ついに、風俗店無料案内所に捜査のメスが入った。

 警視庁保安課は10月25日までに、無料風俗案内所で売春を斡旋(あっせん)していたとして、売春防止法違反(周旋目的勧誘)の疑いで、案内所経営者で広告代理店役員の男(48=東京都台東区元浅草)と案内所の従業員ら計8人を逮捕した。

また、同法違反(周旋)の疑いで、デリバリーヘルス店経営者ら4人を逮捕し、逮捕者は実に12人にも及んだ。

 同課によると、風俗店無料案内所を使った売春あっせん行為に、売春防止法を適用するのは全国で初めてのこと。経営者の男は「案内所で売春をあっせんするシステムは自分が考案した」などと供述し、容疑を認めている。

 逮捕容疑は今年8~9月、東京都台東区根岸の風俗店無料案内所で、訪れた客に対して、売春の勧誘やあっせんをした疑い。風俗店無料案内所があったのは、性風俗のメッカといえるJR山手線・鶯谷駅周辺。同課によると、同駅付近に風俗店無料案内所は7カ所存在し、そのうちの5カ所が、この男の経営で、自身が経営する会社の従業員を送り込んでいた。


 また、男は風俗店無料案内所の他に、派遣型売春クラブ「艶姫(つやひめ)」を自ら経営。案内所に訪れた客に、「『艶姫』は最後までいけますよ」などと言って、自分の店に客を集めて、女性従業員に売春させていた。男は案内所と売春クラブを合わせると、1年間で約2億円を売り上げていたとみられている。
(蔵元英二)