政治批判のために新幹線転覆を引き起こす 中国の著名人の名前を騙った理由とは【未解決事件ファイル】
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 1993年6月10日、岐阜県不破郡関ケ原町の東海道新幹線上り線で、新幹線の転覆を狙った事件が発生した。何者かによってレールにワイヤーロープが何重にも巻かれ、留め金で固定されていたのだ。点検中の作業員が発見し、事故を未然に防ぐことはできたものの、現場近くのフェンスに犯行声明文が残されており、犯人は自らを「墨子」と名乗り、政治への不満を書き連ねていたという。その後も「墨子」と見られる犯行が連続したが、結局犯人を捕まえることはできなかった。

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 2つ目の事件は1993年8月28日。滋賀県彦根市の東海道新幹線下り線で、レールに鉄製のチェーンが巻かれるという内容だった。東京発新大阪行きのぞみ303号がこのチェーンをひいてしまい、一時停車するという事態に陥る。乗客に怪我はなかったものの、現場近くには「墨子」を名乗った犯行声明文が残されていたという。内容が酷似しており、筆跡も同じであったことから滋賀、岐阜の両県警は2つの事件が同一犯の可能性が高いと見て、共同捜査本部を設置。延べ4万人を超える捜査員を投入し、現場の遺留品や聞き込み捜査を続けたが、犯人を特定することはできなかった。

 捜査が難航した原因としては、犯行に使われたチェーンが大量生産品だったため、購入経路が割り出せなかったことが上げられている。また、犯行動機に関しても政治への不満というだけで、特定人物を絞り込めるような情報が得られなかったのも大きいという。