新国立から外された「開閉屋根」は本当に不要だった? 専門家に訊くハコモノにならない方法

国内実績だけを見ても、メンテナンスコストがかさんでしまう開閉機構は使われなくなるケースが多く見られます。当時国内最大規模の開閉機構を持っていた宮崎シーガイアのオーシャンドーム(1993年開場)は420億円かけてつくられた世界最大の室内ウォーターパークでしたが、2007年に閉鎖、2016年に解体されました。

可動屋根は単純に屋根を開けるだけでなく、その目的が重要だと考えます。天然芝の育成が必要であれば天然芝グラウンド整備にかかるコストとの比較や、イベント利用を考えるのであればイベント開催に関する雨天リスクにかかるコストとの比較が必要となります。柔軟な運用を考えることのできる可動屋根は魅力的な機能ですが、スタジアムの規模や構造的な制約を考えた場合、まずはスタジアムをどう使っていくか、将来にわたる利用計画を綿密に考えることが必要です。可動屋根は使い方によっては多目的利用を可能にする便利な設備ではあるのですが、その「多目的」は計画に裏付けられたものであり、万能な機構と言うよりそのスタジアムの使い方に最適化させたオンリーワンの一品モノと考えてもらったほうが良いでしょう。

可動屋根の開閉方法のような建築仕様は通常、設計段階以前に採用可否が決定されていなければ、計画そのものを進めることができません。つまり建設と運営が一体となった構想を進めるうえで、計画のさらに前段階の時点での検討が必須となります。以上から考えても、「つくってから運営方法を考える」といったこれまでのスタジアム・アリーナの構想・計画手順を抜本的に見直さなければ、スタジアム・アリーナが「ハコモノ」から脱却することはかなわないのです。


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2019年11月26日のスポーツ総合記事

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