そんな鹿児島県も、近年は大きな変化を迎えている。
平成の大合併では、96あった市町村が43に減少。九州新幹線(鹿児島ルート)が開通し、鹿児島県は大きな発展の可能性を手に入れた。
中でも鹿児島市の勢いはめざましい。新幹線と2008年放送の大河ドラマ『篤姫』に合わせた一連の開発で、鹿児島市の中心部は大きく発展。この流れは今も続いており、鹿児島駅、谷山駅、天文館など各地において、新たな街が姿を現している。さすが鹿児島という快進撃ぶりをみせているのだ。
しかしその一方、鹿児島市以外の地域は開発から取り残されている。
大隅半島では加工業が伸長する反面、過疎化と市街地のシャッター街化が深刻。
薩摩半島でも、姶良市のように市町村合併の恩恵を活かしている地域もあれば、出水、薩摩川内といった新幹線駅のある地域ですら、人口減少の波に飲み込まれようとしている現実がある。
一体、鹿児島県は今どうなっているのか。実力も底力もあり、それを存分に発揮しているのに、県全体では沈んでいる。果たして今の鹿児島県は住みやすい地域なのか、それとも大きな変化が必要なのか。