白熱のJ1残留争い!各クラブの立ち位置と残りの対戦カードを徹底分析【15位:湘南ベルマーレ編】
白熱のJ1残留争い!各クラブの立ち位置と残りの対戦カードを徹底分析【15位:湘南ベルマーレ編】

J1リーグも残すところ5試合となりました。

残留争い、優勝争い、そしてACL圏内争いと激化していくそれぞれの闘い。

今回は湘南ベルマーレの現状と立ち位置、そして残り5試合について考えみようと思います!

湘南ベルマーレ

15位:10勝 8分 14敗(33試合)、勝点38

得点46、失点50、得失点差-4

現在のベストスタメン

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夏の移籍期間の動きと補強について

【IN】

• ルイス・フェリッピ(8/19)[OFIクレタ(ギリシャ)/新加入]

• 上福元直人(8/1)[川崎F/新加入]

【OUT】

• 柴田壮介(8/6)[いわき/期限付き]

• 富居大樹(7/26)[水戸/期限付き]

• 杉岡大暉(7/16)[町田/期限付き]

• ディサロ燦シルヴァーノ(6/20)[山形]

杉岡大暉の移籍には驚きましたが、畑大雅の成長もあって出場機会を求めて移籍したことには納得はいきます。しかしチームとしては痛手になっていることも間違いはありません。

それでも湘南ベルマーレは積み上げたものが実って良い試合をしているのもまた事実。だからこそ補強も少なく終わったのではないでしょうか。

GKの上福元直人の加入も驚きでしたが、チームとして保持の局面を搭載した今ならこの補強の意味は理解ができます。

しっかりと後方から繋ぐことができるGKの存在はピッチに+1を作り出すことが可能になり、だからこそ、CBの押し上げや周囲の選手のポジションの取り直しの時間を作り出すことができます。ここの能力を買っての上福元直人の補強だったのではないでしょうか。

さらにルイス・フェリッピの獲得はシンプルな高さの担保として、クロスのターゲットマンとして期待がかかります。丁寧に押し込みながら、ボックス内に人数をかけられるようになった今だからこそ、高さが必要になったことも容易に理解できるところです。

彼がボックス内にいることによって、他の選手のフィニッシュチャンスも広げることも可能になるでしょう。あと一歩のところで勝利を逃す試合があるからこそ、ルイス・フェリッピにかかる期待は大きいと思います。残りの試合を勝ち先行で終えた時に、残留を掴み取ることができるのではないでしょうか。

残りの対戦相手とその予想

34節 サンフレッチェ広島戦(H)

中断明け直後に首位のチームとの対戦です。疑う余地のない強敵で、チームの完成度はJ屈指だと思います。ゲーゲンプレスと保持、ハイプレスとショートカウンター、そして個人能力の高さ。全ての局面で高レベルにあるチームになっています。

とはいえ、サンフレッチェにも弱点はあります。それがプレスを回避されたときの3CBの脇のスペースです。

プレスの構造上、ここは仕方ないのですが、何度も回避されてしまうとプレスの圧力が弱まってしまい、プレスの出足に迷いが生まれ、中途半端になってしまいます。しかしそれを解消すべく、サンフレッチェはWBを押し下げることやCHをバックラインに落とすことなども行なっています。

ベルマーレからすると攻略は難しいものになりますが、まずは1stプレスラインを広げていきたいところです。GKを加えながらCBを広げる形を取ると、1stプレスライン、特にSTのプレスの迷いや基準をずらすことが可能になります。さらにDMFがいる分、CHを引っ張り出すこともできるでしょう。

これを作り出した時にCBからIHや降りるCFへの縦パスを打ち込むことができれば、プレス回避から速攻を仕掛けることができるかもしれません。さらに33節の東京ヴェルディ戦で見せたように、IHを外に流しながらWBを止める形や1つ手前の呼吸場所を作り出すことができれば、崩しに入っていけそうです。

プレッシングの局面ではサンフレッチェは常に背後を狙ってくるので、そこに届けるボールの精度を落とさせること、そして蹴らせた後のセカンドボールの回収が強敵攻略の糸口になりそうです。

35節 FC東京戦(A)

速攻、カウンター。広大なスペースがあるとチームが躍動するのがFC東京です。WGもCFもOMFもカウンターの申し子が多いので、縦に速いサッカーを志向しています。特にWGが幅を作りながらCHやOMF、CFの中央のスペースを確保する方法は厄介なものとなっています。

しかし33節のサガン鳥栖戦のように、ボールを押し付けられたり、低い位置でブロックを作られたりすると、その勢いは鳴りをひそめます。

また守備の局面も安定しているとは言い難いところです。WGの背後をCHがカバーすることが基本形となっているのがFC東京です。ここの広大なスペースを2枚で守り切るのは難しい問題です。1stプレスラインの方向付けを曖昧にされた時の脆さは否めません。

よってベルマーレの試合の振る舞いはとても重要なものになると思います。ボールを持ちながら試合を進めていくことをベルマーレは十中八九考えるでしょう。この時にCBとWBのところでまずは配置的な優位性を作り出したいところです。

CHを動かしていくことができれば、DMFを経由して横断することも可能になってくるでしょう。またWBでSBを釣り出すことができるようになってくると、IHやCFでサイドの奥を取っていくことができるでしょう。擬似カウンター気味の攻撃と横断を見せていくと、自然とFC東京を押し込んでカウンターを未然に防いでいけそうです。

しかし注意したいところがCBの攻撃参加によるサイドのスペースです。FC東京には荒木遼太郎やディエゴ・オリヴェイラと個人で時間とスペースの負債を背負える選手がいます。FC東京はここを経由しながらWGの快速を生かしていきます。

ベルマーレは押し込んだときに、彼らに細心の注意を払いながら、攻撃を仕掛け続けることができれば、勝利を掴んでいけそうです。

36節 北海道コンサドーレ札幌戦(H)

奇跡の大逆転残留を目論むチームです。もしかするとコンサドーレとの一戦が最も難しいものになるかもしれません。

36節時点での状況は神のみぞ知るという状況ですが、確実に6ポインターに位置付けられる一戦です。コンサドーレは中盤の空洞化とトランジションの再整理によって、残留への挑戦権を手にしました。CHを落としながらの4バック化と3−2の土台を使い分けながら、攻撃を組み立てていきます。

しかし直近の4試合ほどはCHの列落ちによる4−1の土台が基本的となっています。中央のスペースの共有をきちんと行うようになったので、外からも中からも進めるようになっています。そこからの速攻は確実に猛威を振るっています。

対するベルマーレです。まずはやはりプレッシングの局面で中央を確実に隠していきたいところです。これができなければ、コンサドーレに1つの前進ルートを与えてしまうので、守備が難しくなってしまいます。

できる限り外に誘導しながら、そこからCFへの上のパスを蹴らせて回収を考えていたいです。そのためのIHの内⇒外のプレスがこの試合のポイントになってきそうです。

基本的にコンサドーレはWBのWG化を考えているので、ここにはしっかりとWBを当てはめれば問題ないと思います。またコンサドーレは442の守備ブロックを作り出すことが多いので、積極的な3CBの攻撃参加でズレを作り出していきたいところです。

大外の勝負とIHもしくはCFのチャンネルランを繰り返しながら、コンサドーレのマークの受け渡しを強制させることで勝機は訪れるでしょう。

37節 横浜F・マリノス戦(H)

俺らは攻撃と心中する。そんな意志を感じられるチームです。だからこその攻撃力は頷けます。3トップは強烈で、それを支えるOMFの技術も申し分ありません。

しかしこれは最終局面や崩しの部分です。問題は前進をどのように行なっていくか、そして守備の局面に大きな問題があります。大量失点を喫して負けてしまう要因はここにあります。特に前進の局面で引っ掛かってしまうとカウンターを受けてしまいます。

引っ掛かる要因として速さを選択することが多いので、ボールを受ける準備をする時間が短くなっています。だから準備できていない状況下でボールが来るので、狙われてしまうことが多いです。

またプレッシングも単発になっていることが多く、制限や方向付けもない状況です。そうなるとやはり一つ一つ剥がされてゴール前まで迫られてしまいます。

ベルマーレからすると、この弱点をきちんと突いていきたいところです。

ボールを扱うことを好むF・マリノスなので、まずは守備、もっというとハイプレスのところから試合を作っていきたいところです。WGに対してはWBを常に監視させていると、SBが内側に入り、WGが下がってボールを引き取りに来ることが多くなります。ここでまずは迎撃を作りたいところです。

また中央をしっかり隠していれば、CFも降りてくることが多くなります。ここにもCBが出て迎撃を作り出すことができれば、ショートカウンターを仕掛ける事はできるでしょう。

保持の局面では3CBで3トップを引っ張り出すことができれば、DMFのところで呼吸ができそうです。F・マリノスは442でプレスをかけることが基本形なので、この場合はWBで距離を取りながら、もしくはIHを外に流しながらポイントを作ると、1つずつ相手を引っ張り出すことができるでしょう。

擬似カウンター気味の攻撃を多く仕掛けることができそうな一戦です。訪れたチャンスをしっかりと決め切っていきたいところです。

38節 ヴィッセル神戸戦(A)

サンフレッチェ広島と優勝争いを繰り広げる、紛れもない強敵であり王者です。圧倒的な個の能力を押し出して試合を進めるそのさまは理不尽とも言えるでしょう。その上にチームとしての戦い方が徹底されているので、それは強いわけです。

ヴィッセルは3バックのチームと戦う際、3トップでそのまま3CBに出ていくことが多いです。WBにはSB、IHが1枚DMFを管理、相棒のIHがボールサイドのIHを管理しながら、サイド圧縮を行なっていきます。

縦と横のスライドが根本的に早く、さらに1stプレスラインの制限も上手です。特にSBの予測の速さと縦スライドはヴィッセルに更なる勢いを与えるものとなっています。

一方でベルマーレです。ここのSB↔︎WBの個人の局面をどのように考えるかはこの試合の分岐点となりそうです。

特に鈴木雄斗はプレス耐性があり、サポートが存外に上手な選手です。対面に立つであろう初瀬亮と距離を取りながら、1stプレフラインの外側で起点を作ると、ヴィッセルのプレスの勢いを折ることはできるでしょう。プレスを空転させることができれば、ヴィッセルは442のブロックを作り出します。

ベルマーレからすると、この状況を作り出した時に初めて勝機を窺うことができそうです。ヴィッセルにボールを扱わせてしまうと、速攻と個人技で圧倒される可能性があります。相手に攻撃の機会を与えないために、プレスを空転させつつ、ボールを握りながら攻撃を仕掛けていきたいところです。

ベルマーレの残り試合はホームゲームが多いですが、優勝争いを繰り広げているチーム、残留争いのライバル、矜持を示すために戦い抜くチームと、難し過ぎる試合が残っています。

残りの5節は100%ではなく、120%が必須です。シーズンを通して積み上げてきたものを武器に、勝ち切って残留を決めたいところです。

Nobuya Akazawa|J1全部見るマン|

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