フィギュアスケートの記録リセット プロ野球に導入する選択肢は?

 国際スケート連盟(ISU)が今季からフィギュアスケートに新ルールを導入し、羽生結弦の記録は永遠に残されることになる――。複数メディアによって伝えられているこの一報を、目にしたという人も多いことだろう。

 2017年オータムクラシックでのSP「112.72点」、2017年世界選手権でのフリー「223.20点」、そして、2015年GPファイナルでの総得点「330.43点」と、3つの歴代世界最高得点を保持していた羽生。これら全てを永遠のものとし、今季からまた新しく記録達成の瞬間をファンに提供する新ルールの施行を、個人的には面白いものであると感じている。

 一方で、このような“得点リセット”を、他のスポーツに当てはめてみるのはどうかという思いも抱いた。そして、その対象となる競技として、真っ先に頭に浮かんだのがプロ野球だ。

 約80年の歴史を誇る球界には、現在では新記録の樹立が非常に難しい“アンタッチャブルレコード”となっているシーズン記録が複数存在する。特に、稲尾和久(元西鉄)とヴィクトル・スタルヒン(当時巨人)の「42勝」、江夏豊(当時阪神)の「401奪三振」、福本豊(元阪急)の「106盗塁」は、クイック投法・投手分業制が浸透している現代野球では、まず更新は不可能だろう。

 だが、記録リセットを敢行すれば、こうした分野でも新記録達成の瞬間を目にすることが可能となる。2013年9月15日(対阪神戦)に、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)がこれまでの記録を破る「56号」のホームランを放った時のような歓喜や興奮を、再び味わうことができるというのは悪い話では無いだろう。

 また、リセットされた従来の記録については、冒頭の羽生の得点と同じく“歴史的記録”として扱えばいい。こうすれば、先人が残した偉業を無下にすることなく、永遠に後世に伝えることができるようになる。

 1989年から続いてきた平成もいよいよ終わりの時が訪れ、来年からは新元号を迎えることになっている。なんだかキリのいいこのタイミングで、記録も心機一転というのはどうだろうか。

文 / 柴田雅人

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