派遣マッサージ店の女性従業員に性的暴行を加えたとして強制性交の疑いで逮捕された俳優の新井浩文容疑者の業界入りエピソードに、改めて注目が集まっている。

 今や日本映画やドラマに欠かせない俳優となっている新井容疑者であるが、業界入りのきっかけはオーディションやスカウトといったものではない。
高校中退後、19歳であてもなく上京後に、東京都内の屋台で偶然知り合った映画監督の荒戸源次郎氏と意気投合し、女優の大楠道代氏の付き人を経てデビューしているのだ。

 ネット上でも「この時の新井って、よほどイケメンだったのかな」「新井に限らず東京ってこういうチャンスはけっこうあるのかも」といった声が聞かれた。こうしたひょんなことから業界入りを果たした芸能人はほかにもいる。

 「『シン・ゴジラ』や『進撃の巨人』など、日本映画に欠かせない俳優となっている松尾諭は、俳優を目指して関西の大学を中退し上京します。劇団のオーディションなどを受けていたところ、自宅前で拾った財布の持ち主が、芸能プロダクションを経営する女性社長であり、その事務所に所属することになりました。業界の入口となる最初のきっかけが偶然から生まれたわけです」(業界関係者)

 さらには、素人時代に実力が認められてそのままプロの世界に抜擢された人間もいる。


 「『怖い話』でおなじみの稲川淳二は、もともとデザイナーとして活躍していましたが、当時から喋りは達者だったようです。友人の結婚式でスピーチをしていたところ、同席していたラジオディレクターがそのトークセンスを見抜き、1976年4月スタートの深夜番組『オールナイトニッポン』のパーソナリティーに抜擢されます。放送時間は深夜3時から5時の二部でしたが、当時は深夜ラジオブームですから、一気に人気者となりました」(前出・同)

 まさにチャンスはどこに転がっているかわからないともいえるだろう。ただ、それを一度の過ちで無為にしてしまうのも芸能界の怖さであると、新井容疑者の事件は知らしめているのではないだろうか。