オリックスは10日現在、58試合22勝32敗4分け、パ・リーグ首位のソフトバンク&楽天(同率)と8ゲーム差の最下位だが、4日から開幕したセ・パ交流戦ではDeNAに2勝1敗、ヤクルトに1勝1敗で、勝ち越している。7日のヤクルト戦(神宮)は雨天中止になっており、公式戦が再開される28日までに振替試合が組み込まれるため、オリックスの交流戦は少しだけ長引くことになりそうだ。


「クリーンナップが打てば流れが変わる」

 西村徳文監督は試合後の囲み会見で、度々こんな話をしていたが、一番の悩みの種であった吉田正尚とともに中軸を担うロメロが、7試合連続安打、交流戦では打率.444、3本塁打、9打点と大暴れ。打点は1位、打率と本塁打も2位と、「これが公式戦なら」と思わず考えてしまうが、通算打率も3割を超え、交流戦をキッカケに復調したと言っても良さそうだ。打撃練習終了後も表情が明るくなったことからも好調さが窺える。

 日曜日にまだ1勝も出来ないなど、交流戦が始まっても課題は山積しているが、ロメロの復調が与える影響は大きい。まずは交流戦で借金を減らし、公式戦が再開したときに、巻き返しを図りたいところ。11日からは中日、阪神との3連戦が2カード連続で組まれている。
パ・リーグのチームにとってはこの6連戦が今季交流戦最後の本拠地試合となるため、ここはどのチームも全力で「勝ち」を掴みに行くのは言うまでもない。オリックスにとっては、週末開催で満員必至な阪神との「関西ダービー」で、日曜日初勝利を挙げたいところ。

 11日からの中日3連戦では、“神童”山本由伸の初戦登板が発表されており、2戦目以降は松葉貴大、成瀬善久の先発が予定されている。田嶋大樹、榊原翼が「1回休み」というチーム事情から、先発陣が苦しい中、ロメロの復調が他の野手にも影響を与え、打ち勝つ試合が出来れば公式戦にも繋がっていくだけに、ここは打線の奮起と、ロメロの好調継続を願いたい。

取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄