FBIによる捜査は、事件発生から45年の2016年まで続けられた。乗客や客室乗務員は犯人の顔を確認しており、証言から精巧な似顔絵が制作されたものの、結局犯人の行方はおろか、名前の特定すら至らなかった。1980年2月には、ワシントン州郊外のコロンビア川で身代金に使われた紙幣の一部5800ドルが発見された。しかし、周辺に犯人の痕跡は見当たらず、それ以上の進展は見られなかった。
犯人の手際の良さや犯行時の紳士的態度が話題になり、一時は社会現象になったというこの事件。マスコミや市民の間では様々な仮説が提唱され、中には死んだ夫が犯人だと告白する女性も現れた。しかし、根拠は筆跡が似ているというだけで決定的な証拠はなかった。高度1万フィート以上の中、パラシュートを用いた降下は素人には相当難易度が高い。FBIは1000人を超える被疑者を扱ってきたが、事件と結び付く証拠は見つからなかった。高い降下技術を持ち、捜査の目を掻いくぐる術を持つ犯人は一体何者だったのか。