12日に行われた大相撲3月場所初日。十両・逸ノ城対十両・栃ノ心の取組内容が物議を醸している。


 幕内優勝経験者同士(逸ノ城は2022年7月、栃ノ心は2018年1月場所で優勝)の対戦として注目されていた同戦。逸ノ城のつっかけにより仕切り直しとなって迎えた立ち合い、ぶつかりながら左上手を引いた逸ノ城は、右も差し十分な体勢で前に出る。栃ノ心はほとんど抵抗できないまま土俵外に寄り切られ、取組時間わずか3秒ほどで逸ノ城が勝利する結果になった。

 逸ノ城は2020年11月、2021年8月にそれぞれ新型コロナ対策の協会ガイドラインに違反し外出・飲食したとして、先場所は1場所出場停止処分により全休。また、今場所前の3月7日にはヘルニア除去手術を2月中旬に受けた影響で約1か月相撲を取る稽古ができていないと伝えられるなど、相撲勘やコンディションが不安視されていた。

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 その逸ノ城の勝利を受け、ネット上には「休場、手術明けとは思えないほどの完勝だ」などと驚く声が寄せられた。
ただ、それ以上に「今の逸ノ城に瞬殺されるなんて栃ノ心大丈夫か?」、「成すすべなく押されるだけって覇気がなさすぎないか」、「先場所も故障してたし相当体ボロボロなのでは」といった、栃ノ心の状態を心配するコメントが見られた。

 「栃ノ心はこれまで右膝、右足親指、左肩腱板など複数箇所を故障しており、先場所も左肩脱臼で途中休場をしいられている35歳のベテラン。先場所まで4場所連続で負け越しが続いており、今場所では2014年9月場所以来の十両に転落しています。今場所前の報道では現在のコンディションについての情報は特に伝えられていませんでしたが、状態が不安視されていた逸ノ城にほぼ何もできずに負けたことを考慮すると決していいとはいえないのでは」(相撲ライター)

 取組後の報道では故障・休場情報は伝えられずに2日目も出場したが、湘南乃海に敗れ連敗を喫した栃ノ心。今場所は幕内復帰へ向け勝ち越しが求められる場所だが、ここから巻き返しを見せることはできるのだろうか。

文 / 柴田雅人