今は芸能人のちょっとした発言や振る舞いが、ネットで炎上してしまう時代だ。だが、かつては視聴者が意見を発信する手段が少なく、特にラジオ番組はテレビに比べて目立ちにくいため、今なら大炎上となりかねないハプニングが多く存在した。


 ベテランラジオパーソナリティーの浜村淳は、11月22日放送の『ありがとう浜村淳です』(MBSラジオ)内で、先日訃報が報じられた女優の松原千明さんの死因を巡り、17日放送で違法薬物の影響を疑う誤った情報を伝えたことに謝罪をした。このほかにも、浜村には今なら炎上必至の名物芸がある。それが映画紹介だ。

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 映画評論家としての顔も持つ浜村は、自身のラジオ番組内で映画を紹介するコーナーを持っている。ただ、その内容が変わっており、映画の内容をほぼ全編に渡って話すのが浜村のスタイルだ。現在ならば「ネタバレ」となり、場合によっては炎上を招いてしまいそうだ。


 このやり方に関しては、当時からリスナーからの抗議も来ていたのかもしれない。だが、浜村は「面白い映画は結末を知っていても楽しめる」信条も持っていた。また、同番組は1974年4月スタートのため、現在のように映画がネット配信で気軽に何でも観られる時代ではない。レンタルビデオもそれほど普及しなかった。作品を観ようとすれば映画館に足を運ぶしかなかった。

 さらに、地方では映画館の上映プログラムが充実しているわけではない。
浜村の映画紹介は作品を見られないリスナーのために、映画そのものを紹介する目的もあったと言えるだろう。中には「最後(結末)まで喋って欲しい」という逆の苦言が寄せられたこともあるという。

 浜村の映画紹介は、よくある宣伝、告知の類ではなく、映画を題材とした「語り芸」として成立したものだ。特に独特の擬音を駆使した紹介には定評がある。浜村自身「つまらない映画は取り上げない」とも述べている通り、映画愛ゆえの為せる技と言える。ただ、「ネタバレ」が極端に嫌われる現在と浜村の映画紹介芸の相性は悪そうだ。