9月19日発売の「週刊新潮」で、40代の女性協会職員と不倫関係にあった上、デート場所として使ったラブホテルの宿泊費等を日本相撲協会の経費で落としたと報道された、元前頭・春日富士の雷理事(46=本名・岩永祥紀)が詰め腹を切らされた。
この問題が原因で、9月8日から謹慎していた雷理事は、16日に理事の辞表を提出したが受理されなかった。報道があった日の翌20日、退職届を提出し、北の湖理事長(元横綱)が受理した。現職理事の退職は異例で、退職金は支払われるもよう。相手の女性職員は17日付で、すでに退職していた。
協会は理事の後任補充はせず、雷理事が担当していた総合企画部長、生活指導部長、観察委員長などは、現状の人員で分担する方針。
同誌の取材に「(妻とは)離婚することになっている」などど、のん気に語っていた雷理事だが、退職に追い込まれて「辞めてしまうと、報じられたことを認めたように思われてしまうが、そうじゃない。ただ、女性問題で騒ぎを起こし、協会に迷惑をかけた。理事の立場もあり、自分で判断した。期待してくれていた人には申し訳ない」と話した。
「しっかり調査して報告します」と語っていた八角広報部長(元横綱・北勝海)は、「これから一緒に協会を盛り上げていきたかったのに、残念でした」と言うにとどめた。雷理事の退職によって、この問題は落着となり、真相究明はなされない可能性が濃厚となった。
「まさに、臭いものにふたをした印象です。場所中でもありますし、優勝争いや日馬富士の綱獲りが盛り上がるなかで、協会としては雷理事のスキャンダルで、それに水を刺されたくはないでしょう。『自主的に退職すれば、不正等の問題も追及しない』と協会から勧告されたようです」(某スポーツ紙相撲担当記者)
身から出たさびとはいえ、不倫、経理の不正計上疑惑の代償はあまりにも大きかった。雷理事はまだ46歳で、定年までは18年5カ月残っていた。理事の月給は約140万円で、賞与や諸々の手当を合わせると、その年収は約2100万円とみられている。雷理事が定年まで理事職にあったとすれば、3億8600万円程度が、その懐に入る計算で、雷理事はそれを棒に振ってしまった。
(落合一郎)
不倫・不正経理計上疑惑の代償は大きかった! 雷親方が退職に追い込まれる
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