「サッカーの祭典」を目前に控え、開催国アメリカの入国政策が新たな波紋を広げている。
イギリスの公共放送局『BBC』は現地時間8日、2026年FIFAワールドカップで審判を務める予定だったソマリア人主審のオマル・アルタン氏が、米国への入国を拒否され、大会審判団から外れることになったと報じた。
アルタン氏は、2025年のアフリカサッカー連盟(CAF)年間最優秀主審に選出された実績を持ち、ソマリア人として初めてワールドカップ本大会で笛を吹く存在として注目を集めていた。
報道によれば、アルタン氏は有効なビザを所持していたものの、マイアミ国際空港で入国を拒否されたという。その後、FIFAは「アルタン氏は大会での研修および審判活動を行えない」と発表。「入国管理やビザ審査は開催国の権限であり、FIFAは関与できない」との立場を示した。
アメリカ当局は詳細な理由を公表していないが、ソマリアはドナルド・トランプ大統領政権が導入した渡航制限措置の対象国の一つとなっている。アメリカの税関・国境警備局(CBP)は「審査上の懸念」を理由に入国を認めなかったと説明したが、具体的な内容には触れていない。
アルタン氏は2018年にFIFA国際審判員となり、アフリカ・ネーションズカップカップなどの主要大会で実績を重ねてきた。ソマリアサッカー連盟はFIFAに説明を求めており、同国政府関係者からも「フェアプレーの精神に反する」との批判が上がっている。
今大会を巡っては、イラン代表チームの関係者のビザ発給問題なども報じられており、トランプ政権下の厳格な移民政策が国際スポーツイベントの運営に影響を及ぼす可能性が指摘されている。
世界中の人々が集うべきワールドカップにおいて、競技とは無関係な政治的な問題が大会の話題となっている現状は、「サッカーの祭典」の理念そのものに改めて問いを投げかけている。
筆者:江島耕太郎(編集部)

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