コンビニエンスストアにはたいがいのものが置いてあり、24時間365日必要なものを入手できる便利な存在だ。多くの人が日常的に利用しているであろう。
しかしコンビニができることはないと思われる国がいくつかある。その一つに挙げられるのはドイツだろう。

 実はドイツには「閉店法」という法律があり、小売店の営業時間が国によって定められている。現在は州ごとに決定されているが、多くの州では日曜と祝日は、営業することは不可。店舗は平日の午後8時~午前6時は営業禁止と定められている。パン屋と空港や駅の店、レストランは例外とされるが、日曜や平日の深夜に空いている店はほとんどない。
だが、仮に閉店法がなかったとしても、コンビニがドイツで重宝されることはないだろう。なぜなら、そもそも人々が夜中に買い物をする必要がないのだ。たいていの場合、仕事は午後6時には終わるため、必要であれば午後8時までに買い物をして家に帰り、食事後はゆっくりとくつろぐのがドイツ流。仕事で遅くなって遅い時間に夕食の買い物が必要になることがほとんどない。

 また、夕食にそこまで力を入れないのもドイツならではの文化だろう。日本人の食卓は、一汁三菜が理想とされ品数も多い。
前日の夜に次の日の夕食の買い物を済ませる働く主婦も多いだろう。しかしドイツの夕食は「カルトエッセン」が主流。カルトエッセンとは“冷たい食事”の意味で、夕食に並ぶのは火を使わないパンやチーズのみ。最近、日本のコンビニでは夕食にも使える肉や魚を使った惣菜を置いている店が多いが、ドイツ人は軽い夕食に慣れているため、現在の習慣では需要がないと思われる。

 さらに最も重要な点は、そもそも働き手がいないということだ。ともに先進国で、時間に正確で真面目な点が日本人と似ていると言われることの多いドイツ人だが、仕事観は正反対で、日本人のように遅い時間まで働くという意識がほぼない。
仕事よりもプライベートを優先させる人が多く、みんなが家でくつろいでいる時間に働くなんてもってのほかだという思考である。たとえ、給料や待遇が良かったとしても、現在は店舗を運営できるほどコンビニで働く人を集めるのは困難だろう。

 近頃、日本でもコンビニの24時間営業については議論が巻き起こっている。しかし、コンビニがなくても、案外不便ではなく、むしろ生活スタイルが変わるいい機会かもしれない。

 24時間営業のコンビニが開いていることで、夜中に助けられている人もいるだろう。しかし、それによって夜中に働いている人が出ていることも事実だ。
かつては日本もドイツのようにコンビニがなかった。それを考えるとコンビニの人手不足を嘆くより24時間営業が必要かを考える方が先決なのかもしれない。