野球界でまた、ショッキングな出来事があった。

 関西の社会人野球の名門である大阪ガス硬式野球部の現役部員、OB、コーチが賭博行為をしていたことが明らかになったのだ。



 同社は8月31に会見し、コーチを含め現役部員28人とOB8人の計36人が、賭博に関わっていたと発表した。監督は関与していない。関わったOBは、現在も社員として勤務している。賭けの対象になっていたのは、高校野球(春夏の甲子園)と中央競馬のGIレース。同社では関係者の処分を検討し、大阪府警東署も賭博行為で捜査する見込み。

 この事件を受けて、同社野球部は出場が決まっていた「第38回社会人野球日本選手権」近畿地区最終予選(9月11日開幕)を辞退し、当面の間、活動を自粛する。
同社では廃部は否定し、来年の都市対抗野球大会の予選には出場したい意向。日本野球連盟では出場辞退を受け、処分は科さない方針。

 発覚のきっかけとなったのは内部告発で、8月13日に「野球部員らが賭博をしている」との匿名のはがきが届いた。同社で賭博罪の時効期限となる過去3年にさかのぼって調査したところ、告発が事実であったことが分かった。

 この3年間に在籍した部員は52人で、そのうち36人が関与を認めた。賭博行為は社内メールや、部室の張り紙でも参加が呼び掛けられていたようで、常態化していたとみられる。


 賭け金は交代で胴元となった部員が集金。先の夏の甲子園の場合は1口5000円で、18人が参加して、9万円を集めた。賭博方法は勝敗や優勝チームなどを予想し、ポイント制にして計算し、金を分配。GIレースでは、年間24レースをまとめて1口2万4000円とし、参加した8人から計19万2000円を集めて、年間上位3人に金が支払われていた。

 調査は過去3年にさかのぼって行われたが、気になるのは、「10年ぐらい前からやっていた」という証言がある点。同社野球部のOBには、現在プロでプレーする阪神のエース・能見篤史投手(33=04年まで在籍)、小嶋達也投手(阪神=26=06年まで在籍)、岩見優輝投手(広島=25=10年まで在籍)がいる。
10年前となると、能見らが在籍した当時から、賭博行為が行われていたことになる。

 能見は「突然の話で驚いています。このようなことで注目されてしまって、本当に残念で仕方ないです」と話した。小嶋は「ビックリしました。ショックも大きい」と、岩見投手は「何と言っていいか分かりませんが、すごく残念です」とコメントした。

 同社野球部は都市対抗で1度、日本選手権では3度準優勝した関西の強豪チームだけに、今回の不祥事は残念でならない。
選手のなかにはドラフト候補もおり、その影響が懸念される。

 同社は「お客さま並びに関係者の皆さまの信頼を損なう、このような行為を行っていたことを反省し、深くお詫び申し上げます。今後、2度と同様の事象が発生しないよう、再発防止に努めてまいります」とコメントしている。
(落合一郎)