ベイスターズドラフト2位指名の牧秀悟(中央大)がオープン戦で猛アピールを続けている。安打を放った相手は、山本由伸(オリックス)、上沢直之(日本ハム)らのエース級から、14日にはあの田中将大(楽天)からマルチヒットと大物撃ちを果たし、目下.381と高打率をマーク。
新人合同自主トレの際から「新人ですけど開幕スタメンを」とハッキリと言い切っていた目標にかなり近づいた印象だ。

 過去ベイスターズのルーキーの開幕スタメンは、2016年、ドラ3・柴田竜拓(國學院大)が直近。敵地広島で7番セカンドでスタメンに名を連ねると、プロ初打席でクリス・ジョンソンからセンターへ決勝タイムリーと、新任のラミレス監督に初勝利を届ける大活躍を見せた。2015年はドラ3・社会人出身の倉本寿彦(日本製薬)が7番ショートでスタメン出場し、2打席目の5回にジャイアンツのエース・菅野智之からヒットを放った。その前となると2009年、1番センターにドラ1の松本啓二朗(早稲田大)、8番サードでドラ3の山崎憲晴(横浜商科大)と球団では50年振りとなる、2人の大卒ルーキーが抜擢。山崎は猛打賞と大活躍を見せ、新時代到来への期待が高まったオープニングゲームだった。


 仮入団の際は「自分のセールスポイントはバッティングです。率を残すところと、チャンスでのバッティングが持ち味だと思っています。将来的には右打者で日本を代表する打者になりたいです」との目標を口にし、その為に常々「一発でボールを仕留める」ことを念頭に置きながら、フォアボールを選ぶ選球眼も兼ね備える。「三振することが嫌い」と公言し、ファールで粘る姿勢も三浦監督のめざす野球にはフィットしている。実際、「送りバント、進塁打、フォアボールも取れる。“おっ”と感じさせるものは持っている」と指揮官からの評価は高く、外国人選手が開幕に間に合わない今シーズン、ファーストかセカンドでのスタメンが濃厚だ。
ここまで順風満帆に来ている牧秀悟。過去のスタメンルーキーの先輩たちを越える活躍を、26日東京ドームの開幕・巨人戦で見せてくれることを期待したい。

取材・文 ・ 写真/  萩原孝弘