内外へ広くOSHIBORI文化を広めるための革新的なサービスを創造する事業を展開していきます。


<VBについて>( http://www.virusblock.jp/
『VB(ブイビー) 』は、東京工業大学と慶應義塾大学発の合同ベンチャーとFSXの共同研究によって生まれた、抗ウイルス・抗菌を安全に叶える特許技術です(特許第5314219号「水溶液」)。おしぼりにVB水溶液をしみこませることで、おしぼり上にあるウイルスや菌の働きを99.99%以上も抑制※1します。ブロックと不活性化の2つの防御機能で、様々な病気の原因となるウイルスや菌が体内に入ってくるのを防ぎながら、生物環境とも共生します。経口毒性や皮膚への刺激性等もないので、肌の弱いお年寄りやお子様にも安心してお使いいただけます。
※1インフルエンザウイルスやセレウス菌などを試験した結果であり、すべてのウイルスや菌に対して効果を保障するものではありません。

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