船谷ホールディングスグループ(本社:三重県伊勢市村松町/代表取締役:船谷哲司)は、日本モダニズム建築の巨匠・坂倉準三が設計した三重県伊賀市の市指定文化財「旧上野市庁舎」(1964年竣工)を再生。その建築思想を現代に引き継スモールブティックホテル『泊船(はくせん)』として、2025年7月21日に開業いたします。
■建築と再生:坂倉準三の「人間のための建築」が伊賀で新たな時を刻む
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旧上野市庁舎 SAKAKURA BASE
『泊船』の舞台となる旧上野市庁舎。ここは、ル・コルビュジエに学び、戦後日本の建築を率いた坂倉準三(1901-1969)が1964年に手がけた建築です。坂倉は「建築は、そこで生きる人間のためにある」という哲学を掲げました。この旧市庁舎は、伊賀の豊かな自然、とりわけ四方を山に囲まれた盆地の風土に寄り添うように、水平線を強調した低い建物として完成しました。市民を見下ろすことなく、光と風を招き入れる大きな開口部は、半世紀以上にわたり、ここに集う人々の営みを静かに見守り続けています。
老朽化による解体の危機を、市民の保存運動が救い、市指定文化財として再生されることに。行政からのアイデア募集に応え、船谷ホールディングスがこのプロジェクトを受託しました。ホテルと、来春オープンする図書館、そして観光案内機能を備える複合施設として、この歴史ある建築は新たな命を得ます。かつての市庁舎の記憶を大切にしながら、ホテル『泊船』は過去と現在をつなぎ、坂倉準三がこの地に託した思想と共に、人が集い、学び、伊賀の魅力を発信する、新しい文化の拠点となることを目指します。
■スモールブティックホテル『泊船』:言葉の海を漂う、静謐な時間
『泊船』は、全19室のスモールブティックホテル。
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泊船スイート
■再生設計:MARU。architectureが紡ぐ、モダニズムの静かなる対話
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本施設の再生設計は、公共建築や文化施設の設計等を多数手がけるMARU。architectureが担当しました。彼らは、坂倉建築が持つ空間の豊かさや光の扱い方を深く読み解き、現代の快適さと美しいデザインを融合させています。
設計の核にあるのは、「開かれた外の空間から、段階的に落ち着いた室内空間へと連続する」という心地よい流れ。視線を低く抑えることで、訪れる人が落ち着いて空間に身を置けるよう工夫されています。既存のコンクリート壁に残る当時の木型枠の表情はそのまま活かされ、タモ材や左官などの素材との組み合わせが、至近距離でこそ感じられる繊細な質感を生み出します。それは、ただ修復するだけでなく、建築全体に、異なる要素が互いを引き立て合うような、穏やかな一体感を生み出すことに深く配慮された結果です。
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建物に設けられたガーゴイル(あまどい)は、雨水が流れる様子をあえて見せることで、自然とのつながりを表現するという坂倉の意図であろうと考えられます。
■客室のしつらえとアート:NOTA&designが誘う、感性の息づく空間
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コーナースーペリア | 藤本玲奈の抽象絵画
客室は、NOTA&design が手がけたインテリアスタイリングにより、温もりのある素材感と静けさに満ちた空間に仕上がっています。坂倉準三建築研究所が手がけた天童木工の家具や、当時の建築の雰囲気に調和する調度品が配され、空間全体に穏やかな調和が生まれます。視線が低く設計された空間は、外の賑やかさから離れ、心地よいプライベート感を演出します。NOTA&designは、客室を「生き物のように、時間とともに育まれる空間」と捉え、宿泊者の気配や流れが静かに深まるような設えを施しています。
さらに、坂倉建築のシャープなラインやコンクリートの質感に対し、人の手が生み出すアート作品が持つ「肌触り」や「感情」が、空間に新たな対話をもたらすと信じ、各客室にアートを迎え入れました。アート作品は、建築が持つ静謐なムードを壊すことなく、そこに親密な温かみを加え、滞在する人それぞれの感性に語りかける存在となるでしょう。それは、空間を単なる「箱」ではなく、訪れるたびに新たな発見のある、生きたギャラリーへと昇華させます。
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泊船スイート | 壺田太郎の陶作品
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エントランスには、陶芸家・安永正臣による、釉薬から成形する独自の手法で作られたモザイク壁画が配され、来訪者を迎えます。各客室には、伊賀にゆかりのある若手アーティストであり伊賀生まれの陶芸作家・壺田太郎による、土の表情豊かな陶作品、そしてビビッドな色彩が特徴の藤本玲奈の抽象絵画が飾られています。客室ごとに異なる表情を見せるこれらの作品は、滞在する人の感性を静かに刺激します。単なる飾りではなく、空間と、そして滞在する人との間に、ささやかな対話を生み出すことを意図しています。
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ホテルエントランス | 陶芸家・安永正臣氏のモザイク壁画
■ロゴ・サインデザイン:UMA/design farmが紡ぐ、建築との対話
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泊船ロゴマーク
『泊船』のロゴ・サインデザインは、UMA / design farm が担当しました。ロゴは、坂倉準三建築が持つ「柔らかさ」と「身体性」を抽出し、マークに込められています。湖に浮かぶ船、月の光、本を読む人のシルエット、図書館の「言葉の湖(うみ)」、夜から朝への時間の流れなど、見る人それぞれに異なるイメージを喚起する、抽象的で詩的なデザインが特徴です。
ロゴの色には、夜の湖のような「紺色」を採用。これは建築当時の2階部分にも使われていた色を復元したものであり、月明かりに照らされた夜の静けさを表現しています。館内外のサインやインテリアもすべて、「必要最小限、最適な配置、素材の力を活かす」という坂倉の設計思想に基づき、丁寧に設計されています。
また、改修前にUMA / design farm代表の原田祐馬氏が撮影した旧庁舎の記録写真も、客室前のポーチに展示されています。再生前の建物の姿を伝えるこれらの写真は、サインやロゴと同様に、「建築の記憶」をそっと滞在に織り込むような存在です。静かに佇む写真が、今の空間と過去の時間とをやわらかくつなぎ、この場所が歩んできた時間を宿泊者に伝えます。
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UMA / design farm代表の原田祐馬氏による記録写真
■滞在体験:五感をひらく、伊賀の文化を巡る深い旅
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『泊船』での滞在は、ただ泊まるだけでなく、伊賀の奥深さを知る、思索と発見の旅へと誘います。客室には books+kotobanoie による選りすぐりの書籍をご用意。
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朝食で提供するプレートは、地元伊賀市の人気店 食堂おおもりが監修。他にも、伊賀焼や伊賀組紐といった伝統工芸品、そして俳聖・松尾芭蕉ゆかりの地を巡る街歩きなど、伊賀の記憶や文化を感じさせるプロダクトや体験が随所に散りばめられ、滞在者が地域の静かな物語を読み解くきっかけとなります。
■これからの泊船:建築が紡ぐ新たな物語、伊賀に根ざす文化複合施設へ
『泊船』は、旧上野市庁舎という歴史的公共建築の保存・活用における、日本の新しいモデルケースとして、その価値を確立します。 2026年春に開業する公共図書館との一体化は、単なる複合施設を超え、知のプラットフォームとしての建築の可能性を広げます。 宿泊者が図書館を自由に使い、地域住民がホテルに親しむことで、「泊まる」と「学ぶ」「集う」という行為が自然につながり、新たな交流と文化創造の場が生まれます。
伊賀の歴史、文化、自然、そして現代のアートとデザインが静かに交差するこの場所は、訪れる人々に深い思索と発見を促す、新たな交流と文化体験の拠点として機能します。地域に深く根ざしながら、日本のモダニズム建築が未来へと長く息づくための、新たな物語を紡ぎ続けていきます。
■ ホテル概要
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施設名:泊船(はくせん)
ホテル開業日:2025年7月21日
公共図書館:2026年春開業予定
所在地:三重県伊賀市上野丸之内116 旧上野市庁舎 SAKAKURA BASE
施設内容:ホテル(全19室、バリアフリー客室1室含む)、公共図書館、観光案内、カフェ
運営:船谷ホールディングスグループ
公式サイト:https://hakusen-iga.com/
設計:MARU。architecture
スタイリング:NOTA&design
家具:天童木工(坂倉準三建築研究所デザイン)
アート:安永正臣、壺田太郎、藤本玲奈
ロゴ・サイン:UMA / design farm
ウェブサイト:SHEEP DESIGN Inc.
施設写真:田ノ岡宏明
■ 運営会社概要
会社名:船谷ホールディングスグループ
創業年:1877年
本社所在地:三重県伊勢市村松町1364番地8
代表者名:船谷哲司
公式ウェブサイト:https://funatani-hd.jp/
本件に関するお問い合わせ先
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