世界の頂点に立った侍戦士が、ペナントレースでも存在感を見せている。

 4月5日、北海道日本ハムファイターズの伊藤大海が、千葉ロッテ戦の先発マウンドに登った。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場した右腕は、シーズン最初の登板となったこの日、94球を投げ5回3安打無失点で4奪三振を記録。スターターとして確実にゲームを作った。

 WBCでは初戦の中国戦、準々決勝イタリア戦、そしてアメリカを下した決勝と、三度、登板している。中国戦ではゲームを締めくくる役割を担い、イタリア戦でも先発の大谷翔平の後を受けて回の途中から登板、決勝でも6回にマウンドに送られ、ターナー、リアルミュート、マリンズの3人を完璧に抑えている。

 特に、イタリア戦では大谷が打ち込まれ、2失点を喫した5回2死からの登場となり、ランナーが残っていた場面だったものの、相手打者を内野フライに斬って獲り、見事な「火消し」でピンチを切り抜けた。

 結局、伊藤は今回のWBCで、三度とも安打や四死球での出塁を許していない。
一昨年の東京五輪でも物怖じしない堂々たるマウンド姿を見せ、金メダル獲得に貢献しており、シチュエーションに関係なく自身の能力を存分に発揮するという、伊藤の真骨頂が大舞台で再び発揮されることとなった。

 チーム復帰後は3月28日、イースタンリーグのDeNA戦で先発登板しており、4回を投げて1安打無失点。このゲームは、NPB公式球での半年ぶりの実戦登板だった中、不安を感じさせない投球を披露し、レギュラーシーズンでの初マウンドに繋げている。

 今季初先発となった5日のゲーム、チームは伊藤が降板後も接戦を演じるも、1点リードの終盤にロッテが逆転、1対2で敗れている。連敗が3に伸びるという悔しい結果となったが指揮官、新庄剛志監督からは「勝たせてあげたかった」と好投した伊藤を称えるコメントも伝えられている。

 今季プロ3年目を迎え、過去2シーズンは何れも2桁勝利を挙げてきている。
上位への浮上を見据える日本ハムにおいて、背番号17が先発陣の中心的存在であることは明らかであり、2023年は伊藤が新たな「エース」と位置付けられるシーズンとなるはずだ。そしてもちろん、3年後に「日の丸」を背負う姿も、多くのファンはすでにイメージしている。(佐藤文孝)