日本代表のゴールマウスに君臨する鈴木彩艶。
圧倒的な身体能力とスキルを武器に欧州で評価を高めてきた24歳は、日本の絶対的守護神としての地位を確立し、今夏移籍したアストン・ヴィラでもさっそくレギュラーを務めている。
しかし、ゴールキーパーは息の長いポジション。今後10年近く代表の座を争うことを考えれば、その背後から迫るライバルたちの存在も見逃せない。
FIFAワールドカップ2026でバックアップを務めた早川友基と大迫敬介が今季J1で調子を落とす中で、鈴木を追いかける次代の日本代表守護神候補5名を紹介する。
小久保玲央ブライアン
2001年1月23日生まれ
シント=トロイデン所属
鈴木彩艶のライバル候補として、現時点で最も完成度が高い一人が小久保玲央ブライアンだろう。
柏レイソルのアカデミーから高校年代でポルトガルの名門ベンフィカへ渡り、Bチームなどで経験を積んだ後、2024年夏にベルギーのシント=トロイデンへ完全移籍。193cmのサイズと長いリーチ、際立ったシュートストップ能力を武器に欧州で実戦経験を積み重ねている。
日本でその名を一躍知らしめたのが2024年のパリ五輪だ。大会では日本の守護神としてゴールを守り、その後はクラブでも立場を確立。2025-26シーズンはベルギー1部で38試合に出場した。
鈴木と同じく海外へ早くから飛び出し、GKに必要な経験値を欧州で蓄積してきたことは大きい。25歳という年齢を考えても、次にA代表のゴールマウスへ割って入るべき時期はまさに今。鈴木を追う「一番手」となっても不思議ではない存在だ。
野澤大志ブランドン
2002年12月25日生まれ
ロイヤル・アントワープ所属
小久保と並び、すでに欧州で戦っているのが野澤大志ブランドン。193cm、90kgという恵まれた体格を持ち、FC東京時代から特にハイボールへの強さを評価されてきた大型GKだ。
10代から年代別日本代表の常連で、2024年にはAFCアジアカップの日本代表メンバーにも抜擢。同年のパリ五輪代表にも選ばれた。FC東京でもレギュラーとして奮闘し、2025年夏、ベルギーの名門ロイヤル・アントワープへの完全移籍を決断した。
野澤の魅力はサイズだけではない。至近距離からのシュートへの反応、クロスへの対応、そして最後尾から味方を動かす存在感も備える。何より、Jリーグで正GKを経験してから欧州へ渡ったキャリアは着実だ。
同じベルギーでプレーする小久保とは、クラブだけでなく日本代表の座を巡っても競争することになる。鈴木、小久保、野澤――同世代の大型GKによる代表争いは今後さらに激しくなりそうだ。
ピサノアレクサンドレ幸冬堀尾
2006年1月10日生まれ
名古屋グランパス所属
「鈴木彩艶級」のスケールという意味で、非常に興味深い存在がピサノアレクサンドレ幸冬堀尾だ。
カナダ人の父と日本人の母を持ち、現在の名古屋グランパス公式プロフィールでは198cm、93kg。規格外ともいえるサイズを誇りながら、本人が自らの武器として「チャンスメイク、ビルドアップ」を挙げているように、足元から攻撃へ関与できる点も現代型GKらしい。
2025年には名古屋でJ1リーグ16試合に出場し、同年7月のEAFF E-1選手権で20歳になる前にA代表デビュー。世代別代表へ戻ってからも継続的に招集され、2026年のアジア競技大会でもU-21日本代表に名を連ねている。
まだ粗削りな部分はあるが、このサイズのGKが若くしてJ1とA代表を経験していること自体が大きな魅力。鈴木も若くして批判や失敗を経験しながら急成長した。
ピサノが同じように試合経験を積み、判断力や安定感を磨くことができれば、近い将来日本代表の守護神争いへ本格参戦しても驚くことはないだろう。
荒木琉偉
2007年10月14日生まれ
ガンバ大阪所属
この5人の中で、現在最も強烈な勢いを感じさせるのが荒木琉偉かもしれない。ガンバ大阪のアカデミーで育った195cmの大型GKは、2026年1月のAFC U23アジアカップで一気に評価を高めた。
実年齢より上のカテゴリーで日本のゴールを守り、準々決勝のヨルダン戦ではPK戦で勝利に貢献。準決勝の韓国戦、決勝の中国戦を連続無失点で乗り切り、日本を大会連覇へ導いた。AFCから大会最優秀GKにも選ばれている。
その活躍はクラブにもつながり、2026年のJ1百年構想リーグでは7試合に出場。同年8月には新シーズンのJ1でも先発デビューし、10代にして国内最高峰の舞台でゴールマウスを任されるところまで来ている。
195cmの高さだけでなく、PKに対する強さなど、若手GKらしからぬ勝負強さをすでに国際舞台で証明していることが最大の魅力。18歳という年齢を考えれば伸びしろは計り知れない。
鈴木の「次」を争うどころか、成長曲線次第では鈴木が全盛期を迎えている最中に真正面からポジションを奪いに来る可能性すらある逸材だ。
村松秀司
2008年6月8日生まれ
ロサンゼルスFC所属
最後は、今回紹介する中でも異色の経歴を持つ村松秀司。アメリカで生まれ育ち、MLSのロサンゼルスFCで育成されてきた187cmのGKだ。
その名前が世界に知られたのは2025年のFIFA U-17ワールドカップ。キャプテンとして日本を率い、欧州王者ポルトガル、アフリカ王者モロッコと同居したグループステージをわずか1失点で突破。FIFAから大会前半戦で輝いた10選手の一人にも選ばれた。
さらに北朝鮮とのラウンド16ではPKをストップし、1対1でも決定機を阻止。準々決勝のオーストリア戦でも試合終了間際にPKを止めるなど、大舞台で強烈な勝負強さを見せた。
反応速度に優れ、近距離からのシュートに強いだけでなく、若くして年代別代表でキャプテンを任されるリーダーシップも魅力。ロサンゼルスFCでは元フランス代表の世界的GKウーゴ・ロリスと同じ環境でプレーした経験も持つ。
2026年にはU-19日本代表へとカテゴリーを上げ、AFC U20アジアカップ予選にも招集。日本サッカーの従来の育成ルートとは異なる場所から現れた18歳が、プロとしてこれからどこまで伸びていくのか…。
未知数だからこそ、5人の中で最も「化ける」可能性を秘めた守護神候補と言えるかもしれない。
鈴木彩艶が「世界8位タイ」!?史上最も移籍金が高額だった世界的守護神8人
筆者:奥崎覚(編集部)
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画像提供:Getty Images

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