夏の参議院議員選挙に向けて、各党がタレント候補を擁立している。自民党が元おニャン子クラブメンバーの生稲晃子氏を公認し東京選挙区で擁立、立憲民主党はタレントの高見知佳氏を愛媛選挙区で推薦、日本維新の会は元陸上選手でタレント、熊本県議会議員を務めていた松野明美氏を熊本選挙区で公認する。


 参院選は比例代表で個人名、政党名双方で投票が可能な非拘束名簿式を採用している。そのため知名度のあるタレント候補が擁立される傾向がある。ただ、タレント候補は諸刃の剣であり、時に批判を集めてしまうことも。実際、落選してしまった候補もいる。

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 元モーニング娘。の市井紗耶香は2019年の参院選に、立憲民主党の公認を受け比例区で出馬。
5万415票を獲得したが次点で落選している。選挙特番では池上彰氏との直接対決は見られず、池上氏は「どれだけ勉強してるか聞きたかった」と振り返っている。その後、政治活動の継続を続けるも、タレント活動再開を報告し物議を醸した。さらにわずか3カ月弱で、芸能事務所が業務提携契約解除を発表するなど、慌ただしい動きを見せた。2022年の選挙への出馬も表明していたが、1月に立候補辞退を表明。政治活動への熱意や意欲に関しては疑問が残るところがあり、それも落選理由の一つとなってしまったかもしれない。


 タレントでエッセイストの岡部まりは2010年の参院選に民主党公認で大阪選挙区から出馬するもこちらも次点で落選している。この立候補表明は急なものであり、レギュラー出演していた『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送系)も突然の降板となった。当時党の幹事長を務めていた小沢一郎氏が、大阪での岡部の知名度に目をつけたようだ。ただ、きちんと番組を卒業しないままの立候補で、有権者に戸惑いを与えてしまったのも確かだろう。

 タレントの知名度が得票につながらなかったケースとしては2021年の衆院選に立候補した元タレント・森下千里氏の例がある。森下氏は小選挙区の宮城5区に立候補した。
この選挙区は立憲民主党の有名議員・安住淳氏の地元であり、森下氏は“刺客”として送り込まれた。

 もともと2019年末で所属事務所とのマネジメント契約を解除しており、芸能界から引退しての出馬だった。東日本大震災を受けてのボランティア活動なども熱心に行っていたが、彼女は愛知県名古屋市出身であり、地元の人間ではない落下傘候補として批判的に捉えられてしまった面は否めない。現在は、宮城県石巻市に在住し、政治活動は継続しているため、今後の活躍に期待したいところだ。

 選挙においてタレントの知名度は一つの武器だが、それだけで当選できるわけではない。やはり選挙は厳しいものなのだろう。