1984年「ミス・セブンティーンコンテスト」に松本典子とともにグランプリを獲得し、翌85年4月に映画「バローギャングBC」でスクリーンデビューを果たした網浜直子。同じく4月に「竹下涙話」でレコードデビューとなり、アイドル歌手としての活動も始まった。

デビューは16歳だったのだが、ちょっとお姉さんっぽい大人の雰囲気を持っていたことから、これまでのアイドルと違ったタイプだったこともあり、注目度も高かった。

 そんな網浜がインパクトを与えたのが、初出演となったドラマ『夏・体験物語』ではなかろうか。このドラマでは、すでに人気になっていた中山美穂との共演で話題になった。個人的には、少女隊が出演していて、さらに挿入歌が少女隊の「Bye-Byeガール」だったこともあって、当時は必死にこのドラマを見ていた。

 自分の中ではかなり好きなドラマだったこともあって、撮影スタジオに出向くこともあった。ドラマの収録は歌番組などと違って、入り時間も出の時間もわからないので、ヤマを張って行くしかなかった。
しかも誰がいるのかわからない状態なので、出待ちはギャンブルそのもので、かなり厳しかった記憶がある。こんなギャンブルに挑んだ私は、2時間くらい待ったところで「夏・体験物語」の出演者でもある塩沢ときに遭遇。ここで塩沢さんと出会うのは想定外だったが、何故か「会えて嬉しいです。応援していますよ」とかその場の勢いで言ってしまった。

 塩沢さんが帰った後、そんなに時間が経たないうちに、中山と網浜が2人でスタジオから出てきたのだ。まさかの状況に気が動転してしまったが、慌ててカメラを取り出し写真を撮らせてもらった。
これまでに中山美穂は何度か会っていたので、そんな緊張もなかったのだが、網浜は正真正銘の初対面だったこともあり、かなりの緊張で近づいてみた。カメラを構えるとしっかりポーズを取ってくれて、笑顔で応えてくれた。しかも車に乗り込んだ後まで、ずっとファンサービスをしてくれる徹底ぶりで、今まで私が抱いたイメージを良い意味で覆してくれた。

 この出待ちをキッカケに網浜は私にとって気になる存在になったのだが、会える機会があまり無く、悶々とした気持ちが続いていた。アイドル歌手として84年にデビューをして、約2年で7枚のシングルレコードを発売していたのだが、新曲キャンペーンもあまり無く、さらに当時はアイドルが出演する公開収録番組がたくさんあったのだが、網浜が出演する機会があまり無かったため、会えた回数は数えるほどだった。逆に歌番組の出演などは少なかったが、ドラマや映画の出演が多かったこともあり、テレビではかなり見ていた。


 しかし、このまま会えないままは嫌だったので、どこか会える場所が無いか探していた矢先に見つけたのが、1986年11月に神宮球場で開催されたヤクルトスワローズファン感謝デーというイベント。網浜がゲストとして出演することがわかった。86年といえば、私が応援している広島カープがリーグ優勝を果たした年である。広島ファンとしては他球団のイベントに参加するのは心苦しかったけど、好きなアイドルを見るためだったら仕方ないことなので、そこは割り切って行くことにした。ちなみにこの年のヤクルトは6位であり、当時の中心選手はピッチャーが尾花高夫、高野光、荒木大輔、野手ではレオン・リー、杉浦亨という面々だった。広島カープファンではあるが、目の前で投げている荒井大輔やフルスイングのバッティングを見せてくれた杉浦亨を見て興奮してしまった。


 話しは横道に逸れてしまったが、そんな異空間で歌ってくれるのが、網浜である。紺のロングドレスで登場した網浜は、その場の空気をガラッと変えてくれた。1曲だけの披露だったが、そこには網浜ワールドが確実に広がっていた。歌唱後には、ベンチ前にいた網浜のところに急いで行き、ネット越しで会話をさせてもらい、これが本当に楽しかった。私はこの現場を最後に網浜と会うことは無くなってしまったが、私にとって最高の思い出になっている。

 98年にはモノマネタレントの三四六と結婚して、現在は2児の母となっている。
最近はタレント活動をしている様子は無いが、できるなら現在の元気な姿を当時のファンにも見せてもらいたいものだ。もし実際に会える機会ができるならば、当時を振り返った思い出話なんかもしてみたい。果たしてそんな日は来るのだろうか? いや来て欲しいです。

(ブレーメン大島=毎週土曜日に掲載)

【ブレーメン大島】
 小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。
現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしの顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48三田麻央