昨年11月、日本代表「侍ジャパン」の国際試合として行われた、オーストラリア代表との2連戦。初めて日の丸を背負うこととなった巨人・戸郷翔征は初戦、リリーフでマウンドに登った。
先発、DeNA・今永昇太の後を受け、4回を無失点、7個の奪三振を記録した。

 栗山英樹監督の初陣となったこの対外試合では、計13投手が招集されており、多くの投手が代表戦のマウンドに立つものと思われていた。その中で、2番手投手となった戸郷は4イニングを担当、試合を締め括った広島・森浦大輔を含め、わずか3人の登板で栗山体制後での国際試合初白星を挙げることとなった。

 この異例とも言える投球内容を見ても、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本大会を見据えての起用であることは明らか。1月26日に発表された代表正式メンバーにも名を連ねた戸郷は、先発投手の後ろ、いわゆる「第2先発」を任されることは間違いない。

 国際試合では重要視される変則フォームが特徴であるとともに、スタミナも備えている。
昨季、ペナントレースでは最多奪三振の初タイトルにも輝き、さらに白星、イニング数は何れもリーグ2位と、球界屈指の右腕として成長を遂げている。国際舞台でも、リリーフはもちろん、スターターとしての実力も持ち合わせていることは言うまでもない。

 今回、初の大舞台となるWBCでは、先発陣にメジャーリーガーのダルビッシュ有、大谷翔平に加え、NPBが誇る大エース、山本由伸といった錚々たる顔触れが並んでおり、救援として試合を作る役割が求められる。ラウンド毎に球数制限の内容も変わってくるだけに、戸郷ら、2番手以降の投手がいかに良いコンディションで待機できるかも大きなポイントだ。

 現在、行われている代表チームの宮崎キャンプでは、ダルビッシュから変化球のレクチャーを受ける場面も見られ、また、練習以外でも投手陣のチームワークの盛り上げにも、一役買っていることが報じられている。今回の代表メンバー入りは戸郷にとっても貴重な経験となっているはずだ。
そして、大物投手からの刺激を受け、さらに未知の戦いに挑むことで、22歳はさらに大化けする可能性も秘めている。

 WBCで背負う背番号は12。所属チームとは異なるものの、その数字がどれだけマウンド上で見られるかが、日本が三度目の世界一を近づける大きなポイントとなるのではないだろうか。(佐藤文孝)