NPBではこれまでオリックス(2017-2019)、楽天(2020)でプレーし、4年間で「406試合・.269・93本・255打点・399安打」といった成績をマークしている助っ人打者のロメロ。20日、そのロメロが来季オリックスに復帰することが決定的と複数メディアが報じた。


 昨季限りでオリックスを退団し今年1月に楽天に入団したロメロは、今季「103試合・.272・24本・63打点・97安打」といった数字を残すも12月2日に楽天を自由契約に。報道によるとオリックスは自由契約後、本格的にロメロの獲得調査を進め、20日までに大筋合意に至ったという。

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 2017~19年にかけ69本塁打を記録した助っ人の復帰報道を受け、ネット上には「今季はなかなかいい数字だったし素晴らしい補強になるのでは」、「前回の所属時は故障ばかりしてたから仮に復帰しても信用できない」といった反応が多数寄せられている。一方、一部では「オリックスって今回のロメロみたいな出戻り復帰多くない?」、「ロメロ含めたらここ10年で3、4回目くらいじゃないか?」といったコメントも見られた。

 球界では退団後の助っ人が年数を経て、再びその球団に復帰するケースはそれほど多くはない。ただ、オリックスに関しては今回のロメロを除いても、ここ10年で3回元助っ人が出戻り復帰を果たしている。


 2010年シーズン途中の7月にBCリーグ・群馬からオリックスに入団したカラバイヨは、同年途中から2011年にかけ「40試合・.242・7本・18打点・30安打」と振るわず同年限りで戦力外に。翌年からは米独立リーグ(2012)、BC・群馬(2013-2014)でプレーを続けていたが、2014年にBCリーグで三冠王に輝いた打棒にオリックスが再注目。翌2015年2月の春季キャンプで入団テストを受けた上で同月16日に3年ぶりの復帰を果たした。

 ただ、2015年シーズンのカラバイヨは5月までは11本塁打をマークしたが、6月以降はわずか1本塁打しか打てず最終成績は「64試合・12本・35打点・56安打」と今一つの数字に。結局、同年限りで再びオリックスを退団する結果となっている。

 2009年1月に楽天から移籍してきたフェルナンデスは、同年9月の試合中に相手打者の打球を顔面に受け左頬骨を骨折した影響もあり「117試合・.261・15本・47打点」と数字を残せず1年限りで退団。
その後はメキシカンリーグ(2010,2013)、西武(2010-2011)、楽天(2012)と国内外の球団を渡り歩き、2013年シーズン途中の7月にオリックスに4年ぶりの復帰を果たした。だが、復帰後は「25試合・.188・1本・4打点・15安打」とほとんど数字を残せず同年限りで自由契約となっている。

 チームが前身のブルーウェーブ時代だった2002年に初来日し入団したセギノールは、「89試合・.204・23本・47打点・57安打」と打撃の確実性を欠いたため1年で退団。その後ヤンキース(2003)、日本ハム(2004-2007)、楽天(2008-2009)、米独立リーグ(2010)でプレーを続けた後、2010年シーズン途中の6月に実に8年ぶりに古巣へ復帰した。

 44本塁打をマークし本塁打王に輝いた2004年から2009年まで、6年連続で2ケタ本塁打をクリアしていた。しかし、オリックスでは「11試合・.189・0本・3打点・7安打」と1本も本塁打を打てず、またしても1年限りでチームを去る結果となっている。


 直近の3名はいずれも失敗に終わっているオリックス助っ人の出戻り復帰だが、この3名はいずれも復帰直前はNPB以外の球団でプレーしていたため復帰後、適応に苦しんだという見方ができる。だが、ロメロはNPB他球団からの移籍で今季もある程度数字は残しているため、3名のような末路をたどるリスクは低いだろう。

 また、直近の3名が全員3シーズン以上のブランクを経て復帰しているのに対し、ロメロは1シーズンでのスピード復帰となる。最後にオリックスでプレーした2019年当時の同僚もまだ多くチームに在籍しているため、プレー面以外での適応にも障壁はなさそうだ。

 今季のオリックスはチーム打率(.247)、本塁打数(90本)がリーグ4位、得点数(442得点)がリーグ最下位と攻撃力に大きな課題があることが浮き彫りとなっている。出戻り復帰を果たし来季に臨むロメロは果たしてチームの救世主になることができるだろうか。


文 / 柴田雅人