プロ野球・読売巨人軍は23日、今季限りで監督辞任を表明していた高橋由伸氏の後任として、原辰徳氏が来季より監督に就任。2015年以来、監督として3度目の指揮を執る。


 原監督は、2002~03年、06~15年の計12年間にわたって巨人軍を率い、7度のリーグ優勝、3度の日本一を達成する快挙を成し遂げた“名監督”である。その“名監督”に信じがたいスキャンダルが報じられたのは2012年6月のこと。

 週刊文春(文藝春秋)の報道によると、1988年当時、原監督がまだ巨人軍の現役選手だった頃に遡る。原監督は、1986年に大学時代から交際していた一般人と結婚していた。その上で、巨人が甲子園で試合を行う際、常宿にしていたホテルでアルバイトをしていた20代の女性と不倫関係に。その後、女性は妊娠し、堕胎した経緯を日記に記していたという。
しかし、95年の阪神大震災前後に女性は失踪。そして、元同僚を通じて女性の当時の心情が綴られた日記が暴力団関係者に渡ってしまったとされた。

 2006年8月、原監督に元暴力団員と指摘される男性2名から「(スキャンダルを)表に出さないように解決するから」と脅迫され、1億円を電話で要求してきたのだ。原監督は日記と引き換えに即座に要求に応じた。そして、問題の日記は処分し、原監督の独断で解決に至った。

 しかし2009年、今度は別の男性から「日記を返せ」と原監督の自宅や球団事務所への嫌がらせが始まったという。
これをきっかけに、球団や家族は過去の恐喝事件を把握、男は威力業務妨害で逮捕された。こうして、原監督が支払った1億円は泡となり、一大スキャンダルとして世に知れ渡ってしまった。

 この一連の騒動には、明らかになっていないことが多いと言われている。

 「渦中の女性の正体、暴力団関係者が日記を入手した経緯など、謎が多すぎます。不倫後、10年以上も経ってからユスリに来るのが、まず不自然。しかも、口封じは1千万円とか2千万円ぐらいが相場と言われる中、多額すぎます。
巨人ブランド、原ブランド考えても、1億円を単なる“不倫・堕胎スキャンダル”というだけでは釣り合いが取れないでしょう」(野球関係者)

 これに対して巨人軍は、記者会見で原監督が自腹を切った1億円の支払いは認め、脅してきた人物が「反社会的勢力に属する人物とは知らなかった」と主張し、被害届も出していないと発表したのである。同時に球団本部は、同誌を相手取り、名誉毀損での損害賠償と謝罪広告掲載を請求する訴訟を提起した。

 そして、2012年6月21日発売の同誌に、これらの騒動が掲載されることを事前に知った上で、前日の20日に原監督は『ファンの皆様へ』と題した異例の書面を発表。不倫関係を認め、1億円については「ゆすられていると思い、不安を感じた一方、私を助けてくれるのだとも解釈し、要求された現金を渡しました」と説明した。そして、「私個人の不徳の致すところ。ファンの皆様、大変申し訳ありませんでした」と騒動を謝罪した。


 さらに、2011年11月に解任された元球団代表の清武英利氏に向け、『清武さんへ』と題した書面も同時に公表した。書面の内容は、「巨人軍の選手、OB、関係者を傷つける報道が相次いでいます。こんなことがなぜ続くのか。清武さんのほかに、いったいだれがいるのか」と、同年3月の朝日新聞による契約金超過報道などの裏にあるとされる、清武氏の存在を指摘したのだ。「巨人軍の一員だったことを誇りとして、これからを歩んでください。まだ間に合います」と公の反撃を仕掛けた。
これに対し、清武氏も同日、『原辰徳監督へ』という書面を公開し、事実無根だとして反論した。その後、雑誌の取材に応じるなどしたが、以降動きはないようだ。

 何とも謎に包まれたこの騒動は、「巨人、原監督が元暴力団員に1億円払っていた!」という衝撃の大スクープに、巨人軍のファンのみならず、多くの人が関心を抱いた。だが、これだけの大騒動にも関わらず、メディアはこぞって報道を退いた。

 5年ぶりのリーグV奪回を目指す原監督は、「巨人軍は個人軍であってはならない」と監督就任会見で断言している。個人プレイの度を越して発覚した前代未聞のスキャンダルを肝に銘じ、“チーム優勝”という形で、ファンへの厚い信頼を回復して頂きたいものである。