故障も影響する? プロ野球チームの育成事情

 そのケガ(故障)は、「戦力ダウン」のひと言では済まされないだろう。
 去る4月27日のイースタン・リーグ戦対巨人、2回表にハプニングが起きた。遊撃の守備に着いていた日本ハムのドラフト1位ルーキー・渡辺諒(19)がベンチに引き下がった。1回裏の攻撃で二盗を決めた際、右足の踵付近を痛めたのだ。いったんは守備に入っての途中交代だったため、スタンドのファンもざわついた。
 全治1カ月半、右踵腓靱帯(しょうひじんたい)の断裂−−。

 同30日、精密検査を経て、球団が怪我の状況を発表した。約2週間、ギプスで患部を固定すると言うのだから、その後のリハビリ期間も加味すれば、グラウンドに帰ってくるのは8月中旬だろう。渡辺は高卒ルーキーながら、『1番・遊撃』で固定起用されてきた。“英才教育”であり、イースタン開幕から故障までの全28試合に出場し、打率2割9分2厘、3本塁打をマークしている。
 「早期一軍デビューも検討されていました。日本ハムはドラフト1位の入札競合で3回続けて、ハズレくじを引きました。しかし、全球団が『将来性に二重丸』を付けていた渡辺を獲得でき、他球団にも引けを取らない新人を指名できたと思います」(プロ野球解説者)
 チームにとっても大きな痛手であることは間違いない。

 「有望な高卒新人を(二軍戦で)固定して使う、英才教育は前例もあります。育成ビジョンとしても正しいと思います。でも、2月のキャンプからずっと頑張ってきたので、疲れもたまり、それが怪我に繋がったのかな…」(球界関係者)
 渡辺は東海大甲府高の出身だ。日本ハムと東海大グループの関係だが、2011年ドラフト会議で菅野智之(東海大-巨人)を強行指名した経緯が思い出される。交渉が決裂し、ドラフト浪人を経て、巨人入りの夢を叶えたが、プロ野球12球団には「欲しい」と思った選手を指名する権利があり、指名された側にも辞退する自由が許されている。菅野でモメた翌年もメジャー志望の強かった大谷翔平を指名し、説得に成功したように日本ハムのドラフト戦略には確固たる信念がある。
 こうした日本ハムの姿勢を支持するファンも多いが、今も「希望球団以外には入団しない」というドラフト候補はゼロではない。ここに教え子を送り出す側のアマチュア野球関係者の考えが絡んでくるわけだが、一般論として、「教え子への愛情」で強行に指名してきた球団を否定的に見てしまう…。

 「渡辺はスピード、守備範囲の広さに定評がありました。足を怪我したとなると、復帰後のプレーにも影響が出ないだろうか」
 そんなふうに渡辺の今後を“心配”する声も各方面から出ている。その心配が日本ハムの選手育成に関する疑念に直結するわけではないが、興味深い話も聞かれた。
 「阪神球団は一昨年のドラフトで社会人ナンバー1捕手の呼び声も高かった小豆畑を指名しましたが、昨季は一軍昇格すらありませんでした。そのうえ、大学球界で名を馳せた好捕手の梅野を昨秋のドラフトで指名している。捕手を育てる気があるのかどうか…。ドラフト候補の捕手を持つアマチュア指導者は阪神の育成方針を詳しく知りたがっている」(アマチュア球界関係者)

 プロに送り出した教え子の近況を気にするのは、高校、大学、社会人全てに共通する。「故障した」「出場機会に恵まれない」となれば、なおさらだろう。
 「期待の若手が伸び悩んだとします。その球団スカウトが後輩選手を視察に訪れると、アマチュア球界の指導者は露骨にイヤそうな顔を向けてきます」(前出・同)
 若手の故障は、次年度以降のドラフト戦略にも大きな痛手を与えるようだ。

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2014年5月9日のスポーツ総合記事

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