日大アメフト部の寮で、大麻と覚せい剤が見つかり学生の1人が逮捕されました。

この件に対する記者会見で大学側は「我々は捜査機関ではないので、まず教育機関として教育的配慮が必要」と、違法薬物所持のことを12日間も警察に報告しなかった理由としました。


「学校は捜査機関ではなく教育機関」これは当たり前のことなのですが、この名目で小中高大学といった教育機関で、犯罪が隠蔽されているのが日本の現実です。

たとえばクラスでいじめが起こります。暴力が起こっても、いじめられっ子がお金を脅し取られそれが担任や校長の知ることになっても「学校は捜査機関ではなく教育機関」なわけですから、警察には連絡せず学校内で「なかったこと」にされてしまいます。どうやらこれが「教育的配慮」らしいのです。

筆者が取材して一番ひどかったのは、学校内で輪姦事件が起こりました。被害生徒の親は当然、警察に訴えようとしますが、学校側がストップをかけました。
学校側がいうには「このことが公けになると、お嬢さんの将来に傷がつきます。お嫁にも行けなくなりますよ。ここはひとつ穏便に」

と、なかったことにしようとしたのです。

このとき親御さんは学校側に説得され、訴えることをやめましたが、被害者であるお嬢さんは不登校になりました。

学校としてはこの「教育的配慮」で良かったのかもしれません。でもこれでいいのでしょうか?

同じことが日大アメフト部でも起こったように思います。
「日大アメフト部の寮で違法薬物が使われている。調べてほしい」という9カ月も前のアメフト部員の保護者からの告発文に端を発しています。

大学側の動きは緩慢としたもので、告発はほとんど無視されたも同然、保護者としては、我が子を守りたいものですから、大学だけではなく警察にも林真理子理事長にも告発文を送り、今回のような事態になりました。

ちなみに告発文は1人の保護者からか、複数かはわかっていません。この問題が保護者会に知れ、大学側が部員たちに聞き取り調査をしたところ「複数」の上級生たちが、大麻を吸ったことを認めたといいます。

結果8月5日、警視庁は日本大学アメリカンフットボール部所属の3年生・北畠成文容疑者(21)が、覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。


学校というところは、犯罪が起こっても「なかったこと」にしようとする体質があります。いじめ自殺のような悲惨なことが起こっても、担任や校長は最初「いじめはなかった」と発表し、マスコミなどが取材し追及されると最終的に「いじめを把握していた」となる場合がほとんどです。

「学校は捜査機関ではなく教育機関」なのだとしたら、違法薬物やいじめなど犯罪が起こったら、学校は自分たちで対処するのではなく、まず警察に任せるべきなのではないでしょうか。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。

2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。