団体でもない、ユニットでもない「イベント」SECRET BASEとは一体何なのか?

団体でもない、ユニットでもない「イベント」SECRET BASEとは一体何なのか?
       

 10月24日、夕方になって雨が降り出した西調布格闘技アリーナにて、C@GIRSプレゼンツSECRET BASE PLUS4が開催された。元々は闘龍門出身の選手が集まってできたこのSECRET BASE。旗頭の清水基嗣はこう言う。
 「SECRET BASEというのは『団体』でも『ユニット』でもないんです。様々な団体で活躍する闘龍門出身の選手が集まって行われる『イベント』と言っていいでしょう」
 団体やユニットという縛りに捕らわれず、自由に集まる空間を提供するという意味なのだ。あまりにも自由奔放であると、その集合体の意味もぼやけてしまう可能性が出てきてしまうのであるが、彼らは一つの目標を元にまとまっている。その目標が見えて来たのが、当日の大会であったと言っても良いであろう。

 セミファイナル、GENTAROとSTYLE-Eの田村和宏という珍しくも強力なタッグに挑んだのは豪とCHANGO。名前だけ並べてみるとそこまで注目されないであろうこのタッグマッチなのだが、実際に見てみるとこの試合の重要度がわかってくるものである。それは「何としてでも上に上がってやろう」という気迫であった。
 特に豪の気迫は凄まじいものがあった。インディープロレス界でトップクラスに君臨するGENTAROと田村の二人、どちら相手でも勝てば自分のステータスは大幅に上がる。それを意識したのか、豪は激しくGENTAROと田村にぶつかっていく。その発火点はGENTAROであった。静かな立ち上がりを一変させたのはGENTAROの厳しい攻撃。まるで「お前たち、この俺から一本取ってみろ!」と言わんばかりの叱咤であった。
 田村に対してツープラトンの低空ドロップキックを放った豪&CHANGO。ここから反撃の狼煙が上がる。豪は田村のお株を奪うかのようなサブミッションやサッカーボールキックを放つ。カットに入ったGENTAROはCHANGOが場外に投げ落とす。しかしなかなか自分のペースを掴めない豪&CHANGO。気がつくと田村の立体殺法が飛び出して流れを変えてしまう。そしてGENTAROが重い攻撃でペースを掴んでいく。コブラツイストから延髄斬りを豪に放ったGENTARO。とどめのバックドロップを放とうとするが、後方に一回転してバックを取った豪は執拗にスリーパー。CHANGOもトップロープにGENTAROの首を叩き付けるスタンガンや、トップロープからのギロチンドロップで追い討ちをかける。ぐいぐいとスリーパーで絞め上げる豪、場外ではCHANGOが田村をカットしている。走りこんでのローキックをGENTAROの胸板に叩き込んだ豪がフォールに入るがカウントは2でキックアウトされる。ぐったりとするGENTARO、さしもの彼も執拗に絞め上げられればグロッギーにもなるだろう。
 GENTAROの窮地を救ったのはやはり田村の立体殺法。CHANGOのカットをかいくぐった田村はするするとトップロープに登って豪にミサイルキック。CHANGOにはアックスボンバーを叩き込んでいく。田村は豪とのチョップのラリーの後に後頭部へのキックを叩き込む。すかさずジャックナイフ式エビ固めで丸め込むGENTARO、カウントは2。豪は反撃の膝蹴りからチョップ、ロープに飛んでラリアットを叩き込むが、GENTAROの高くてぶ厚い壁は崩せない。最後はGENTAROが「ここぞという時に使う技」であるバックドロップ・ホールドを豪に決めてカウント3を奪った。
 試合が終わっても、なおGENTAROに突っかかっていく豪とCHANGO。うるさいとばかりにGENTAROは豪を投げっ放しジャーマンで放り投げる。しかし、確実にGENTAROの視界に豪・CHANGOという名前は刻み込まれた。激しい試合の中で豪・CHANGOが見せた「何としてでも」の気持ちが十分に伝わってきた。

 メインイベントではGENTAROからタッグながらピンフォールを奪っている小川内潤が登場。STYLE-Eの竹田誠志、神出鬼没のマスクマン黒シャチを率いる。対するは清水基嗣&大柳錦也&ヤマダマンポンド。清水とヤマダは以前よくタッグを組んでいたのだが、方向性の違いから最近組む機会が少なくなっている。逆に清水&小川内組が頻繁に見られるようになっている現在、久し振りの清水vs.小川内が実現した。
 ただ、悔しい事はこの6人タッグマッチの中で一番格上なのが清水と小川内である点。大柳もみちのくプロレスでステータスを上げているが、この中ではバイプレーヤー的な存在となってしまう。黒シャチと組む事により、ヒールテイストが強くなるかと思われた小川内だったが、その黒シャチもどちらかと言えばクリーンなファイトに徹していた。いわゆる「同門対決」的な要素が詰まっていた感じがしてならないのだ。
 だが、そこがSECRET BASEが「イベント」と称されている所以であろう。特に当日は通常のSECRET BASE大会に比べてお祭り的な要素が強い「SECRET BASE PLUS」。自分たちが培ってきたものをメインで見せる、これが今大会のコンセプトではないだろうか。そういった見方をすると大変バラエティーに富んでいた試合と思える。
 光っていたのは竹田誠志。場外戦で傘を使った攻撃を見せた場面では「傘は『さす』ものだろう」というトンチを効かせてみたり、ヤマダの得意とする標識攻撃を仕掛けようとしたりしていた。勿論得意とするロッキンボ、エクスプロイダー、ツープラトンの攻撃を逆に二人まとめて水車落としで投げ飛ばす等、存在感は非常に高かった。
 名タッグと言われていた清水&ヤマダも連携で小川内を追い込んだが、復帰して丁度一年が経過する小川内の今の勢いを止めるには少々足りなかったと見える。ヤマダも小川内の必殺技である鬼風車をカウント2で跳ね返す気迫を見せたが、最後は小川内の新技である「雷迎」(相手を肩車した状態から前方に脳天から落とす荒技)を食らいカウント3を奪われてしまった。久し振りに清水と対戦できて「楽しかった」と告げた小川内。この試合はやはり「お披露目」的な試合であったと言えよう。

 お祭り気分を更に強くしたのはお笑い芸人「梅猿」の梅田あくせるとガッツワールド山本SANによる異種格闘技戦。梅田はお笑い芸人でありながら元プロボクサーという経歴を持ち、時折この「SECRET BASE PLUS」で試合を行っている。さすがに試合経験の少なさからか、山本のスリーパーホールドに敗れているのだが、来場していた観客の中にも梅田のファンは多いらしく、大きな声援を浴びていた。

 そうなのだ。確かに上を目指していこうという心意気のある試合が続くのは素晴らしい。しかし、そのテイストを残しながらお祭り的要素の強い試合も織り込んでいけば、観客の楽しみは増えるのではないだろうか。SECRET BASEというイベントには、様々な形で「プロレスで楽しませよう」という意気込みが見える。厳しくなっている現在の在京インディープロレス界。たまには肩の力を抜いて、思いっきり楽しんでみるのもまた一興ではないだろうか。
 あとは出場する闘龍門出身者がいかにセルフプロデュースできるか、であろう。全員がフリーという立場故、様々な団体の大会に出場している。そこでの結果如何によっては、このイベントが大化けする可能性も秘めているのだ。
(Office S.A.D. 征木大智(まさき・だいち))

◆『C@GIRLS事務局プレゼンツ SECRET BASE PLUS4』
2010年10月24日(日)
会場:東京・調布『西調布格闘技アリーナ』

<メインイベント 6人タッグマッチ 60分1本勝負>
○小川内潤&竹田誠志【STYLE-E】&黒シャチ(18分55秒 片エビ固め)清水基嗣&大柳錦也&●ヤマダマンポンド ※雷迎

<セミファイナル ハードコアタッグマッチ 30分1本勝負>
○GENTARO【FREEDOMS】&田村和宏【STYLE-E】(19分22秒 バックドロップ・ホールド)●豪&CHANGO

<第3試合 株式会社イー・キューブスポンサードマッチ 異種格闘技戦 10分1本勝負>
○山本SAN【ガッツワールド】(3分27秒 チョークスリーパー)●梅田あくせる
※UWFルールを含む特別ルール

<第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
○スパーク青木(7分27秒 オクラホマロール)●竹嶋健史【格闘探偵団バトラーツ】

<第1試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
○ガッツ石島【ガッツワールド】&宇宙銀河戦士アンドロス(8分28秒 エビ固め)フェリスト&●ブルー・バイセクル
※デーモンボム

◆『SECRET BASE vol.14』
2010年11月29日(月)開場:19:00/開始:19:30
会場:埼玉・蕨『イサミレッスル武闘館』
【チケット料金】全席自由2500円(当日500円増し)
【参戦予定選手】清水基嗣、ベアー福田、小川内潤、CHANGO、ヤマダマンポンド、アミーゴ鈴木、フェリスト、豪、スパーク青木、他
チケット予約・お問い合わせは secretbase2009@livedoor.com まで。

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