僧侶からバックさせたお布施の一部を収入から除外 派遣会社・葬儀会社が総額約5億円の所得隠し

       

 首都圏の僧侶派遣会社と葬儀会社約10社が東京国税局などの税務調査を受け、僧侶が施主から受け取る「お布施」を巡り、11年までの7年間で計約5億円の所得隠しを、指摘されていたことが分かった。

 僧侶から派遣会社へ支払われたお布施の一部が収入から除外されて、葬儀会社へ渡っており、同局などは仮装・隠ぺいを伴う悪質な所得隠しと認定したとみられる。

 所得隠しを指摘されたのは、僧侶派遣会社「グランド・レリジオン」(埼玉県川口市)、葬儀会社「セクト」(千葉市)など約10社。

 関係者によると、施主から葬儀を依頼されたセクトなどの葬儀会社が、グランド社に僧侶の派遣を依頼。グランド社は宗派や日程、場所などを考慮し、自社に登録する僧侶を派遣していた。

 僧侶は葬儀で施主から数万~数十万円のお布施を受け取ると、その一部を「仲介手数料」としてグランド社にバック。グランド社はさらに、その一部を紹介手数料やリベートとして葬儀会社に渡していた。葬儀会社が受け取る手数料やリベートの相場はお布施の3割程度とされる。

 国税当局の調査で、グランド社は、僧侶から受け取った仲介料の一部を収入から除外し、葬儀会社への手数料やリベートに充てていたことが判明。この他、同社が社長の親族数人に支払った役員報酬も実態がないと判断するなど、計約2億円の所得隠しを指摘したという。

 一方、葬儀会社側は、グランド社からの手数料を書留郵便で受け取ったり、別口座に送金させたりして収入から除外。なかでもセクトは、手数料とは別にリベートとして約6年間で約3000万円を簿外で受け取っていたという。今回の調査で指摘された手数料やリベートに絡む葬儀会社分の所得隠しは、計約3億円とみられる。

 僧侶は派遣会社からお布施の5割以上をピンハネされるケースもあるといい、他宗派の僧侶を装って法事をさせられることもあるようだ。葬儀会社へのリベートの一部は、患者が亡くなった際に仕事を紹介してもらえるように、病院関係者を接待するのに使われることもあったもようだ。

 お布施といえば、明確な料金設定もなく、施主が僧侶側から領収書を受け取ることもまずない。今回の所得隠しは、その業界のルールを悪用したものともいえる。
(蔵元英二)

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2012年6月7日の社会記事

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