目覚しく進化するインディー界の若手たち。第三回『夢闘派宣言』にその片鱗を見た!(1)

目覚しく進化するインディー界の若手たち。第三回『夢闘派宣言』にその片鱗を見た!(1)

 昨今忘れ去られてしまっているかのような技術、それはプロレスのリングを使わないもの。
 踏み出す力、力強くマットを蹴り上げる跳躍力、叩きつけられてもダメージを軽減できるような筋肉、説得力のある一発の打撃。よく見て欲しい、これら全てをプロレスのリングがある状態で考えてみると…。
 ロープワークによるダッシュ、リングのスプリングによるジャンプ・受身を取る技術。そして最後の打撃に関しては、よくある「スタンド状態でエルボーやチョップのラリーがある場面」。違う競技においてもそれらは重要なのだが、ことプロレスラーはそれらを全て兼ね揃えていなくてはならない。本当に「超人」の部類に入る人間達なのだ。
 夢闘派宣言ではプロレスのリングを使わない。試されるのは総合的な技術力。日々の練習で鍛え上げられたものをそのまま見せるだけ、それがいかに困難な状態になっているかということをこの闘技場は示している。

 9月20日、大袋・ケルベロス道場で行われた夢闘派宣言。回を重ねること3度目となったメインイベントに登場した二人のプロレスラーがそれを見せてくれた。FREEDOMSで活躍するマスクマン、神威と夢名塾プロレスリングの長屋亮治。特に神威にとっては命取りになりえない「ロープもコーナーもない闘技場での闘い」。しかし神威はそのハンデを全く意識させることなく長屋と真っ向から勝負したのである。

 バックを取って持ち上げ、マットに叩き付けグラウンドに持ち込む。スプリングの効果がない闘技場では、そんな一発でも衝撃が体に直接伝わる。「ドスン」という音がそれを物語っている。何の気ないフライングメイヤーや、スライディングレッグシザースで倒された時もそうだ。神威はそんな中、長屋の足にレッグドロップを放つ。これも強烈に長屋の足にダメージが蓄積されてしまう。レッグロックを切り返した長屋はインディアン・デスロックの体勢。下から神威がチョップを出すと長屋も応戦。結局デスロックを解いて長屋は神威の上半身に照準を絞るが、逆にそれを読まれてしまいアームロックとスリーパーの複合技で長屋を絞り上げた。この状態で第1ラウンド終了のゴング。

 インターバルの最中、師匠である渡辺宏志に「覇気がない」と一喝された長屋。2ラウンドに入るとその言葉が功を奏したのか、積極的に神威に攻撃を仕掛けていく。フルネルソンから逆十字固めを繰り出すと神威はロープにエスケープ。お返しの逆片エビ固めの体勢に入る神威、長屋の背中に強烈なキックを何発も叩き込んでいきステップオーバーする。続いて神威はジャンピング・エルボードロップを連発。立ち上がってきた長屋と胸板へのチョップのラリーを展開する。ここで2ラウンド終了のゴング。何故か長屋はゴングが鳴った瞬間振りおろした手を引いた。この場面、やはりゴングが鳴ろうともチョップは入れなければならない。長屋が躊躇してしまった部分が垣間見えてしまった。

 3ラウンド、躊躇する長屋に神威が牙を剥く。仰向けになった長屋の上に乗り、張り手を連打。そこから間髪入れずに三角絞めに入る。長屋も神威の攻撃に吹っ切れたのか、三角絞めを持ち上げて脱出。正面からのストンピングを叩き込み、胸板にチョップを連打する。エルボーの打ち合い、一瞬よろめいた長屋に対し神威は距離を取る。ダッシュして叩き込んだランニング・エルボーパッドは見るものに衝撃を与えるほどの一撃! 大の字になって倒れる長屋に対してダウンカウントが数えられる程。立ち上がる長屋にもう一発エルボー、トラースキックの後その場飛びのムーンサルト・プレス。3カウントフォールが奪えないと見るやすぐにチキンウイング・アームロックへ移行。エスケープされると情け無用のドリルアホール・パイルドライバーを敢行した神威。ここで第3ラウンド終了のゴング。

 首へのダメージが残る長屋、4ラウンドに入ってもダメージは癒えない。ゴングと同時にダッシュした両者、カウンターで決まった神威のラリアット! 肩車で担ぎ上げた神威、後方に着地する長屋。そのままカウンターで腕を振り下ろした長屋だったが、逆に神威はアッパー気味に張り手を一発。距離を取りダッシュしてきた神威に対し、長屋はジャンプ一番、ニールキックを叩き込んだ! 大きく吹っ飛ぶ神威、立ち上がった所に長屋は初公開となるスクリューキックを炸裂させた! 倒れる神威にチキンウイング・アームロック。もがき苦しむ神威だったが何とかエスケープ。立ち上がった神威は逆襲のラリアットを狙ったが、長屋はダッキングでかわして再度ダッシュ。これまた初公開となるレフトハンド・ラリアットを豪快に叩き込んだ。カウント2で跳ね返されると長屋はヘッドロックへ。これをバックドロップで返した神威はもう一発ダッシュしてランニング・エルボーパッド。とどめを刺そうと逆片エビ固めを闘技場の中央で極めたが、長屋は何とかエスケープ。神威は追い討ちをかけるようにバックに回り、持ち上げて前方に叩き付けるボム。続けてブレーンバスターを狙うが長屋は首固めで丸め込む。続けてスクールボーイ、逆さ押さえ込みでフォールを狙うが、逆さ押さえ込みを後方回転で回避した神威は長屋の顔面にドロップキック一閃! 立ち上がってくる長屋に対し、バック宙で後頭部を直撃するオーバーヘッド・キックを叩き込み、ガッチリと片エビ固めで押さえ込んで3カウントを奪った。

 大の字に倒れていた長屋だったが、神威の呼びかけで立ち上がる。「よく頑張りましたよね?」と館内に問う神威、長屋の奮闘ぶりを称えるかのように拍手が起こる。肩を貸す後輩・堀口祐介と共に戻ろうとした長屋だったが、師匠・渡辺の「長屋! 一人で戻れ!」の喝。最後はダメージを負いながらも一人で控室に戻った長屋だった。

 普通のプロレスのリングで行われた両者の一戦だったら、あまり伝わらないかもしれない。だが、この闘いはマットが一枚下に敷いてある程度の、地面に近い闘技場で行われたのである。叩きつけられただけでも通常の数倍のダメージが蓄積されるこの空間。そんな中これだけの攻防があったのである。
 改めて感じさせられたのは、神威という男の懐の広さ。自分のスタイルとはかけ離れた形で闘わなければならない状況で、観客も十分納得させられる程のファイトを行い勝利したのだ。空中殺法やハードコアマッチで名を馳せる神威だが、しっかりと両足を地に着けた闘いがあってこそ現在の彼なのだ。
 長屋亮治はこの試合で、前回の竹嶋健史戦により課せられた師匠・渡辺宏志からの課題をクリアーする事ができたのだろうか。間近で見ていた観客、そして当日参戦したレスラーの全てが答えを知っているだろう。一歩一歩階段を登り、その名前を広く轟かせてもらいたいものであると感じた。

(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))

◆夢名塾プロレスリング 第三回『夢闘派宣言(ぶとうはせんげん)』
2010年9月20日(月・祝)
埼玉・大袋『ケルベロス道場』(観客30人)

<メインイベント シングルマッチ 5分5ラウンド制>
○神威【FREEDOMS】(4R 3分29秒 片エビ固め)●長屋亮治【夢名塾】 ※オーバーヘッド・キック

<第3試合 シングルマッチ 5分4ラウンド制>
○矢野啓太【格闘探偵団バトラーツ】(3R 2分54秒 ゆりかもめ)●山田太郎【666】

<第2試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>
△レオナルド高津【ガッツワールド】(時間切れ引き分け)△JOM【ピンクタイガーモンスター軍】

<第1試合 シングルマッチ 5分3ラウンド制>
○渡辺宏志【夢名塾】(2R 2分50秒 チキンウイング・アームロック)●堀口祐介【夢名塾】

※夢名塾プロレスリング次回大会は11月27日(土)18:30より西調布格闘技アリーナにて開催。

詳細は夢名塾プロレスリング公式サイト http://mumeijuku.dousetsu.com/ にて随時発表。
お問い合わせは夢名塾プロレスリング mumeijuku-pw@ezweb.ne.jp まで。

【特別情報】
 次回夢名塾11月大会のチケットを、「各会場の夢名塾売店で購入した」方に限り、特別にこの第三回夢闘派宣言のDVDが進呈される。売店は10月から始まる予定なので、この機会に是非お求めを!!

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